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2008年9月18日 (木)

『ムーミン谷のひみつ』

じつは『ムーミン』が好きです。
先日、こんな本を見つけて読みました。
『ムーミン谷のひみつ』(冨原眞弓著 ちくま文庫)。

Photo

子どものころに見たアニメの影響ではありません。
好きになったのは、どちらかと言えば、
大人になってからです。

好きなマンガの男の子のキャラクターは?と聞かれたら、
私はこの「ムーミントロール」と「バカボン」と答えます。(゚ー゚)

どちらも、ちょっとドン臭いけど、
純粋でやさしくて、クヨクヨするところもあるけど、
だけどいざというときには勇気があります。
後先考えずに、自分より強いものにだって向かっていきます。
すごく人間らしい(ムーミンは人間ではないけれども)男の子だからです。

ムーミンの話は、子ども向けというよりも、
もともとは大人向けの話だと思います。
昔のアニメのムーミンは(私が子どものころカルピス子ども劇場?でやっていたもの)
あまりにもキャラクターの「かわいさ」だけが強調されていて
かなり口当たりのよい、ある意味、毒のないものでした。

本来のムーミンのストーリーは非常に哲学的です。
あれがいい、これがいい、というようなはっきりしたことは書いていなくて、
すべてにおいて、どこかあいまいです。
そもそもムーミンやそのほかの登場人物自体がなにものかがわからない。(゚ー゚;

自由と孤独。
冒険と安定。
責任と無責任。
怒りと哀しみ。
……いろんなものが描かれていて、
どことなくいつもさみしい(色でいえば青白い世界)。

だけど、その背景には、
どんな苦境にも知恵と勇気をもって向かっていく強さみたいなものが
描かれているように思います。

この本ではそれぞれの登場人物のエピソードごとに、
ムーミンのストーリーがもつテーマを教えてくれます(私は今は『ムーミンパパ海へいく』での、ムーミンパパの焦りやさみしさが、父親として、男として、わかる気がします)。

ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンはスウェーデン生まれのフィンランド人。

ちなみに、フィンランドという国では
「夕方4時になれば仕事を終えて、土日は仕事をせず、夏休みは4週間以上とる」のが平均的」らしいです(『フィンランド 豊かさのメソッド:堀内都喜子著 集英社新書』。

そのフィンランドはOECDの生徒学習到達度調査の科学的リテラシーの分野で、2回続けて世界1位、
世界経済フォーラムの国際競争力ランキングでも2001年から4年連続1位だそうです。

みせかけの「ゆとり」ではなく、
生活に根付いたゆとりが、人間が本来もっている強さや知恵を
育てるのかもしれないとも思います。

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コメント

昔やってた「ムーミン」は、ヤンソンが激怒したとかで、
今ではDVD等でも手に入りません。
後にあらためてアニメ化された「楽しいムーミン一家」はヤンソン公認で
オリジナルに則していて、作品としても良くできているという話です。
(見てないので、特にオススメもできませんが)

投稿: Q太郎 | 2008年9月21日 (日) 15時16分

Q太郎さん、コメントありがとうございます。
昔の『ムーミン』が日本の放送局の意向が強すぎてヤンソンが怒ったという話は聞いたことがあります。
『楽しいムーミン一家』は長男が小さいころ、私も見ましたよ。こちらのほうが原作のテイストをしっかり残していたと思います。
テーマソングも「ねえ、ムーミンこっちむいて」ではなく、少しさみしげなマイナー調からはじまり、途中でメジャーに転調していくところが『ムーミン』らしく思いました。

ところで、フィンランド、恐ろしい銃の事件が起きてしまいました。どの国も心の闇を抱えています。

投稿: mats | 2008年9月24日 (水) 10時25分

たまたまこちらに行き当たりました。
ムーミンはいいですよね。哲学的、そしてあいまいというのはおっしゃるとおりだと思います。そこが魅力ですよね。

ただ、「ムーミンの作者、トーベ・ヤンソンはスウェーデン生まれのフィンランド人。」とありますが、これは違うのではないでしょうか。彼女はフィンランドの首都ヘルシンキで生まれたはずです。「スウェーデン系のフィンランド人」ではありましたが。(スウェーデン語を母語とするフィンランド国民という意味です。フィンランドは2言語の国でフィンランド語とスウェーデン語がともに公用語です)ちょっと気になりましたので差し出がましいですがコメントさせていただきました。


投稿: ムーミンファン | 2008年12月20日 (土) 18時20分

ムーミンファン さん、コメントありがとうございます!
トーベ・ヤンソンはフィンランドのヘルシンキで生まれでしたか。
ご指摘ありがとうございます。勘違いだったようです。
クリスマスシーズンには、書店にもムーミンの本がプレゼント用にたくさん並びますから、
それを見るのも楽しいですね。

投稿: mats | 2008年12月24日 (水) 22時02分

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