2012年5月23日 (水)

『豆腐』

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カラーブックス880「健康を食べる–豆腐–」菅谷文則・友次淳子 共著(平成7年初版、在庫販売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第111回目は、角に頭をぶつけたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、さよなら三角また来て四角な一冊、『豆腐』です。

私は豆腐が好き、というより豆乳が好きです。私の幼なじみにお豆腐屋さんの息子がいたのですが、彼は「毎朝できたての豆乳を飲んでから学校に行くんだ」と言っていて、とても羨ましく思ったことを思い出しました。小学生の頃、彼の家へ遊びに行ってお豆腐を造る仕事場を見せてもらいましたが、コンクリ造りの大きな水槽(という名前なのか分かりませんが…)、使い続けて磨耗した木型、大きな重石など、いかにも「昔ながらのお豆腐屋さん」という雰囲気で、今でもその様子が脳裏に焼き付いています。最近の私はと言えば、もっぱらスーパーなどで量産品の豆腐を買うことがほとんどなのですが、たまにはお豆腐屋さんで手造りの豆腐を買ってみようと思います。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな豆腐の魅力と歴史、種類、そして料理法までを紹介した豆腐づくしな一冊です。著者は、滋賀県立大学人間文化学部教授の菅谷文則氏と、大阪城南女子短期大学生活学科助教授の友次淳子氏。著者は、「はじめに」で以下のように語っております。

「豆腐は白く、四角いものであると、多くの人は思っている。また胡麻豆腐も、その名前から豆腐のなかまと思っておられる人も多い。豆腐は、大豆などの高蛋白の植物種子を煮て、臼ですりつぶし、ニガリなどの凝固剤を加えて、固めたもので、黒豆を原料とすれば黒い豆腐が、緑豆を用いれば緑の豆腐ができる。かたくり粉などを用いて、ひき胡麻を固めた胡麻豆腐や玉子豆腐は伝統的な豆腐のなかまに含めることはできない。」

たしかに、玉子豆腐や胡麻豆腐を白い豆腐と同列に扱うのは無理があるのかもしれません。でも、私はどちらも大好きです。そして、たとえ邪道だとしても、あの種類のものを「豆腐」と呼ぶことに抵抗はありません。この豆腐という言葉は、私たちの生活の中に溶け込んだ料理をすべて受け入れるだけの器の大きさがあるような気がします。さあ、いつ食べても美味しい豆腐に飛び込んで、豆腐まみれになってみようではありませんか。このカラーブックスを読めば、身体の髄まで豆腐に浸かること間違い無しです。それでは、イッツ・ア・豆腐ワールドへ出発進行!
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↑「中国・ウルムチ博物館前の自由市場の豆腐バザール」おもてに豆腐を出しっ放しにしておくなんて、さすがは中国。これは豆腐を切ってるところなんでしょうか? まさか、手に持ったビニール袋にそのまま入れるんじゃないでしょうね…。
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↑「六浄豆腐」(山形県)中華のクラゲ?かつおぶし?いいえ、豆腐です。おそらく、これは薄く切った豆腐を干して、料理するときに戻して食べる保存食だな。いや、何もキャプションがついてないので、あくまで想像。
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↑大昔の中国の厨房の様子
とても分かりやすい絵なんだけど、どこで豆腐を造ってるんだろ? 下の山みたいになってるのが豆腐なのかな。豆腐とまったく関係ないけど、上の方の肉の絵、いい味でてるなぁ。豚の頭が笑ってるし。
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↑ちょっとしたパーティー
誕生日に、新築祝いに、入学式に、父の日に、こんな豆腐料理はいかがですか。いりませんか、そうですか、わかりました。
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↑豆腐づくり
お豆腐ができるまでを紹介した図版。そうそう、私が見た友人の豆腐屋さんもこんな感じでした。そういえば、よく「おから」を回収するトラックが来ていたっけ。ああ、懐かしい。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『豆腐』はまだ在庫がございます、この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、健康一番やっぱり豆腐な一冊『豆腐』のご紹介でした。

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2012年4月30日 (月)

『模型飛行機』

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カラーブックス438「模型飛行機」摺本 好作 著(昭和53年初版、在庫販売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第110回目は、夢が大きく羽ばたくカラーブックスをご紹介いたします。今回は、土手にマニアックなオッサンが大集結な一冊、『模型飛行機』です。

私が荒川区の某所に暮していた時のことです。ある日、街の外れの路地裏を散歩していたら、古ぼけた模型屋さんを見つけました。店内はビッシリと模型の箱が積まれ、中には模型飛行機も中吊りになって飾られています。かなりのマニア向けなお店だったのですが、なんとその店の向かいにも同じような模型屋があったのです。しかも店名が違う別の店。まったく同じような業種の店が対面にあるという現象は、八百屋とか肉屋とか魚屋とかラーメン屋なら分かるのですが、よりによってナゼ模型屋が2軒も…しかも住宅街の真ん中に?! もしかしたら私は白昼夢も見ていたのかもしれません。後日、訪れてみると、やはり模型屋さんは向かい合って営業していたのです。今にしてみれば、引っ越す前に、どちらかの店で模型の一つでも買っておけば良かったなと急に懐かしく思い出してしまったのでありました。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな模型を、いや模型飛行機だけに焦点を絞って紹介した、模型飛行機入門的な一冊です。著者は、玩具・模型の企画設計を行う「株式会社コンパス」代表をつとめていた、模型工作の著書が60冊もある摺本(すりもと)好作氏。摺本氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「ただいえることは、操縦者のいない飛行機が空間に飛び出した瞬間から、生命を持ったごとくに自由に振る舞う。ときにはすなおに、あるときにはダダをこねる。それが自然との対話であり、我々との語らいでもあると思うのです。同じことが、操縦できるはずのUコン(コントロールライン機)にもあるのです。自分の自由になると思っている愛機にも。」

たしかに、あの大空を飛び回る飛行機には魂が宿っているように見えなくもありません。もしかしたら、私たちが念を込めて作った物は全て、命を吹き込まれているのではないでしょうか。たとえ、それがラジコンの飛行機だったとしても、意思がないと誰が証明できるのでしょうか。小さな模型にも、五分の魂はあるのだと、このまえがきは教えてくれるのです。それでは、元祖オタク世代な大人や子どもたちが年齢に関係なくはしゃぐ、70年代的カラー写真の世界をご堪能ください。
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↑「大空を自由にかけまわる飛行機を自分でコントロールできるのですからこたえられません」とRC(ラジコン)マニアの弁。おお、みなみらんぼう的でゆうひが丘の総理大臣的な皆さんが、深夜ラジオとアマチュア無線の香りを漂わせながら、土手に集結してきましたゾ!
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↑「ヘリにはRCがピタリです。空中停止や垂直上昇、バック、なんでも自由にできます。」黒ずくめのファッションにグラサン、そしてヘリ。気分すっかり西部警察の大門…。
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↑ノルディック(A2)グライダー
「索までひっぱってあげるのだ。テルミック(上昇気流)を捜してうまくそれに乗せる。自然と対話ができたって感じがするナ」果てしない大空と、白い大地のその中で…黒ブチ眼鏡のオジサンは、今日も一人でライト兄弟。
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↑インドアエアプレーン
「エッ、重さですか? 機体はわずか1グラムですヨ」右からきた気流を左へ受け流しかねないヒゲのオジサンは、ゼッケン2番で何想う。
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↑モータープレーン
「スイッチオンで4個のモーターが同時スタートできます。エンジンではこうはいきませんからネ。それに音が静かなのも時代に合っているでしょう。モーターと電池がよくなったからこれからです」上下茶色のスーツを着てる、ヤツはマッドサイエンティスト。ネクタイの柄が派手だけど、工学系なら負けないゼ。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『模型飛行機』はまだ在庫がございます、この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、模型屋さんってカオスな店内か整然とした店かのどちらかだよね、な一冊『模型飛行機』のご紹介でした。

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2012年4月21日 (土)

『奈良』

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カラーブックス15「奈良 −カラーガイド−」青山 茂 著(昭和37年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第109回目は、いにしえの刻(とき)を感じるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、街中が鹿と寺だらけな一冊、『奈良』です。

私が初めて奈良を訪れたのは、中学校の修学旅行の時でした。法隆寺、薬師寺、東大寺などを回ったのですが、宿泊は京都だったので滞在時間は非常に短いものでした。そんな短い滞在時間の中で印象に残ったできごとがありました。修学旅行の時には同行するカメラマン(近くの写真館の人であることが多い)が旅の思い出になる写真を撮ってくれることは皆さんご存知だと思いますが、当時、学年の中でもイケてるグループの男子が植え込みの前でしゃがんで撮った写真がありました(たぶん、法隆寺の境内でした)。ヤンキー漫画の流行っていた時代だったこともあり、しかめっ面にウンコ座りの彼らは、カメラに向かって最高のメンチを切っていたわけですが、修学旅行が終わって校内に販売されているその写真を見つけた私は、思わず吹き出してしまいました。彼らの上がり込んでいた植え込みに1本の立て看板があったのですが、そこには「これは古墳です、のぼらないでください」とあったのです。こんなさりげない単なる植え込みでさえやっぱり文化財…もう街中に文化財だらけ、さすが古都・奈良だと感心しました。当時イケてないグループだった私は、もちろんそこに写っていなかったのですが、そのあまりに滑稽で古都らしい写真を購入したのでありました…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな文化財そのものが街になった奈良をカラー写真で紹介した、奈良ガイド本的な一冊です。著者は、当時毎日新聞奈良支局で古美術文化関係の取材記者をしていた青山茂氏。青山氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「もの心がついた頃から奈良に住みつくことになったので、奈良はむしろ第一の故郷といえる。その奈良が私をとらえた最初は四国の高校に在学した頃だった。万葉集の講義で大和の歌が出るたびに、わけもなく涙が出て仕方なかった。」

たしかに、ふるさとは遠くにありておもうもの、というように、故郷を離れると帰りたくなるものなのかもしれません。東京生まれの私は、故郷というものを知らないのでいつも羨ましく思います。それでは、鹿と寺に囲まれた郷(さと)、奈良の雰囲気を伝えるカラーブックスで、昭和37年当時のカラー写真による奈良めぐりの旅をご堪能ください。
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↑南大門の仁王・阿形(あぎょう)の金剛力士像
「門の正面左右に向かい合って金剛、密迹の仁王が立っている。鎌倉時代の名仏師運慶と快慶が作ったもので力感あふれる名作。」つい最近訪れたときも、まったく同じような雰囲気で鎮座しておりました、巨大わらじと素朴な姉弟はいなかったけど…。
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↑鹿のシロちゃん
「奈良公園にはいま八百頭余のシカがいる。(略)そのシカの中でも、特に人目をひき、珍しがられ、かわいがられるのがシロちゃんである。ちょうど英国女王の戴冠式の翌年だけに、頭のてっぺんに冠をいただいたような白い毛の生えたバンビが生れ一躍スターになったのである。」奈良といえば鹿、シロちゃんの冠は代々受け継がれているのだろうか…そういや見かけなかったなぁ。

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↑仏頭石
「若草山の横から春日奥山に通じるドライブウェーのすぐ横の木立の中にあるこの石仏、コケシのような変った姿をしている。高さ1m。」しかし、ちょっとした道端にこんな仏頭が普通にあるところが、さすが奈良。室町時代中期のものだそうです、やっぱり奈良はいい郷です。
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↑本尊十一面観音(法華寺)
「光明皇后をモデルに印度の仏師が作ったという白檀の丸彫りの像。」たしかに顔つきがなんとなく天竺(印度)寄りな気がします。胸のところの年輪がうまく模様になってていい感じ。あれ、上に小さな仏像が一個だけ…。
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↑薬師寺本尊薬師如来 本尊台座の異邦人
「本尊の台座のすぐれたディザインと文化史的な価値もあまりに有名である上框(かまち)の葡萄唐草はギリシア、ペルシア系」たしかに異国情緒あふれるディザイン…。シルクロードから伝わったことを如実に物語る文化財です。サンシャインにある古代オリエント博物館に展示してそうなメソポタミアンなテイストが好き。
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↑信号待ちをする奈良公園のシカ
これは私が最近いった奈良での一コマ。ちゃんと赤信号を待つ鹿が健気で素朴。ああ、奈良に住みたい…。
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↑奈良の大仏(東大寺)
修学旅行以来のご対面。まったく変わらず、大仏殿に鎮座してました。ホコリだらけだったけど、ちゃんとスス払いしてるのかな??
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↑奈良ホテル外観
東京駅や日銀などの設計者でおなじみの辰野金吾先生が設計した、明治時代の名作「奈良ホテル」。洋風でありながら和風のデザインが随所に見られる、折衷クラシックホテルの代表格です。奈良ならではの外観…あれ、シャレになってる?

