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2008年1月15日 (火)

冬休みに読んだ本(3) 「すべては一杯のコーヒーから」

以前、見かけて読みたいと思いつつ、読んでいなかった本を書店で見つけた。

「すべては一杯のコーヒーから」(松田公太 新潮社 1300円+税)。松田公太氏はタリーズコーヒージャパンの代表取締役社長(兼チーフバリスタ)である。

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もう十年以上前になるが、仕事でNYに行ったとき、はじめて「スターバックス」に入り、おしゃれな店のスタイルとコーヒーのおいしさに感激し、「こんなコーヒーショップが日本にもあればいいのに!」と思った。それからしばらくして出張中に東京駅八重洲口の地下街でスターバックスを発見(1号店は銀座だったらしいが)。「あっやっぱり日本にも進出したんだな」と喜び、関西上陸に期待した。まもなくスタバは全国各地に店舗展開するようになった。

タリーズはスタバに遅れること1年の1997年に日本に上陸したコーヒー専門店だ。最初、タリーズを見たとき「おっ なんかスタバもどきの店ができたな」と思ったものだが、本書を読んでみると、松田公太氏はスタバが日本が上陸することを知らず、シアトルで飲んだタリーズのコーヒーのおいしさに感激し「ぜひ日本で店を開きたい」と思い交渉を進めているあいだにスタバが先に日本上陸してしまったようである。

本書を読む前から思っていたのだが、タリーズの接客はたしかに気持ちがいい。この本を読んでその理由がわかった。松田氏自身が手作りで作り上げてきたスピリッツがお店に脈づいているのだろう。高いレベルのサービスはマニュアルだけでは維持できない。そのマニュアルの奥にあるスピリッツが伝わるかどうかだ。急激に店舗が増えると、サービスの質がガクンと落ちることがよくあるが、それは店舗の拡大にサービスのスピリッツをもつ人材の拡大が間に合わないからである。

それにしても、起業にはどれだけの覚悟と情熱が必要かを教えてくれるにはこの本は最高である。すごいエネルギーである。私は最初、タリーズの社長が「銀行出身者」だと何かで読んだときに、銀行の資本で作られた会社だと勝手に思っていた。ところが松田氏は銀行を辞めた後、自分でビジネスの種を探し、アメリカへ単身飛んでタリーズのオーナーと契約を結び、自分のリスクの下、資金を調達して開業し、自ら店に立ってコーヒーを入れながら、ビジネスを拡大してきたのである。

同じころアメリカでコーヒーを飲んで「こんなコーヒーショップが日本にできたらいいなぁ」とのんびり考えていた男(私)もいれば、「こんなコーヒーショップを日本で作りたい」と思いすぐに行動する人もいるのだ。

こういった本は社会人はもちろんだが、大学生や高校生にも読んでほしい。「よし、俺もやってやろう!」なんて人材が続々と出てくるのではないだろうか。

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コメント

「必要は発明の母」にも通ずる話ですね。
私なども「あったらいいのに」。
せいぜい、「やってみたいなあ」レベルで終わって、
決して「やってやろう」に転じていかないのがナントモですが。

投稿: Q太郎 | 2008年1月15日 (火) 23時07分

コメントありがとうございます。
最初に「やる」人はやはりえらいです。
「こんな店、私も出したかったんだ!」という人は、そんな店に出会うまでその言葉を発しません。

投稿: mats | 2008年1月23日 (水) 11時15分

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