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2008年8月25日 (月)

魔法のラーメン発明物語 -私の履歴書- 安藤百福著

先週は東京出張。新幹線は絶好の読書タイム。なのにあわてて出てきたので読む本がない。そこで新大阪駅の書店で新幹線用に購入。

荷物があるときはやはり文庫本に限る。

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『魔法のラーメン発明物語 -私の履歴書- 安藤百福著』(日経ビジネス人文庫)。

あらためてすごい! 安藤百福氏はベンチャー・スピリットあふれる生きざまである。

チキンラーメンの開発に成功したのが48歳。ふつうなら守りに入りかける年である。しかし氏は言う。「人生に遅すぎることはない」と。

そのチキンラーメンとて、最初からうまくいったわけでもない。うどん玉が6円、乾めんが25円の時代に35円という価格。

言い尽くされている「(顕在化した)お客のニーズに応える」という発想であったなら、
チキンラーメンは生まれなかっただろう。

チキンラーメンは、お客に「ニーズを認めさせた」商品である。
それは開発にあたって安藤氏が掲げた5つの目標が時代を読んでいたからである。
1)おいしくて飽きの来ない味
2)家庭の台所に常備できる保存性
3)料理に手間がかからない
4)値段が安い
5)安全で衛生的

値段は価値との関係だから、当時、うどん玉と比べたら圧倒的に高いが、
価値を含めて考えると「高くない」と思わせるものがあったのだ。

チキンラーメンの成功の後、カップヌードルを開発してこれも大成功。
今では当たり前のこの商品も、カップの素材からめんの揚げかたから、フタの開発に至るまで
すごい発想の連続で読んでいておもしろい。

その後に開発したカップライス。
私も、発売当時のことを覚えていて、一度くらいだけか?食べた記憶もある。

しかし、思うように売れなかったらしい。
安藤氏が当時にして30億円を投資して開発したものの、
断腸の思いで早期に撤退する。

「経営は進むより退くほうが難しい。
撤退のときを逃したら、泥沼でもがくことになる。
幸い私は創業社長だった。
自分の責任で決断できた。」

知らないあいだに姿を見なくなったカップライスにそんな苦渋のストーリーがあったことを初めて知った。

ページにして140ページ(「私の履歴書」の部分のみで)。
あっという間に読める本だが、ベンチャー魂とはなにかを教えてくれる中身の濃い本である。

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コメント

チキンラーメン研究家として、ひとこと。
発売は確か、昭和33年8月25日だったと思いますが、この日をもって、日本の食育は崩壊し(保育も多少崩壊したかもしれません)、そして日本の福祉(助け合いの心)というものが崩壊してしまった・・・などという角度から考察してみるのも面白いのではないでしょうか。
いずれにしても、それまでの「支那そば」とか「中華そば」から、“ラーメン”という言葉が誕生したのが、この日だったのではなかったでしたっけ?・・・徒然なるままに・・・

投稿: しゅう太郎 | 2008年8月26日 (火) 16時24分

しゅう太郎さん、コメントありがとうございます。なんとこの日記を書いた日がちょうどチキンラーメン発売50周年の日だったのですね! 教えていただきありがとうございます。

たしかに、日本のみならず世界の食文化に大きな影響を与えた食品であることは間違いありませんね。
 世の中に影響を与える発明というものは、発明者の思いとは別に、使う人次第という側面もあります。ちょっと大げさな表現になりますが、発明品を使いこなせるように人間性の成長も必要と思います。ケータイ電話などその最たる例です。
ちなみに世界ラーメン協会は四川大地震とミャンマー水害の被災地に即席ラーメン100万食を送ったそうです。安藤百福さんも天から喜んでいるのではないでしょうか。

投稿: mats | 2008年8月27日 (水) 12時31分

カップライス。好きだったんですけどね、カップライス。
一度姿を消して、20年くらい前ですか、またちょこっと出てきて…
以来、見かけることはなくなりました。
妙に胡椒と塩っぽい「エビピラフ」の食感、いまだに舌が覚えています。

投稿: Q太郎 | 2008年9月 2日 (火) 14時47分

Q太郎さん、コメントありがとうございます。
私もカップライス食べた記憶がありますよ。
なんかフカフカで、ちょっとたよりない歯ごたえで、ごはんとはまたちょっと違う食べもののような感じでした。
カップライスは最初はものめずらしさで売れたものの、
「お米だったら家にあるわりに、値段が高い」という主婦のシビアなご意見にノックアウトされたようです。

投稿: mats | 2008年9月 8日 (月) 13時16分

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