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『奈良』は絶版ですが、旅路と散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、せんとくんは奈良で結構見かけて馴染んでたような気がした『奈良』のご紹介でした。

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2012年3月31日 (土)

『京の店』

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カラーブックス645「京の店 −老舗と京みやげ−」岩城 もと子 著(昭和51年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。煩悩の数と同じ第108回目は、はんなりとしたカラーブックスをご紹介いたします。今回は、先の大戦は「応仁の乱」以来な一冊、『京の店』です。

以前、京都へ行った時のことです。清水寺から小雨で濡れた石畳の道を歩き、祇園方面に向かって歩いている途中、小さな漬物屋さんを見つけました。店構えも新しく、マンションのようなビルの一階にあったので最近のお店かと思っていました。壬生菜の漬物などを購入し、帰り際に主人に尋ねてみました。「このお店は何年くらいやっているんですか?」すると、「はい、建物は新しいんですが、かれこれ創業100年になります。」…私は戸惑いました。町中にある小さな新しい店構えの漬物屋さんが創業100年!? 東京なら老舗の看板出して、「100年の味」なんていうノボリが立っていてもおかしくないほどの老舗です。「え!そんなに長いんですか!」と私が驚きの声を上げると、「はぁ、京都ではそこら中に創業200年、300年というお店がありますんで、100年なんてまだ新しいほうですわ。うちは100年です、って言ったら「ふぅーん」と言われる程度です。」これは謙遜ではなく、おそらく事実なのでしょう。京都は第二次世界大戦で戦災を免れ、江戸はおろか平安時代からの建物や仏閣が残っている地域です。100年前といえば明治時代。これでは、「まだまだ」と言われても仕方ないのかもしれません…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな伝統そのものが街になった京都の老舗をカラー写真で紹介した、京都の老舗ガイドな一冊です。著者は、元京都新聞記者の作家、岩城もと子氏。岩城氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「京都は伝統技術産業が残っている町である。何百年もの間、親から子に、あるいは師から弟子にとその技術は伝えられ、京の匠の技は世界の人たちにまで賞賛と憧憬をよせられている。先祖代々伝えられた技を守って、手づくり一筋に歩んでいる店がある一方、売買の商人として連綿と生き続けた商家もあるが、共に老舗として京の町の誇り高い存在である。」

たしかに、ものづくりから販売までをおこなう老舗もあれば、ものを売るだけの老舗も多いのが京都。10年20年どころではない伝統ある老舗が、それはもう佃煮にできるくらいの数だけ散らばっているのですから、いつ行っても飽きることはありません。それでは、カラー写真による京都老舗めぐりの旅をご堪能ください。

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↑組紐師 大岡周平梅春さんの高台組紐機の姿
「17歳の年から60年組紐一筋に修行し、京都府産業優秀技術者。」機械で編んだものは次第に弾力がなくなり、手組みのものはキリリとしまってくるという。しっかし髭、伸ばしたなぁ、組紐といっしょに編まないか心配。

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↑京かんざし
「京のあでやかなものの一つに数えられるのが京かんざし。日本髪や束髪が流行ったころ、このかんざしは欠かせないアクセサリーだった。」いやいや美しい。まるでべっこう飴のような色つや…あ、表現力が乏しくてすみません。
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↑御所人形 伊東久重
「古い店であることは、表の看板や人形つづらの上に飾られている様子からもうかがわれる。先年、老舗として京都府知事から表彰された人形細工所伊東で、御所人形専門の店である。」人形の衣裳は西陣織の美しいものが着せられているそうな。それにしても、表に飾られたホコリだらけの看板人形が怖いなー。手前の金太郎らしき人形も目つきが怖いゾ。
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↑だるまさん 達磨堂
「五条坂から清水寺へ行く参道を清水新道といい、その途中に小さな目立たない店の達磨堂がある。ここでは紙張りのだるまだけを売っている。」おお、なんて表情豊かなイイ顔の達磨さんなんだろう! しかし、こうやってみると、やはり達磨大師はインド人顔だナ。
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↑ひょうたん 大井瓢簞屋
清水寺近くの三年坂にあるこのお店、この坂で転ぶと三年以内に死ぬという迷信があって、転ばないようにひょうたんを買ったというのは昔のこと。

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実はこのひょうたん屋、今も7代目の方が継いでおり、半分は猫グッズのお店になっていました。全国の猫ファンから写真がたくさん送られてくるそうです。ここで小さな干支の人形を購入したのですが、財布に入れると効果ありとか。話の面白いご主人曰く「ずぇっっったいに、いいことある!」。このお店を訪れてブレイクした芸人や芸能人も多いとか(笑い飯、錦戸亮など多数)。


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『京の店』は絶版ですが、旅路と散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、200年300年創業は当たり前!な『京の店』のご紹介でした。

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2012年3月22日 (木)

『東京下町ぶらり散歩』

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カラーブックス645「東京下町ぶらり散歩」山本 鉱太郎 著(昭和59年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第107回目は、火事と喧嘩と花火に何故か心が動いてしまうカラーブックスをご紹介いたします。今回は、てやんでぃ、ばーろーな一冊、『東京下町ぶらり散歩』です。

私は、東京の文京区大塚と豊島区東池袋の区境で育ちました。区分的には山手になるのかもしれませんが、その街並や風情はあきらかに「下町」そのものでした。古ぼけた商店街の脇に路面電車が走り、空き地や長屋が点在し、駄菓子屋や銭湯もたくさんありました。零細工場も街のあちこちにあり、フォークリフトの音や油の匂いに郷愁を感じます。私の中で「下町」とは0メートル地帯などのエリアを指す言葉ではなく、そのような風情を指す言葉だと思っています。特に東池袋5丁目周辺は、繁華街からも遠く、駅もローカルな地下鉄駅しかないため、長年手つかずの「天然培養」状態が続いていました。坂を登ればお金持ちの家があり、坂を下れば水はけの悪い商店街がある…。幼少期の私は、そんな分かりやすい地形の中でバーチャルな下町を体現していたのかもしれません。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、いわゆる東京・下町をカラー写真とわかりやすいマップで紹介した、ぶらり途中下車な一冊です。著者は、元放送作家で旅行作家の山本鉱太郎氏。山本氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「喧騒の巷、アスファルトジャングルと言われているマンモス首都も、じっくりと歩いてみれば意外な発見があるものです。昔の面影をとどめている旧街道、戦災に焼け残った古い町並み、歴史や文学の香り漂う坂道、そして暖かな下町の人情とカラフルな行事の数々。これらは、つぶさに歩いてみないとわからないでしょう。」

たしかに、街並みをよく観察すると、戦前の面影をとどめていたり、老舗の店にでくわしたり、「いかにも東京」という都会的なエリアでも意外な「下町風情」を発見できたりするものです。もしかしたら「下町」とは、それぞれの人が心の中に持つ幻想であり、理想郷なのかもしれません。それでは、1984年当時の東京「下町」を記録したカラー画像をご堪能ください。
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↑スエヒロ(銀座)
「地下では格安のサービス・ステーキ、二階では炭火焼きビフテキ、三、四階ではすき焼きが食べられ、エトランジェの訪れも多い。」どデカイステーキをパクつく個性的な髪型の乙女たちも、今では息子が大学生(たぶん)。そうか、銀座も下町になるのか…。
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↑深川不動尊の縁日に出ている羅宇屋(らおや)
浮世絵などでもお馴染みの煙管(キセル)の修理と清掃を専門にしている屋台。現在では「キセル乗車」くらいでしか聞かなくなった言葉ですが、今もキセルの需要はあるのでしょうか…。いや、たしかまだキセル専門の刻みタバコが売っていたハズ。
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↑浅草三社祭のけんらん豪華な「おいらん道中」
おいらんとは、タヌキやキツネと違って人を騙すのに「尾はいらん」ということから「おいらん」となったらしい。「花魁」と書くのは、「鼻の先が欠ける」(性病になる)ところから来ているらしい。いやね、圓生の落語で聞いたんですよ。
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↑吉原の古い町並みを残すさくら鍋屋「中江」界隈
なぜか隣の「天ぷら伊勢屋」には触れていないカラーブックスのキャプション。この近くに8年ほど住んでいたことありますが、結局一度も行けずじまい。吉原の通りを自転車で抜けるのは勇気がいったなー。
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↑柴又名物はじき猿
「悪をはじき去るとあって参詣者に人気」。『男はつらいよ』の舞台で有名な柴又は、たまに行きたくなる観光名所。先日亡くなった寅さんのおばちゃんのようなおばあちゃんがいい感じ。しかし、何度も行ってるのに猿の人形には気づかなんだ。矢切の渡しの横でロケット花火を大量に打ち上げてたのはもう時効のお話…。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『東京下町ぶらり散歩』は絶版ですが、旅路と散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、ダウンタウンへ繰り出そう♪『東京下町ぶらり散歩』のご紹介でした。

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2012年2月29日 (水)

『太宰治』

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カラーブックス215「名作の旅③ 太宰治」大竹 新助 著(昭和46年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第106回目は、俺の頬を殴ってくれっ!と思わず叫びたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、玉川上水でグッドバイな一冊、『太宰治』です。

私は、子どもの頃、親に連れられて伊豆を旅しました。まだ4歳くらいのことでしたが、この時の記憶は今もはっきりと脳裏に焼き付いています。伊豆半島の付け根に位置する三津浜は、とても静かな港町でした。その町の海沿いに「安田屋旅館」という旅館があります。純和風の数寄屋造り、その二階にある「月見草の間」に宿泊したのですが、その部屋こそ小説『斜陽』の第一章と第二章を書き上げた、太宰治ゆかりの部屋でした。太宰が誰なのか、子どもの私にはわかりませんでしたが、どうやらこの部屋で小説家の「ダザイオサム」とやらが有名な小説を書いた、ということは親から聞かされていたようです。窓からの景色、建物の雰囲気、朝食の様子、何もかも鮮明に残っているのです。これが,私の太宰治原体験なのでした…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな太宰治ゆかりの地をカラー写真と作品の一部を引用して紹介した、カラー文学散歩な一冊です。著者は、写真家・随筆家の大竹新助氏。大竹氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「文学というものは、自分で読むべきものですが、その前に、その作家の一生や、思想なりを知っていますと、よりよく作品がわかるものです。そういう手引きとして、この本を作りました。(中略)わたしは、旅好きで、旅に文学を結びつけてみたかったのです。芭蕉が、歌によまれた風景を求めて『奥の細道』の旅にでたようなものです。日本文学には、よく漂泊の思想があり、“旅”につらなっています。この本も、旅と文学の書として編みました。どうか、この本をふところに、自由な楽しい旅を試みてください。」

たしかに、文学の舞台となった場所を旅するのは、どこかインテリな香りがする一方、文学に描かれていた時代の風景とのギャップに愕然とするという悲哀も含んでいます。すでに、このカラーブックスが発行された当時でさえ、昭和初期や戦後間もなくの頃の風景とは全く異なっていたに違いありません。私が幼少の頃訪れた「安田屋旅館」の写真も掲載されていますが、やはり当時の風景そのままだったわけではなく、これも時代の流れなのかと思うと切なくなってしまいます。それでは、太宰治作品ゆかりの風景を記録したカラー画像をたっぷりとご堪能ください。

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↑太宰治の生家「斜陽館」(青森県)
「その家は、この地方の大地主であった。生家はそのまま残って旅館となり、大地主の家の威容をいまも誇っている。」今は旅館から太宰治の記念館へと役割を変え、多くの人が訪れている。あれ、頭が小麦粉の袋みたいになった婆さんが孫と歩いてるゾ!
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↑晩年の太宰治(三鷹の仕事部屋で)
頬杖をついて、どこか虚ろな眼差しで明後日の方角を見つめる太宰。彼の代名詞ともいえるポーズは、ブロマイドにしたくなるほど絵になってます。「嗚呼、しば漬け食べたい…」
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↑太宰の住んだ三鷹の駅前
「太宰は甲州から三鷹に移り住んだ。そのころの三鷹は、東京府下三鷹村で、武蔵野の自然を残していた。駅も寂しい寒駅であった。それがいまは、駅もりっぱになり、都市化の波に洗われつつある。」大阪万博直後の三鷹駅前は、これまた今と大違い。太宰の見ていた三鷹の風景を見て三鷹った。
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↑『人間失格』にでてくる千葉県船橋−アサリ売りなどの海の街風景−
「船橋市は、泥海に臨んだかなり大きいまちであつた。新住民たるその友人の家は…中略…わからないのである。」いまの船橋にアサリ売りの声など響かない、響くのは船橋競馬場の歓声だけ…。
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↑太宰が世を去る日、友人宛に墨書した伊藤左千夫の歌
彼は、玉川上水の濁り水の中に、山崎富栄とともに入水した。雨の降り続いていた梅雨の頃であった。長雨で増水した上水の捜索は難航し、死体は6日後に発見されたという。…グッドバイ。


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『太宰治』は絶版ですが、文学・歴史散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、人間失格だけど憎めない『太宰治』のご紹介でした。

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2012年2月20日 (月)

『しょうゆクッキング』

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カラーブックス609「しょうゆクッキング 健康食百科②」河野 友美 著(昭和58年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第105回目は、日本人に生まれて良かったな〜と思うカラーブックスをご紹介いたします。今回は、なぜか「むらさき」色が好きになる予感がする一冊、『しょうゆクッキング』です。

醤油、しょうゆ、SHOYU…、ああ、なんという素晴らしい調味料なのでしょうか。私は醤油を毎日のように味わっています、なってったって日本人ですから。朝ご飯の卵に、昼食のおかずに、晩ご飯の納豆に、おやつの煎餅に、サラダのドレッシングに…、日本人にとって「醤油」は無くてはならない必需品の調味料と言っても過言ではないと思います。
 昨年の2月、金沢へ行く機会があり、市の中心地から外れた港近くの昔ながらの醤油醸造所で醤油を購入いたしました。直営の売店で瓶に入った「さしみ醤油」とペットボトルに入った「特選醤油」を購入したのですが、その売店の一角に「しょうゆソフトクリーム」なるものを販売しているコーナーがありました。どうやら醤油を練り込んであるソフトクリームのようなのですが、かえって甘みが増して美味しいのです。子どもの頃、学研の「ひみつシリーズ」に『発明・発見のひみつ』という巻があるのですが、その中でアイスの上に醤油を一滴たらして食べるという話が載っていたことを思い出しました。それが妙に美味しそうに感じられたのです。実際に自分でも試してみたのですが、どうもうまく一滴だけたらすことができず、醤油さしからドボッ!と醤油がたれてしまい、ちっとも美味しくなかったことがありました。大人になった今でも、いつかは一滴だけ醤油をたらして甘みの強くなったアイスを食べてみたいと思っています。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな醤油を使ったレシピで作った料理だけを紹介した、ソイソースバンザイな一冊です。著者は、カラーブックスの『栄養手帖』の著者でもあり、大阪薫英女子短期大学教授をつとめていた河野友美氏。河野氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「しょうゆが世界の調味料になってきていることは、最近の話題の一つです。その裏には、しょうゆが、スパイスとして料理の中で使われていることがあげられます。しょうゆがスパイスというと、日本人にとっては、どこか違和感がありますが、これからの日本、いや世界は、しょうゆをスパイスとして使うことが、食料の面でも必要になってくると思われます。それは、人口に対する食料供給量の絶対的な不足です。当然、食料のやりくりが必要です。そういった場合、食べ物をおいしくする必要がどうしても生じます。その主役の一つとして、しょうゆはきっと活躍するはずです。そこで、しょうゆをもう一度、新しい目で見直してみることにしました。」

たしかに、醤油は美味しいです。世界中の人々も、その美味しさを認めていると私も思います。いよいよ日本文化が世界の人々に役立つ時がやってきたのかもしれません。LOVE&SHOYU…、醤油は世界を救う。それでは、そんな世界をすくう和製スパイスを使った、スパイスの効いたカラー画像をたっぷりとご堪能ください。
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↑イギリス風農夫のパイ
しょうゆを含ませたスコーンの載った、田舎らしい大雑把な感じのパイがたまりません。なんか風刺の効いたイラストが下に敷いてあるのが気になって仕方がない。
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↑マッシュルームのしょうゆ漬け、豆腐入りほうれん草のパイ
マッシュルームをしょうゆに漬けたら茶色くなったよ、和風ピクルスのようなものって言ったらいいのかな。ほうれん草のパイは、しょうゆ大さじ1しか使わないよ。そんなんでいいのかな…。
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↑グレープフルーツゼリー&ハニーしょうゆゼリー
私から一生のお願いです、頼むから醤油ゼリーを載せずにそのまま食べさせてください。いや、これ本当に醤油いらないですから。
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↑グレープフルーツのしょうゆバターケーキ&シュー・ア・ラ・しょうゆクリーム
いやいやいや、どっちのデザートにしろ、要らないですから、醤油。普通に食べさせてくださいよ、本当に。え、美味しいって? いえいえいえ、どーぞどーぞ、私は遠慮します。
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↑コンプラしょうゆ瓶
「江戸時代、しょうゆはすでにヨーロッパへ輸出されていました。このときに、しょうゆを入れる容器として使われていたのが写真のような陶器のつぼです。これにしょうゆを入れた後、木栓をし、樹脂のようなもので密栓をしたようです」コノコロカラ、ショーユハ、ガイコクジンニシタシマレテイタノデスネ。酒のトックリみたいだけど、なんだかカッコイイですね。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『しょうゆクッキング』は絶版ですが、料理・味のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、醤油を海外旅行へ持って行きたくなる『しょうゆクッキング』のご紹介でした。

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2012年1月31日 (火)

『千代紙 型染紙』

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カラーブックス287「千代紙 型染紙」加藤 陸朗 著(昭和49年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第104回目は、江戸の“粋”を感じさせる模様の小物入れが欲しくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、おばあちゃんの部屋の小さなゴミ箱を思い出す一冊、『千代紙 型染紙』です。

千代紙と聞いて思い出すのは、私が以前いた会社のおばさんのこと。仕事上、写真を自分で撮影することが多く、当時はデジカメもないので35mmの一眼レフカメラでフィルムを使って撮影していました。撮影経験者はご存知だと思いますが、「フィルムケース」という物が余ってしまいます。会社の中で転がしておいたら、例のおばさんが「いらないなら、そのフィルムケースをちょうだい」といってもらっていくのです。何に使うのだろうと聞いてみると、「このケースに千代紙を貼って、おひな様を作るのよ。あと、ペン立てね」と教えてくれました。なるほど、日常で使っている無機質な不要品も、千代紙を貼ることによって立派な雑貨に早変わりするんだなーと感心してしまいました。大量のケースを差し上げたら「老後の楽しみにするのよ」と、嬉しそうに箱にしまっていたのでした。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな千代紙や型染紙の紹介とそれらを使った小物の作り方を載せた、和風手作り小物の趣味入門な一冊です。著者は、三菱電機を経てアトリエ・ロコを主宰していた加藤陸朗氏。加藤氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「わが国では、良い材料と水に恵まれ、千年余の間受け継がれてきた紙漉きの技術によって、世界に比類のない美しく強い紙−和紙—が作られてきました。和紙は日用品として庶民の生活に不可欠であったばかりでなく、すぐれた和紙と日本人の美意識が、写経・料紙・絵画・版画などの美術工芸を形造ってきました。こうした和紙の歴史のなかで、千代紙も型染紙も、和紙があってはじめて生まれることを忘れることができません」

たしかに、和紙の繊細さと美しさ、そして手触り感は、他国の紙に代え難いものではないでしょうか。江戸時代から現在までの独特の配色センスやデザイン性も千代紙の魅力です。最近になってようやく「和のデザイン」の再評価が高まっているようですが、千代紙こそ、最も身近な和のデザインの一つと言えるのかもしれません。それでは、オイルショック後に作られたディスカバージャパンな一冊のカラー画像をたっぷりとご堪能ください。

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↑女文字ちらし
「これは四世いせ辰の創作で、女名前のちらし書きには艶な美しさがあります。」女性によくある名前を絶妙な色づかいと配置で散らした、まさに江戸グラフィックスな一枚。それにしても「おはん」目立ってます。
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↑千代紙と本 豆本いろいろ
「和綴じの本や折本の表紙に千代紙が使われて来ました。古くは田舎源氏を装丁しなおしたものや、洋書でも自分好みの千代紙で表紙を替えたものがあります」見ているだけでうっとりする美しさ…当り矢と大入りマークの和綴じ本が笑点っぽくてイイなぁ。
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↑京舞妓まげ一代
「京千代紙には「京舞妓まげちらし」と「京舞妓まげ一代」があります。まげちらしは小さくまとめ、まげ一代は大きくはなやかな千代紙です」まげ(かつら)だけがたくさんあるのは美しいような怖いような…。全員が振り向いたら…キャー!
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↑バッグとベルト
「桂介縞とよばれる縞の型染紙で、ショルダーバッグとベルトを作ってみました。革とは違ったしゃれた感覚のものになります」たしかにオシャレですが、雨の日はどうするんでしょうか…。
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↑クッション、バッグ、マガジンラック
「型染紙には誰もがこれが紙の製品かと驚くほどの広い用途があります」このマガジンラック、どう見ても雑誌がゴミ箱に捨てられているように見えるんですが、気のせいです。
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↑カードとはがき
「どれをとっても送り手と受け手の心に通いあうものがこめられたカードになっています」この、こけしのグリーティングカード、今でも十分通用しそうなデザインです。ちょっと欲しいかも。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『千代紙 型染紙』は絶版ですが、趣味・手づくり・マナーのカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、谷中の「いせ辰」に行って千代紙を買いたくなる『千代紙 型染紙』のご紹介でした。

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2012年1月18日 (水)

『ペット』

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カラーブックス125「ペット –その種類と飼い方−」安斎 秀夫 著(昭和42年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第103回目は、思わず頭をなでて頬ずりしたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、読むだけで気分は飼い主な一冊、『ペット』です。

以前、当ブログの『ねこ』でもご紹介いたしましたが、私は約4年前から猫を飼っています。しかも3姉妹。実家は犬を飼っていたのですが、私は子どもの頃から犬が苦手でした。3匹いた犬も全員亡くなり、自分ではペットを飼うことなど一生ないと思い込んでいました。それが、急に猫をもらえることになり、一気に3匹もの家族が増えました。しかし、猫ちゃん達との生活は苦労の連続でした。家に来た当時はまったく慣れずクーラーの上に乗ったきり降りてこなかったり、慣れてきたと思ったら電気のコードを噛むクセがあってボロボロにされたり、家のあちこちにオシッコをひっかけられたり、障子や壁やソファで爪をといで傷だらけにされたり、夜中に大声で鳴き出したり、思わぬところにウ○コをされたり…、手を焼いた話は枚挙に暇がありません。しかし、そういうところも含めて可愛いわけで、ペットは立派な家族の一員なのでした。
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↑我が家の三姉妹。ストーブを消そうとしたら「え!消すの!?」

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、犬や猫から蛇やトカゲまで、ペットとして飼われている動物を網羅した、ペットを飼いたい人のための入門書的な一冊です。著者は、当時、日本熱帯魚研究所長をつとめていた牧野信司氏。牧野氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「最近の愛好家のなかには、ペットの種類も多くさながら動物園の分園の観を呈しているかたもたくさんおられます。かく言う私も、温室内に熱帯ジャングルを再現して、トカゲやカメレオン、小鳥などを放し飼い、また熱帯魚の温室には、ポケットモンキー、クモザル、ヒクイドリ、カンムリバトを自由に連動させているほどで、そのにぎやかなことったらありません。」

たしかに、たくさんのペットに囲まれて住んでいると、毎日が動物園の中にいるような感じです。このカラーブックスが発売された昭和42年当時に、家庭で蛇や猿を飼っていた人はほとんどいなかったのではないでしょうか。今でこそ、巨大なニシキヘビが逃げ出したり、ワニガメが発見されたりして問題になっていますが、爬虫類や猿を飼っていた人は、よっぽどの動物好きか変わり者と思われていたに違いありません(ちなみに、私の父は実家で猿を飼っていたそうです…)。それでは、東京オリンピック閉幕から3年後の日本ペット事情がわかるカラー画像をたっぷりとご堪能ください。
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↑チンパンジー 
「松村さんのペット、チンパンジーのダン吉君は、当年三才、重さ14キロ。おふろもいっしょに入り、松村さんの「いいつけ」をよくききますが、目下いたずら盛り。しかし綱渡り、竹馬、三輪車乗りなど朝めし前。」ペットは飼い主に似るといいますが、こちらは飼い主が…(以下、自粛)。
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↑ヘビ(ボア)
「ヘビをきらう人は大へん多く、これは人類の先祖がヘビのようなはちゅう類に苦しめられた感情のなごりだともいわれるほどです。」スーツ姿の男性がかかえるのは、ニョロリと伸びたおヘビちゃん。やっぱり家にいたら気持悪いなぁ。
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↑アルマジロ
「昼間はごろ寝、夜中に活動というなまけものです。餌はミルクに食パンをひたしたもの、それに卵、ひき肉などを与えます。」つぶらな瞳がかわいいアルマジロ、ヨロイを着たネズミのような愛くるしさ…あれ、これ剥製じゃ??
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↑シャムネコ
「成長するにつれて耳、口、四肢、尾が黒くなり、目の輝きもなんとなくエキゾチックなふんいきをもつようになります。」青い目に白い身体、そして手作り工作っぽい猫ハウス。これぞカラーブックス的な一枚なり。
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↑エンゼルフィッシュ
「熱帯魚といえばたいていの人はこの魚を思いうかべるほど人気のあるものです。戦前の熱帯魚ブームの時代から大へん人気がありましたが、当時一般の人々にはとても手のとどくものではありませんでした。」これぞ、保育社「原色図鑑」シリーズを思わせる色合い。ところで、当時からこんな子供服あったんですね。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ペット』は絶版ですが、「ねこ」「水族館」「日本の魚」などがそろった自然と科学のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、やっぱり猫が好き!と改めて思う『ペット』のご紹介でした。

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2011年12月31日 (土)

『伊豆』

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カラーブックス17「伊豆 カラーガイド」安斎 秀夫 著(昭和37年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第102回目は、イズれは行ってみたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、これぞディス、イズ、イズな一冊、『伊豆』です。

伊豆半島といえば伊東と修善寺と伊豆長岡くらいしか行ったことのなかった私ですが、先日、念願かなって西伊豆と東伊豆へ行ってまいりました。まずは熱海を通って城ヶ崎海岸に寄り、さらに南下して熱川(あたがわ)温泉へ。熱川には、昭和33年開園の「熱川バナナワニ園」があります。
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ここは熱帯植物9000種を収集した日本一の植物園と、生まれたばかりの子ワニから3mの大きなワニまで、保有数では世界一を誇るワニ園があることで知られています。特にワニ園は温泉熱を利用して世界のワニを飼育しているとのこと。熱帯地域に住むワニも温泉のお湯なら安心して浸かっていられそうですね。
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温室もバナナがたわわに実り、ショパンの「ノクターン」が流れる睡蓮の池は、まさに「極楽とは此処のことではないか」と思わせるほど、“あの世”感あふれる空間でした。
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そのまま更に南下し、「天城越え」をして西伊豆へ到着。堂ヶ島の夕日を見ながら、土肥との間にある小さな漁師町の温泉民宿街「宇久須」(うぐす)に宿泊。漁師さんが経営する民宿「漁火の宿 大和丸」は、舟盛りと煮物、焼き物、揚げ物という魚尽くしの料理が自慢。
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夜食べた刺身の魚の頭は、翌朝、焼き魚となって食卓に並びます。部屋も広く清潔で値段もお安く、料理も最高。さすがはテレ東「いい旅夢気分」に取り上げられただけのことはあります。
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翌朝は土肥金山を見学。
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その後、海沿いに富士山の見える港町「戸田」(へだ)へ。松林のある小さな半島には赤い鳥居(諸口神社)、そしてその先にそびえ立つ霊峰・富士山。日本にパワースポット数多くあれど、これほどパワーを感じた場所はありませんでした。東京から車でも電車でもすぐに行ける楽園・伊豆の魅力を存分に味わった1泊2日でした。
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閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、静岡県の伊豆半島を紹介した、カラーブックス創刊年出版の伊豆半島丸ごとガイドな一冊です。著者は、当時、日本温泉協会事務局長をつとめていた安斎秀夫氏。安斎氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「東京人にとって「伊豆」という呼び名からくる連想は明るく楽しい小旅行なのである。(中略)伊豆には豊富な温泉がある。口伊豆の華麗な温泉ホテル、奥伊豆の静寂な宿、あるいは亜熱帯植物の花香る南伊豆の旅館、人はそのいずれに一夜をおくるにしても、伊豆の国に共通な、明るいゆたかさを身にしみて感じるはずである。」

たしかに、伊豆の魅力は豊富な温泉と自然、そして昔ながらの温泉街風情です。また、ハワイや東南アジアのようなヤシの木茂る南国の雰囲気も残ります。それは、私たちが脳内で想像したイメージ上の南の島なのです。バナナワニ園やシャボテン公園などは、その典型的な例ですが、私たちは伊豆に行くことでバーチャルに南国体験をしているのかもしれません。昭和37年当時の伊豆のカラー写真は、そんな雰囲気がプンプンとただよっているように思います。それでは、マンゴーやバナナでも食べて、南国の甘いムードを感じながらごらんください。
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↑伊東松川口 
日本庭園の中に作られた温泉に男たちがくつろぐ。そしてすぐ後ろには橋…あのー、見えてますよ。
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↑稲取 エビ網の乾し場
「稲取では伊勢エビの集荷がさかん。エビ網のはられるのは、寒い冬の海である。」夕焼けなのか、朝焼けなのか、天秤棒をひとり担ぐ貴女。着いて行きたい、貴女の後を。待って欲しいな、稲取の女(ひと)。
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↑熱海ロープウェイ
今もある熱海ロープウェイ、まさに旧き佳き昭和の風景。なお、現在は、ロープウェイの着いた先に大人の温泉娯楽の殿堂「秘宝館」がございますので、お愉しみ下さいませ。
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↑修善寺 温泉プール
温泉なのにプールです。この絵画のような構図は、旅情を誘うばかりか、どこか昭和30年代のモダニズムさえ感じさせてくれます。ああ、この時代に生まれたかったなぁ。
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↑南伊豆・峯温泉にて 見事に実ったパイナップル
温泉地熱を利用した南国果物栽培。浴衣姿でパイナップル。これほどイメージ上の伊豆を表現した写真が他にあるでしょうか。ありません。
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↑みかんの伊豆
伊豆といえばみかん。今でも「ニューサマーオレンジ」を使った食品や加工品、お菓子がたくさんお土産として売られています。ニューサマーオレンジ…なぜかヘルスセンターを思い起こさせる語感。いや、あくまで雰囲気、雰囲気。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『伊豆』は絶版ですが、旅路・散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、今度は下田のペリーロードや波勝崎の猿公園にも行きたくなった『伊豆』のご紹介でした。

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2011年12月17日 (土)

『すすきののママ101人』

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カラーブックス779「すすきののママ101人」木村久里 著(平成元年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第101回目は、101回目にふさわしいカラーブックスをご紹介いたします。今回は、水割りの匂いと柿ピーとカラオケが似合う一冊、『すすきののママ101人』です。

北海道・札幌市「すすきの」…、この言葉を聞いて頭に思い浮かぶのは、猥雑だけど人間味のある夜の歓楽街というイメージです。歓楽街には、人の欲望、喜怒哀楽、そしてさまざまな人生が、まるでネオンサインのように点在し、入り交じり、重なり合っています。

私はまだ「すすきの」へは行ったことがないのですが、歓楽街には大変興味をもっていて、中でもひょんなことから縁ができた群馬県高崎市の中心部にある歓楽街「柳川町」は、以前から何度も足をはこんだり資料を探したりしています。この街が面白いのは、狭いながらも江戸時代から続く歓楽街の流れや条件が、小さなエリアの中にコンパクトにまとまっていることです。まず高崎城というお城の跡があり、その近くの遊郭跡にできた歓楽街が「柳川町」なのですが、このお城にはじまって、遊郭(のちに赤線、風俗)、料亭、待合旅館、映画館、飲屋街、寿司屋、蕎麦屋、銭湯、商店街…こういった一地方都市の典型的な歓楽街の要素が、ここには全て揃っていました。ここまでバランス良く残っている街も珍しいので、少しずつではありますが、この街を記録する作業を数年前からはじめています。いずれ、この記録・研究を本にまとめたいと思っています。

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↑上が昼の群馬県高崎市「柳川町」
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↑下は夜の様子。今日もカラオケの声がコダマする夜の街は終わらない…

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、北海道一の歓楽街「すすきの」のスナックや居酒屋、バーなどで働くママさんたち101人を紹介した、超ローカルにして現代民俗学的にも貴重な一冊です。ママさんたちそれぞれの趣味や好み、個人情報(笑)も盛りだくさんに掲載されています。著者は、ライター、コーディネーター、リサーチウーマンなどさまざまな肩書きを持つ“アラカルター”木村久里氏。木村氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「私はススキノが気に入っている。ススキノに住んで約8年。この街には、古さと新しさ、情と金、もろさとしたたかさ……、裏と表が微妙に入り交じり、まさに人生の縮図を見る思いがする。家柄も、財産も、地位も、学歴も一切関係ない。自分の魅力と実力で、サクセスできるおもしろさもある。そんな中で、やさしくもたくましく生きるママさん達を紹介したいと思った。」

たしかに、大衆的なお店のママさんには魅力的な方がたくさんいらっしゃいます。とりわけ、スナックと呼ばれているお店は、日本人に最も愛されている大衆飲み屋ではないでしょうか。全国のスナックを記録している編集者・写真家の都築響一さんも何かの雑誌で書いていましたが、日本で一番多い飲食店は、チェーン居酒屋でもおしゃれなダイニングバーでもなく、カラオケを置いた水割りの香りがするスナックなのです。そんなスナックを中心に、居酒屋、郷土料理店、クラブ、ゲイバーまで、ススキノの夜で元気に働くママさんたちを記録した本書は、個性的なカラーポートレイトが盛りだくさんな一冊です。それでは、中年カップルのデュエット曲をBGMに、ポッキーと乾きものをつまみに角瓶の水割りをかたむけながらごらんください。♪絵もない〜花もない〜…
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↑居酒屋 憩(いこい)阿妻キミ 
「“お父さん”との夫婦ゲンカも名物のひとつ」好きな有名人に、伊武雅刀をあげてるのがイイですネ。昭和39年開店のこのお店、まだあるのでしょうか。
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↑季節料理 寓(ぐう)・千賀(ちが) 小斉千賀子
「“寓”はお客さんの仮の宿になればという気持ちをこめて店名につけている。」どこか島倉千代子を思わせるママさん、将来の夢は「南の国の老人ホームに入ること」トカ。人生いろいろですネ!
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↑BAR田むら 田村幸子
「物事にこだわらない性格と大きな口がチャームポイント」どこかイチロー選手を思わせる顔と、バブル時代を思い出させる肩パット入りスーツがナマナマしいママさん、今もお元気ですかー? 嫌いな有名人は「片岡鶴太郎/浅野ゆう子」なのに、本人のファッションは超ダブル浅野!
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↑ジャズバー アフターグロウ 浜田秀子
「チャームポイントは「すべてにおいて純粋なこと」」アフターグロウ…まさに店名を擬人化したかのようなママさん。なんか分からないけど、なんかアフターグロウな佇まい。アフターグロウの意味、知らないけど。「言われて嬉しい言葉orくどかれたい言葉」は、「いつも言われすぎてわからない!?」とのこと。
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↑ゲイバー ロイヤルコットンクラブ 織戸誠
「剣道3段、柔道初段、「男っぽい体のわりには女っぽいのよ」とママ」言われたくない言葉は、「つまんない、ママブスね」。このポーズとメガネとお花がステキよネ!?

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『すすきののママ101人』は絶版ですが、「洋酒入門」や「カクテル入門」などの料理・味のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、セサミクラッカーとアーモンドの乾きものが急に食べたくなった『すすきののママ101人』のご紹介でした。

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2011年11月30日 (水)

『デザイン』

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カラーブックス75「デザイン」小池新二 著(昭和40年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。記念すべき第100回目は、思わず難しいことを考え込んでしまうカラーブックスをご紹介いたします。今回は、この表紙そのもののデザインがカッコイイ一冊、『デザイン』です。 

※↑カバー写真は、鋼鉄の工芸家 フリッツ・キューン(東ドイツ)の作品部分。こんな表紙が許されてしまうところがカラーブックスのイイところです。

現代美術というジャンルの世界で活躍している藝術家(アーティスト)に、会田誠(あいだ・まこと)という人がいます。その会田氏が26歳の1992年に発表した「デザイン」という一枚の絵画があります。それは、1986年に起きたスペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故の映像を、彼がテンペラ・油彩混合技法で描いたものです。会田氏は、この作品について次のように書いています。

「このように、自分の個性をまったく加えず、そのまま描き写すことが美神によって許可されていると確信できる完璧なイコン——それを僕は〈デザイン〉と呼んだのですが——に出会う幸運は滅多にありません。なのでこの類似作はなかなか描けません。」(『会田誠作品集 孤独な惑星』1999年、DANぼ刊)

爆発事故による悲惨さ、遺族の悲しみ、といった悲劇をコンセプトに描いた作品ではありません。彼は、ボイジャー爆発事故の映像の一コマを、そのまんまそっくりに描いても許されるほど完璧な形(イコン)ととらえ、不謹慎さなど承知の上で、この作品に「デザイン」というタイトルを付けて発表したのです。私は、この作品解説を初めて読んだときの衝撃を、今も忘れることが出来ません。そう考えてみると、会田氏の作品群は、いろいろな〈デザイン〉の集合体であることに気がつきます。そのモチーフは、下品で下世話で大衆的なものもあれば、世界の古典的な芸術品までさまざまです。雑草しかり、原爆ドームしかり、パルテノン神殿しかり、ピンクチラシしかり、マンハッタンしかり、ルーズソックス姿の女子高生しかり、日本画しかり、消費者金融のティッシュしかり、国旗しかり、キングギドラしかり…。「デザインとは、そのまま描き写すことが美神によって許可されていると確信できる完璧なイコンである」。デザインについて、この定義以上の解説を、私はいまだに聞いたことがありません。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、昭和40年当時における世界のさまざまな〈デザイン的なるもの〉を豊富なカラー図版とともに紹介した一冊です。ここでいう「デザイン」とは、単に工業製品の造形や、ポスター・雑誌に代表される印刷物の平面構成のことだけを指しているわけではありません。それは生活の中から生まれた伝統行事に用いられるお供え物であったり、暮らしの中から生まれた伝統的な建築意匠であったり、重箱や壺の装飾であったり、万国博覧会のパビリオンであったりとさまざまです。それは「意匠」という言葉や「機能美」と訳すこともできるかもしれません。この本では、「デザイナア(本文ママ)の役目は、工業製品がそのモノの本質的な性質を実現し、表現するように造形することにある」と説いています。そのような形や色や素材である必然性があるからこそ、そのような形や色や素材になった、という「機能美としてのデザイン」こそ「デザイン」の本質だと、この本は教えてくれるのです。著者は、千葉大学工学部教授であった小池新二氏。小池氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「日本ではデザインに関する書物の大半は、デザイナア相手の技法書で、デザインといえば一般にものの形や色を処理することのように思われています。この本はそのような社会通念を破って、一般の読者のためにデザインとはどういうものであるかということを知っていただこうとして書かれたものです。」

たしかに、デザイン書という言葉を聞くと、私たちはどうしてもデザインの技法を学ぶ本を思い浮かべますし、「物」そのものの処理という表面的な部分を想像してしまいます。さきほど上にも書きましたが、デザインというものの本質は、決して芸術作品のようなものよりも、市井のものや、実用的なものの中にこそあるような気がするのです。私はそういう意味では、『珍日本紀行』などで知られる編集者・都築響一氏の一連の仕事を尊敬していますし、日本の中でデザインというものの本質を理解している数少ない編集者の一人ではないかと思っています。都築さん、尊敬しています。それでは、決して表面的ではない本質的なデザインを取り上げた本書から、極めて表面的な理由で選んだカラー図版の数々をご紹介いたします。どうか怒らずにご覧下さい。

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↑ニューヨーク近代美術館収蔵のデザイン作品(グラフィック・デザイン)
マキシCD「石野卓球/stereo nights」ジャケの元ネタになったロシア構成主義のグラフィック(真ん中の8番)がステキ
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↑日本 トランジスタ・テープレコーダーTC802(ソニー)
やっぱりこの時代の日本の工業デザインは洗練されていますネ。これぞ機能美! すべてがYMO『テクノデリック』の世界観。こんなレコーダーにロボットボイスを録音したい…「TOKIO!」
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↑キャラバンの移動住宅
1964年、ミラノトリエンナーレ展に出品されたイギリスのデザイン。クライヴ・ラティマア指導の下、9名のデザイナアが協働したこのモビルシェルタアは、展開すると5つの床面が生まれ、居間、寝台、厨房はもちろん、トイレからシャワーまで設けられている。これも新しいライフデザインの一例ナリ。
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↑デンマークの新しい住宅(ボエルン・ボルジェソンの設計、1964)
いまや廃村と化した軽井沢の別荘地なんかには絶対にない、ヨーロッパならではの美しい居住空間。これは、建物だけでなく、風景や環境も含めて一つのデザインになっている好例。
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↑デザインソースとその発展。
日本の「曲わっぱ」から発展した照明器具(デンマーク)。プラスチックで曲わっぱのデザインを表現したところがおミゴト!


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『デザイン』は絶版ですが、芸術入門に関するカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、そろそろMacで作ったデザインからの脱却をはかろうと思っている人たちに贈る『デザイン』のご紹介でした。次回は、もう第101回目。プロポーズしちゃうかも?! お楽しみに。

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2011年11月18日 (金)

『手相入門』

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カラーブックス405「手相入門」八木喜三朗 著(昭和52年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。ゾロ目の第99回目は、じっと手を見たくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、手のシワとシワを合わせたらシアワセな一冊、『手相入門』です。

私は手相に興味がありませんでした、台湾旅行へ行くまでは…。台北市内には「占い横丁」という、占いの店が集まる地下商店街のような場所があります。そのうちの一軒で私の彼女が占ってもらったところ(手相、米粒占いなど)、近い将来に起きる出来事を2つも言い当てられました。それまで占いに全く興味がなかった私は、それをきっかけに占いに興味を持ち、手相を見てもらいに一人で占い師のところへ行ったこともあります(一度だけですが)。そして、再び台湾へ行き、ついに私も占いをしていただきました。その結果、私は「旅行線」と呼ばれる線が長いので、「海外旅行をした方がストレス発散できる。または海外で仕事をするのに向いている」と言われました。はたして占いは当たるのか、数年後のお楽しみということにしたいと思います。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、手相のみかたから歴史までを、実例をもとに詳しく解説した一冊です。著者は、かつてテレビ、ラジオで活躍し、新聞にも連載を持っていた大阪府易道協同組合元理事長の八木喜三朗氏。八木氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「哲学者カントは『手は外部に出た脳髄である』といっており、『手は一つの機能ではなく、いろいろな機能の現われである』との言葉もあるように、手相と性格、才能、運命などとの結びつきはまことに深いものがあります」

たしかに、手相はその人のおかれた状況に応じて微妙に変化するところが面白いですよね。いろいろなパターンを覚えれば、今後どのようなことが起こり、それに対してどうすれば良いのかが見えてくると思います。このカラーブックスを拡大鏡で見ながら勉強してみたいと思います。それでは、モデルの手相と人相を観察したユニークな図版の数々をタップリご堪能ください。
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↑乳児の手相と人相
「顔としてはまだまだ未完成ですが、感情線、頭脳線からみて、直感的な鋭さを持っているといえます」赤ちゃんて、顔も手もシワクチャなので、本当に手相がわかるんだろうか。ありゃ、目に何かが…
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↑20代男性の手相と人相
「サラリーマンには向かない、一匹狼的な性格といえます。顔の特徴は、口が大きすぎることで、大言壮言しやすく、目が両方さがっているのは女性に甘いということがいえます。眉の真ん中の高いのは、芸能面に向いているといえます」手相や人相よりも、この男性が20代という事実の方がよっぽどオドロキです。
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↑27歳の男性の手相と人相
「顔は山根にホクロをもっていること、やさしい女面の目、若衆面のあごなどが特徴です」これまた20代ということに驚きを隠せませんが、池田満寿夫似の顔と髪型が昭和ですナ
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↑30代男性の手相と人相
「顔は額が良く、眉が濃く太く、耳が長いなどが言えます。上下の唇も発達してよい相です」いやいやいや、なんといっても、手相より、人相より、そのネクタイどうしたんですか??
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↑40代男性の手相と人相
「顔は額が良く、眉もしっかりしており、口の締りも良いが、目がやや弱く、それが性格にあらわれます」これまた40代には見えない遠藤周作的なお顔立ちとメガネが気になります。背景の合板の木目が生活感たっぷり
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↑台湾・占い横丁の洪雨辰先生
こちらが、台北市内「占い横丁」で20年以上も店を構えている洪先生。よく当たるし、日本語も達者なので安心です。台湾旅行へ行かれた際はゼヒ!

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『手相入門』は絶版ですが、趣味に関するカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、手は口ほどに物を言う『手相入門』のご紹介でした。次回は、いよいよ記念すべき第100回です、お楽しみに!

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2011年10月31日 (月)

『ロンドン』

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カラーブックス69「ロンドン カラーガイド」岡本成蹊 著(昭和40年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第98回目は、小雨の向こうに街が煙るようなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、まるで霧が立ちこめているような一冊、『ロンドン』です。

昭和30年代にロンドンへ旅行する…、それは日本人にとってトンデモないことだったのではないでしょうか。昭和36年のウイスキー懸賞CM「トリスを飲んでハワイへ行こう!」は有名ですが、1ドル360円だった時代の海外旅行は、日本人にとっては夢のまた夢。ましてやヨーロッパ旅行なんぞ、一生に一度行けるか行けないかという感覚だったに違いありません。私が高校生のとき、毎晩聞いていたFMラジオ番組『ジェットストリーム』(ナレーション:城達也)は、まさに海外旅行が高嶺の花だった時代の空気が漂うステキな番組でした。この番組では、よくJALのロンドン旅行ツアーの宣伝が流れていたのですが、「ロンドン○日間コースが、ウン十ウン万ウン千円からです」という城達也さんの低音で語られる、とても手が出ない旅行代金にいつも溜息が出たものです。まぁ、高校生ですから行けなくて当たり前ですが…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな昭和30年代に半年間もロンドンへ滞在したという著者が、豊富な写真とともにロンドンの街を隅から隅まで紹介した、まさに「ガイド」と呼ぶにふさわしい一冊です。著者は、法政大学文学部教授・文学博士であった、岡本成蹊(せいけい)氏。岡本氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「わたしのロンドン生活は、わずか半年にすぎなかった。この短い期間で、歴史と共に生きているあの大都会を見きわめることは、とうてい無理である。しかし、わたしはわたしなりにこの都会の生活の中にはいり込み、わたしなりに理解したと思っている。」

たしかに、たとえ短い期間の滞在だとしても、半年もいれば愛着も沸き、その街のことがそれなりにわかってくるというものです。ましてや、日本人のほとんどが海外旅行にいったことのない時代となれば、「なんでも見てやろう」と朝から晩まで街をウロウロしていたに違いありません…ああ、うらやましい。霧と小雨のロンドンで二階建てバスに乗って、パブに寄ってジンをあおったら、アビーロードの横断歩道を手広げて渡り、「バカな歩きかた省」の役人よろしく大股歩きで地下鉄に乗って家に帰りたい(意味不明)。それでは、Don’t let me downでGet Backなロンドンの街を、色鮮やかなカラー写真でご堪能ください。
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↑ショウ・ウィンドウのぞき
「オックスフォード・ストリートにはデパートや大きな商店が並んでいる。これはノエルという店」いやいや、さすがはロンドン今見ても充分通用するようなセンスを感じるウィンドウディスプレイ。あ、マネキンの一人が動い…
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↑ウェストミンスター・アベイの礼拝堂
「この寺院は過去数世紀にわたって戴冠式の行われてきた場であり、また政治家、文学者、学者、軍人ら国家に功労のあった人の埋葬されているところでもある」歴史ある素晴らしい建築を前に、カメラも思わずピンボケた? いや、トイカメラ的な情緒と臨場感は伝わります
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↑チャールズ・ディケンズの作品に登場する人物の切抜絵
突然、何の説明もなく切り絵が掲載されています(しかもモノクロ)。著者は、チャールズ・ディケンズ(代表作『クリスマス・キャロル』など)の家を訪れ、書斎でたたずんで物思いにふけっていたほどのファンだそうですヨ
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↑繁華街を走る二階建てバス(シャフツベリイ・アビニュ)
ロンドンの二階建てバスは、この街並だからこそ絵になる。私が子供の頃は、上野〜浅草間を二階建てバス(もちろん赤色)が走っていたけど、日本の街並には似合いませんナ
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↑地下鉄の壁の駅表示(ホーバン駅)
ポスターも駅看板も様になってますね、さすがはロンドンの地下鉄。この写真だけでCDのジャケになりそう。なんだか英国の現代美術作家、故リチャード・ハミルトンの作品を思わせる色合い…


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ロンドン』は絶版ですが、旅路と散策もののカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、愉快で楽しい気分になった(?)『ロンドン』のご紹介でした。

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2011年10月16日 (日)

『創作おりがみ』

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カラーブックス474「創作おりがみ」河合豊彰 著(昭和54年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第97回目は、折って、折って、折りまくるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、紙を使ってここまでできるのか!と思わず驚かずにはいられない一冊、『創作おりがみ』です。

去る10月初旬、近所の飛鳥山にある「紙の博物館」という、紙に関する企画・常設展をおこなっている博物館へ行ってまいりました。ちょうど企画展が開催中で、のぞいてみると「生誕100周年記念 吉澤章 創作折り紙」という、まさに今回ご紹介するカラーブックスにドンピシャの展示内容でした。折り紙を新しい感覚でとらえ、独創的な造形芸術の域に高めた吉澤折り紙は、「折り紙」を共通の言葉『ORIGAMI』として世界に広めました。一枚の紙に生命を吹き込み、動植物などの生物、仮面、心象、天体など森羅万象を折り紙で表現した吉澤章氏は“神宿る手”と称されたとのこと。折り紙に人生を捧げた氏の業績を、様々な作品群とともに、その創作活動が伺われる貴重な資料も交えて紹介しています。
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中でも圧巻だったのは、本人の「自画像」折り紙! うお、ソックリ! 折り紙でここまでできることを証明した、まさに代表作といえるのではないでしょうか。吉澤氏のすごいところは、鉄工所に勤めるかたわら趣味で折り紙を作りつづけ、本格的に創作折り紙を発表するようになったのが40歳を過ぎてからというところ。その後、90歳を過ぎて亡くなるまで創作折り紙の素晴らしさを伝えつづけたのです。いやいや、人生なにがあるかわかりませんね…。この展覧会は2011年11月27日まで開催中です。詳しくはWebで。

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閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな創作折り紙の魅力をタップリとご紹介した、見て、使えて、作れる実用的な一冊です。本文は、巻頭から巻末まで創作おりがみの作り方をビッシリと掲載。折り紙の歴史や創作折り紙の特徴などは、同じ著者の折り紙関係カラーブックスの既刊本3冊に書かれているので、本書ではこれでもか!というくらいに、折り方ばかりをビッシリと紹介しています。著者は、「河合豊彰創作折り紙研究会」を主催し1962年より毎年創作折り紙の個展を開いていた、河合豊彰(とよあき)氏。河合氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「折り紙は、折ってしまったら楽しみは終わりというものではありません。ていねいに折りあげたら、気に入った作品は飾って楽しめます。しかし、今回ご紹介する作品は、ただ折ったから飾るというのではなく、最初から、飾る、使う、また遊ぶという目的を持って折るというところに特徴があります。このような目的を持って折ることにより、折る素材―紙など―やその大きさ、仕あげの処理などにも心を折ることになり、折り紙の楽しさは、さらに広がっていき、数々の工夫も生まれて、創作折り紙の意図するところも、おのずと理解されることでしょう。」

たしかに、折り紙を初めから飾ったり、使ったり、遊ぶ目的で作ることは少なかったように思います。これを機会に、折り紙でいろいろ遊んでみるのも楽しいのではないでしょうか。それでは、折り紙でここまでできるの?!という驚きの名作の数々をカラー写真でご堪能ください。
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↑おすましねこ と 首ふりねこ
首ふりねこは、胴と頭を別々の紙で折るため、指先で触れたり風がきたりすると首が揺れます。ニヤつきかたが絶妙な猫がひとこと、「不器用なあなたに、私の形が折れるのかねぇ〜ニタニタニター」
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↑首ふりねこの折り方
これが、首ふりねこの折り方。このイイ顔はこうやって折るんだなー。おすまし猫の折り方を知りたい方は、是非とも購入を。
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↑ルーピータイ
まるで鳩山首相のあだ名のようですが、おそらくループタイ。だるまはまだしも、サイケな色合いの風神はかなりシュール。これをつけて民芸調酒場でどぶろくをあおれば、気分はもはやディスカバージャパン。
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↑風神ルーピータイ&ブローチの作り方、部分
実際に作って付けてみました、と嬉しそうな男女のイラストは貸本漫画クオリティ。こんなループタイをしていれば、鬼に金棒、魔除けにも最適。
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↑御所人形
麗子像? いえいえ、御所人形です。泣いているのか、笑っているのか、着物姿のステキなアナタ。声かけたいな、おりがみの女(ひと)。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『創作おりがみ』は、嬉しいことにまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。また、30万冊を売り上げたベストセラーのカラーブックス折り紙シリーズを一冊にまとめた『カラーブックス復刻版おりがみ −基本から創作まで−』も絶賛発売中です。今回は、ダルマのループタイを作ってみたくなった『創作おりがみ』のご紹介でした。

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2011年9月29日 (木)

『新しい大阪』

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カラーブックス186「新しい大阪」保育社編集部 編(昭和44年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第96回目は、♪こんにちは、こんにちは〜、なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、1970年の日本万国博覧会開催を目前に控えた大阪を丸ごと紹介した一冊、『新しい大阪』です。

昭和45(1970)年、大阪・千里丘陵に期間限定の巨大な未来都市が出現しました。当時、アジアで初めて開催された万博、「日本万国博覧会(通称:大阪万博)」の会場です。色とりどりの巨大なパビリオン群、岡本太郎作のベラボーなシンボル「太陽の塔」、会場を囲むように走るモノレール…、この一大イベントは戦後日本の豊かさを象徴する日本総出の「お祭り騒ぎ」だったのです(「月の石」の展示や「人間洗濯機」、大行列で会場へ入場する人々の映像などをTVで見たことがある方も多いと思います。)最近では当時の記録映画がDVD化されたり、万博パビリオンがグリコのオマケ化されたりと、当時会場へ足を運んだことのある世代がこの大阪万博をリスペクトした商品や作品などを発表しています。それは、いい大人になった今でも「トラウマ」から解放されないほどインパクトのあった狂乱的な白昼夢だったと言えるのではないでしょうか。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんなドンチャン騒ぎが始まる直前の大阪の街を紹介した、「万博を見に大阪へ行こう」キャンペーン用の大阪観光ガイド本です。本文では、大阪の有名スポットや特徴を23ジャンルに分け、それぞれを小説家、音楽家、画家など大阪にゆかりのある著名人が随筆風の文章で紹介。巻末のモノクロページでは、大阪の交通機関や方言から味どころも掲載しています。編者は、当時の保育社編集部。巻頭の言葉は、刊行当時の大阪府知事だった左藤義詮氏。左藤氏は「次の門出へ」と題して以下のように語っております。

「府庁の知事室の窓を額縁にして、秋空のもと大阪城が一幅の名画である。晴れた日には、北の方遠くに万博会場のパビリオン群が、北摂の山脈を背にくっきりと浮かび上がる。古い顔と新しい姿とが渾然一体となって溶けあい、息づいているまち、これが「大阪」の魅力だといえば身びいきが過ぎようか。」

たしかに、こんな新旧の美しい街並を眺めることができれば、誰しも清々しい気持ちになってしまうのは当然だと思います。大阪の街を歩くと、たまに万博と同じ頃に出来たと思われる建物やお店を見かけることがよくあります。約40年を経た今でも、その残影を見つけることができるということは、いかに当時の大阪の街が大きく変わったのか、ということの証明でもあると思います。だから、私は大阪へ行くたびに「万博的な雰囲気」を街中で探してしまうのです。あの空気感をちょっとでもいいから味わいたくて…。それでは、消えゆく旧き佳き商都・大阪と万博開催直前の新しい大阪の姿を、カラー写真でご堪能ください。
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↑「キタのターミナル夜景:ビルを彩る電飾が印象的」新阪急ビルの屋上から撮影したと思われます。道路の中州に建つ有機的な形の「梅田換気塔」は、日本を代表する建築家・村野藤吾が1963年に設計したもの(現存)。こんなニョキニョキ生えた不思議なオブジェ風の換気塔を今も残しているのが大阪のいいところ。
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↑「新世界のシンボル通天閣」大阪といえば、もちろんココ。ふぐの看板で今もお馴染みの「づぼらや」と映画館の看板がいくつも見えます。明治末の博覧会跡地の半分を使って作られた遊園地「ルナパーク」が新世界のはじまりですが、遊園地なき今も、ある意味テーマパークのような街であることに変わり無し。
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↑「千里ニュータウン 団地のショッピング街」まるでダウンタウンのコントのような髪型と服装のご婦人方に思わず笑みがこぼれます。建て替わっているとはいえ、今もこの「阪急オアシス」は営業中。オアシスだけに、当時はラクダのマークだったのか…。
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↑「太陽の塔 三つの顔で過去・現在・未来を語る」ご存知、岡本太郎の代表作(まだ万博開催前なので模型)。腕の中の構造や地下の展示まで見えるのが貴重です。のちに万博反対の学生がこの塔を占拠することになろうとは誰が想像し得ただろうか…この芸術作品が爆発されなかったのが救いです。
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↑「万国博を成功させましょう」おっと、これは反則。カラーブックス『新しい大阪』に挟み込まれていた、保育社作成の大阪万博案内パンフ。会場案内図や「みどころ ききどころ」、交通要図まで入ったステキな四つ折り。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『新しい大阪』は残念ながら絶版ですが、「大阪城ガイド」は在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、大阪駅前ビル1号館の喫茶店はまさにこの本の時代だなーと思う『新しい大阪』のご紹介でした。

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2011年9月22日 (木)

『能』

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カラーブックス104「能 鑑賞のために」丸岡 大二、吉越立雄 著(昭和41年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第95回目は、とても厳かな雰囲気の中で読みたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、日本が世界に誇る伝統芸能をコンパクトにまとめた一冊、『能』です。

私は、能を鑑賞したことが一度だけあります。それは小学生のときの校外授業の一環で、「日本の伝統芸能である能を鑑賞する」というものでした。そう、たった一度だけです。日本人として生まれていながら、能を見たのは小学校で強制的に見せられた、この一度だけなのです。また、「文楽」「歌舞伎」にいたっては一度も見に行ったことがありません。日本人はよく、自国の文化の価値をあまり理解していない、と言われることがありますが、まさに私もそうした日本人の一人なのです…。以前このブログで紹介した「座禅」も、外国で高く評価されていると聞いたことがありますし、能や歌舞伎などを紹介した洋書もたくさん出ています。カラーブックスの英字版にも、これら日本の伝統芸能を取り上げたものがたくさん出版されています。日本文化を最も理解している人は、皮肉にも外国の方が多いのかもしれません。

閑話休題。今回ご紹介するのは、日本の伝統芸能「能」を鑑賞するために編集されたカラーブックスです。本文では、能の演目から能面の種類まで、能楽に関する解説を掲載しています。著者は、能楽書林勤務(当時)で、戦前は「能楽タイムズ」編集者であった丸岡大二氏。著者は「はじめに」で以下のように語っております。

「外国から帰った人が、向こうで非常に熱心に質問されたにもかかわらず、自分自身能をみたこともなく、何の知識もないので恥をかいたということは、たびたび耳にする。しかし外国人に質問されるまでもなく、われわれ日本人が、日本の文化財である能についてまったく知らないとすれば、こまったことだと思う。百聞一見にしかずで、常連にならなくてもいいからぜひ能をみてほしいと思う。」

たしかに、耳の痛い話です…。私たち日本人は、もっと日本のことを知らなければならないのかもしれません。それには、過去の文化をもう一度改めてじっくり見直す必要がありそうです。「能」も、そうした日本の伝統文化の一つなのではないでしょうか。それでは、個性的な能面の数々と、緊張感の漂う能舞台のはりつめた空気感をたっぷりとご堪能ください。
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↑「高砂」後シテ 前後二場から成る能では、主人公を前シテ、後シテと呼んで分ける。ツヅミの音に合わせて舞いながら一言「そろそろ髪切ろ…」
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↑「羽衣」 世界各地に伝わる羽衣伝説のワンシーン。天女は羽衣をひるがえしながら、高く高く天上界へと去ってゆく。「あれ、センスの裏にメッセージが…何ですって!」
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↑「黒塚」後シテ のぞいてくれるな、と旅人に言い残して薪をとりに出た老婆、こっそりのぞいてしまうと女は鬼形となって襲いかかる。「私の恋の日記、勝手に見ーたーなー!」
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↑「弱法師(よろぼし)」 天王寺の前をさまよい歩く盲目の物乞いのこと。心眼を開けば美しい淡路、須磨、明石から紀伊の海まですべて見える。「おお、見える見える。私の個性的な髪型が全部見える。そろそろ髪切ろ…」
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↑「隅田川」 舟の中で渡し守の語る愛児の最後の様子に聞き入る母。「…ところで、なんで私だけ能面付けなきゃなんないの?」

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『能』は残念ながら絶版ですが、「狂言」のカラーブックスは在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、能面を見ていると女優の小雪を思い出してしまう『能』のご紹介でした。

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2011年8月31日 (水)

『くだもの』

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カラーブックス435「くだもの」吉岡 金市 著(昭和53年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第94回目は、とてもみずみずしいカラーブックスをご紹介いたします。今回は、たわわに実った美味しい一冊『くだもの』です。

みなさんは、どんなくだものが好きですか? 我が家は割とくだもの好きで、皮ごと食べられるブドウや、デコポン、バナナ、桃、梨、ミカン、マンゴー、リンゴ、いちごなどをよく食べています。私は果物屋さんが好きです、というか、あの「佇まい」が好きなのです。昔からある果物屋さんの前を通ると、籠に入ったメロンやセロファンに包まれたグレープフルーツ、ずらりと並んだリアルなイラストの缶詰など、くだものが高級だった時代の陳列に心が躍ってしまうのです。今は病気にならなくてもバナナが食べられる時代になりましたが、南国のフルーツを店先で見かけるたびに、くだものが贅沢品だった頃の空気を感じてしまうのです。

閑話休題。今回ご紹介するのは、文字通り「くだもの」そのものを取り上げたカラーブックスです。「日本のくだもの主産地マップ」から「くだもの発達史」、「くだものの栄養価」まで、日本および世界のくだものを紹介しながら、くだものの作り方も掲載しています。著者は、金沢経済大学学長を経て龍谷大学教授であった吉岡金市氏。著者は「はじめに」で以下のように語っております。

「くだものぐらい見て美しく嗅いで香しく、また食べておいしいものはありません。日本では昔から果物のことを水菓子といってきましたが、どんなに凝った京都や大阪の和菓子や東京の洋菓子も、天然自然のくだものの美しさとおいしさには及ぶべくもありません。」

たしかに、おいしいくだものは神様のくれた味の芸術品だと思います。なぜあのような色をしているのか、なぜこんな形をしているのか、なぜこんな個性的な味がするのか…くだもののみならず、自然には謎がいっぱいです。それでは、くだものが“水菓子”と呼ばれた時代の空気感漂う昭和なくだもの画像をたっぷりとご堪能ください。
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↑東京・銀座の千疋屋店頭。店主は『くだもの百科』の著者でもあり、熱心なくだもの研究家でもあるそうな。いちいち箱に入れてるとこなど、まさに老舗高級店の風格が漂っております。
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↑タネナシブドウをつくるため液に花房を浸してタネをなくして粒を大きくする。おや?こんなところにザ・デストロイヤーが…(分からない方は画像検索を)
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↑岡山県浅口郡船穂町のエジプト原産のマスカット・オブ・アレキサンドリア(俗称アレキ)のガラス室加温栽培。皮ごと食べて皮吐き出すのではなく、皮をむいてたべるべき、と著者は言う。ハイ、皮が白いのでそうさせていただきます。
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↑日本で収穫されるブドウはほとんどくだものとして消費されるが、一部はワイン用のブドウも栽培されている。食事をしている女性のフラワームーヴメントな服が時代を感じさせるじゃありませんか。ありゃ、3枚連続でブドウの画像紹介になっちゃった!
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↑もとは千葉県原産の梨だった「二十世紀梨」。千葉の原木は戦災でなくなったが、奈良県吉野町にある原木は現存しているとのこと。ご丁寧にも「廿世紀原木」という札まで建ててあるところや、志ん生師匠チックなご主人も昭和なイイ味。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『くだもの』は残念ながら絶版ですが、料理・味の本のカラーブックスはたくさん在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、病気のフリして食べたくなる『くだもの』のご紹介でした。

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2011年8月18日 (木)

『新幹線』

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カラーブックス593「新幹線」関 長臣 著(昭和58年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第93回目は、見ているだけで高速で通り過ぎて行くカラーブックスをご紹介いたします。今回は、羽野晶紀や古田新太や渡辺いっけいが在籍する劇団ではない一冊『新幹線』です。

私が子どもの頃、新幹線に乗って出かけることはめったにありませんでした。親が自営業だったこともあり、休みの日は近場へハイキングか山登りが多かったのです。だから、我が家にとって新幹線で遠出をするということは、イコール「大旅行」でありました。子どもが大人しく新幹線に乗っているはずもなく、新幹線の中はアトラクションそのものでした。金属製の便器に驚いたり、必要以上に紙コップで飲料水を飲んでみたり、カーテン付きの洗面所に入ってみたり、用もないのに食堂車へ入ってみたり…、子どもの頃の私は新幹線で自然と社会科見学を楽しんでいたのかもしれません。

閑話休題。今回ご紹介するのは、昭和50年代当時の新幹線を取り上げたカラーブックスです。営業キロ数から編成までを解説した「日本の動脈新幹線」、当時のスタンダードや新しい車両を紹介した「〇系より二〇〇系へ」、「新幹線の裏方」、「今後の新幹線」と、専門的な知識を詰め込んだ新幹線の図鑑的な一冊となっています。著者は、元国鉄職員で新晃工業株式会社研究所長の関長臣氏。著者は「はじめに」で以下のように語っております。

「新幹線という言葉は外国でもそのまま通用するほど、世界各国に知られている。今日世界各国で高速列車の運転を転向しているのも、新幹線の影響である。」

たしかに、話題の中国高速鉄道も新幹線の影響が見て取れますし、いわゆる“中華新幹線”なるものも「日本の新幹線の真似だ」と言われて話題になっております。まさに、新幹線は、日本の鉄道の「顔」ともいうべき存在なのかもしれません。今は亡き、あのコアラのような「〇系」の顔(先頭車両)を見ていると、なんだかホッとするのは日本人だからでしょうか、それとも歳のせいでしょうか…。今回ご紹介するカラーブックスには、まさにこの「コアラ顔」当時の新幹線がたくさん登場いたします。それでは、見ているだけで昭和の小学生に戻ったような錯覚に陥るカラー図版の数々をどうぞお楽しみください。
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↑「グリーンの帯もあざやかに、200系は今日も快調に走る。」うーん、やはりこの時代の新幹線はイイ顔してるなぁ。この目、この鼻でないと、ね。
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↑「ひかりの食堂車は山側に窓が新設され、富士山も見えるようになった」いやーいいですね、この共産圏を思わせる無骨さと70年代風の内装が。嗚呼、国鉄の時代が懐かしい…。

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↑「岐阜羽島にしかない特急券と乗車券が1枚で出てくる試作券売機」この券売機のボタンの感じ、子どもの頃の国鉄ってこんな感じだったんだよなーと感慨にふけってしまいます。
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↑車いすのために座席がわざわざ減らしてある例。いわゆるバリアフリーの走りですね。この縦縞の座席になんだか見覚えがあるような、やっぱりないような…。
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↑「浜松工場で作られた2階建て新幹線車両のモックアップ。」二階は座席、下はカウンターバー、そんな車両にのってみたいなぁ。オレンジと黒の色使いが外国のステーショナリーを思わせていいですね。
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↑番外編 先日、台湾へ行った時に乗った平渓線(へいけいせん)の車両と車内の様子をオマケで掲載。円形の仕切りがいい味を出していました。メタリックな内装だけど、どこかローカルな感じが台湾っぽかったです。
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↑平渓線の十分駅近くの線路では、気球の原理で空を飛ぶ燈明(ランタン)を上げていました。いくら電車の本数が少ないとはいえ、線路の上って…。十分駅は田舎の無人駅という風情で、大変のどかな雰囲気でした。また行きたいなぁ。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『新幹線』は残念ながら絶版ですが、もっと新しい『新幹線』の在庫と、乗り物(電車)に関するカラーブックスはたくさん在庫がございます。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、昔あったビニール製容器のお茶を新幹線でまた飲みたくなる『新幹線』のご紹介でした。

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2011年7月31日 (日)

『金魚』

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カラーブックス34「金魚」松井佳一 著(昭和38年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第92回目は、見ているだけで涼しくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、赤いべべ着た可愛い一冊『金魚』です。

私の実家は商店を経営しているのですが、昭和30年代に建てられた古い建物だった頃、家の裏に大きな発泡スチロールを置き、その中で金魚やメダカ、亀などを飼っていました。昔は縁日で金魚すくいをすると、持ち帰った金魚をその「水槽」に入れていました。ある日、父の田舎で大量のザリガニを釣って持ち帰り、例の水槽に入れてみたところ、金魚たちはみな、食べられてしまいました…(当然と言えば当然なのですが)。金魚のカラーブックスを見ながら、藻や水草だらけの濁った水槽にたくさんの魚たちを飼っていた当時のことを懐かしく思い出してしまいました。

閑話休題。今回ご紹介するのは、そんな可愛い金魚を丸ごと取り上げたカラーブックスです。「日本産金魚の系統図」から「中国産の金魚」「交配種」「金魚の切手」まで、専門的な知識を詰め込んだ金魚の教科書的な一冊となっています。著者は、兵庫県水産試験場長を経て近畿大学教授となった、農学博士の松井佳一氏。著者は「はしがき」で以下のように語っております。

「金魚との縁がむすばれ現在まで金魚に縁のある公務にも従事し、趣味としての私生活でも金魚とはきれない関係にある。金魚についての論文・著書・随筆・講演・放送と、ふりかえってみると、私の半生はまったく金魚にふりまわされてきたようなものである。これからも金魚につながる生活は続くであろうが、それをよろこびとしまた生き甲斐ともしている」

たしかに、たかが金魚、されど金魚。「子ども向けの観賞魚」などという認識では済まされない、奥深さと歴史がありそうなジャンルです。何しろ、約1700年前に中国で発見された赤色の「チンチュウユウイ」が原種だそうで、「されど金魚」の思いを強くしてしまいます。さて、そんな学術的なカラーブックスですが、いくら難しい言葉を並べてみても金魚の図版が小難しくなるわけではありません。見ているだけで涼しい風が通り抜けていくような、昭和38年の金魚カラー図版をどうぞお楽しみください。

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↑「やったー、これですくえば金魚とり放題だぞー」とずるい方法で金魚すくいをしているおじいさんの写真、ではありません。ランチュウ品評会での名魚選りだし「愛魚家の一年間の結晶を品定めする日である。京都金鱗会にて宇野仁松翁」
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↑オオサカランチュウの品評会番付(文久二年)。オオサカランチュウは「大阪を中心とした関西地方で、徳川時代から飼育されてきたが、大正年間に東京からランチュウの飼育が流行し、一時絶滅した」そうです。真ん中のランチュウが笑ったような表情で(・∀・)イイ!!
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↑中国産金魚 ハマトウユウイ「この金魚は中国では門外不出とされて、日本にも輸入されなかったが、先年はじめて伝えられ、国内で繁殖に成功したものの一つである」出目金の一種だそうです。おや、一番下の金魚が真っ赤だよ。「一番うしろは恥ずかしいよぅ」
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↑テツオナガ「フナ色に先祖がえりしたもので、胸びれが黄色くなるのが一つの特徴である」怪しく光るウロコ、ボコボコの頭、まるで絵に描かれたような美しいヒレ…飼ってみたいな、テツオナガ。
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↑中国の金魚切手。「中国では金魚は清朝時代から貴族趣味のものとされ、第二次大戦前は一時排斥されたが、近ごろは大衆的に飼育されるようになっている。これらの切手は1962年に発行されたもので、金魚の一般飼育化の意味で発売されたのだろう」使うのがもったいないほどカワイイ金魚切手。昔あった「まりも切手」と合わせてお貼り下さいませ。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『金魚』は残念ながら絶版ですが、魚や動物に関するカラーブックスは在庫がございます。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、猫がいるので飼うのは難しいなぁと思う今日この頃な『金魚』のご紹介でした。

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2011年7月18日 (月)

『高年者食事』

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カラーブックス588「健康手帖3 高年者食事」河野友美・高山英世 共著(昭和57年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第91回目は、とても真面目なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、まじめだけど、どうしても写真が気になる一冊『高年者食事』です。

私は、古本屋になんとなくフラリと入って、面白そうな本を買って帰るのが好きなのですが、カラーブックス同様に見つけたら買っているのが「カラークッキング」(主婦と生活社)というシリーズの料理本です。このシリーズを知ったのは、私の彼女の実家に数巻ほど置いてあったことがきっかけなのですが、昭和40年代に発行された本にも関わらずカラーページが豊富でハードカバーという、ちょっと豪華な作りの本なのです。レシピの豊富さや造本もさることながら、この本の最大の魅力は何と言っても「美味しそうには見えない料理写真」です。飾り方、盛りつけ方、器の豪華さ、どれもこだわりのあるすばらしい演出なのですが、どの料理写真も美味しそうには見えない写りなのです。当時の印刷技術や写真の限界もあるのでしょうが、私はこの「美味しそうには見えない料理写真」の魅力にすっかりハマってしまいました。以来、古本屋で美味しそうには見えない写真を載せた高度経済成長期頃の料理本を見つけると、ついつい買ってしまうのであります。

閑話休題。今回ご紹介するのは、そんな私の心を掴んで止まない「美味しそうには見えない料理本」のカラーブックスです。健康で長生きをするための高齢者の食事を紹介したカラーブックスであることは、賢明な読者諸氏であれば容易に察しがついたかと思います。著者は、大阪薫英女子短期大学教授で河野食品研究所所長だった河野友美氏と、神戸市立看護短期大学教授の高山英世氏。著者は「はじめに」で以下のように語っております。

「生きがいのある高年期を送るためには、まず健康であることはいうまでもありません。健康で長生きをするために、高年期の栄養や食事をどうすればよいか、病気をもった高齢者の食事の注意などについて述べてみました。」

たしかに、年をとった時に何を食べたらよいか、自分だけで判断するのは難しいのかもしれません。また、自分の親を介護することになった場合、どんな食事を与えたらよいか迷うのではないでしょうか。そんな疑問にお答えするのが、今回ご紹介するカラーブックスです。さて、そんな真面目なカラーブックスですが、身体にいいものが美味しそうな見た目をしているという保障はありません。ということは、私が好きな「残念ながら美味しそうには見えない」料理本である可能性が高まります。おそるおそる本書をめくってみると…案の定、今回ご紹介するにふさわしい内容でした。役立ちながら図版を見て楽しめる、とても理想的なカラーブックスの「美味しそうには見えない料理写真」の世界をじっくりご堪能ください。
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↑本書扉。まずは高齢者のイメージ写真から、という構成。橘家圓蔵に見えるおばあちゃんがいい味出してます。こう見えて、ご両人とも60代だったりするのが昭和のいいところ。
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↑「塩分をひかえよう(高齢者は避けた方がいい食品一覧)」。もう、おわかりですね。この冷めた感じ、色、置いて並べた感、どれをとっても絶妙です。レトルトカレーなんてパッケージから出してもいません。
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↑「加工食品の上手な使い方」。ついにインスタントや缶詰、冷凍食品に頼る時代がやってきました。ポテトサラダも缶を開けて混ぜるだけ! わかめが増えすぎた味噌汁が気になります。
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↑「安全で便利な電気器具」。嗚呼…なぜこの時代の電化製品のデザインに惹かれてしまうのでしょうか。あ、電気缶切り器、前に持ってたなぁ。

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↑「市販そうざいの利用」。ここは、ご老人があつまるティーパーティー(緑茶)。それぞれスーパーやコンビニで買ってきた惣菜を、適当に、ただただ適当に並べ始めた…未来の老人会を予言していたかのような「できあい持ち寄り食事会」の風景がここに。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『高年者食事』はなんとうれしいことに在庫がございます! ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、美味しそうな料理写真を撮るカメラマンに敬意を表したくなる『高年者食事』のご紹介でした。

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2011年6月30日 (木)

『ラグビー』

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カラーブックス663「スポーツのみかた3 ラグビー」末富鞘音・山田真市 共著(昭和59年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第90回目は、愛は奇跡を信じる力よ〜♪なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、胸に眠るヒーロー揺り起こせ〜♪な一冊『ラグビー』です。

私が小学3年生のとき、土曜日の夜9時に新番組のドラマが始まりました。そう、あの紘視聴率を記録した大映ドラマ「スクール☆ウォーズ」です。この物語は、ある学園の荒廃に戦いを挑んだ熱血教師達の記録である(芥川隆行の声で)。Wikipediaによれば、「京都市立伏見工業高等学校ラグビー部と同部監督で元日本代表フランカーの山口良治をモデルとして、作家・馬場信浩が執筆した小説『落ちこぼれ軍団の奇跡』を基に制作されたフィクションドラマ。高校ラグビー界において、全く無名の弱体チームが、ある一人の教師が赴任してから、わずか数年にして、全国優勝を果たすまでの軌跡を描くことで、健全な生徒の育成に取り組もうとする教師と生徒の葛藤と成長を表現したドラマである。」とのこと。当時は、校内暴力が全盛期(?)だったこともあり、公立中学・高校の中には、夜の校舎で窓ガラス全部割って回ることも、盗んだバイクで走り出す生徒がいることは珍しくありませんでした。このドラマでは、不良の校内暴力が問題になっていた高校が、一人の教師の力でラグビー全国制覇を成し遂げるという青春スポ根ものでしたが、当時の不良がみなラグビーを始めていれば随分と健全な世の中になったのではないでしょうか。しかし昔のゲーセンは怖かったなぁ…。

閑話休題。今回は、そんなラグビーを暑苦しいまでの豊富なビジュアルで紹介したカラーブックスです。著者は、サンケイスポーツ新聞でラグビーを担当していた末富鞘音(すえとみ・ともね)氏と、スポーツフォトグラファーの山田真市氏。末富氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「軽い反則をおかすと双方のフォワードがスクラムを組み、相手側がボールを投げ入れる。重い反則のばあいには、相手側にペナルティ・キックが与えられる。こう書くと、複雑そうなルールに思えるが、実のところは28条。野球のルールブックの3分の1ほどにおさまってしまう。もっとも、野球をルールブックで覚える人がいないように、ラグビーも見る機会を多くすること。これが最高の先生である。」

たしかに、ラグビーと聞いただけで、普段見慣れていないせいか、なんだか難しいルールなんじゃないかと思っていまいがちです。なかなかテレビで見ることのないラグビーですが、実際に見に行ってみるのも面白いかもしれません。本書には、そんなラグビーの楽しみ方が読むだけで分かる一冊です。ラグビーのうんちく、学生ラグビーの魅力、見どころをはじめ、美しい写真が満載です。スクール☆ウォーズ放送当時の熱き男たちの、汗と涙と泥をご堪能ください。

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↑顔は血だらけ泥だらけ、あなたの身体は傷だらけ。なんとなく、なんとなく、なんとなく、照英に似ている。
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↑「昭和58年の日本代表候補合宿−−−−川地光二は“汗、雨、泥”のカクテルを連日味わい、日本代表に」。そんな「ハードカクテル」は、いりません。
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↑オフサイドの説明イラスト。おや、これはウイスキーの「アンクル●リス」に似ていませんか? 震えた線のイラストは古川●クの絵にも…。
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↑モール「ボールを保持したプレーヤーのまわりに各チーム最低1人ずつ立ち、からだを密着させるとモールになる」。背の高い男が言う「俺は歌手になるんだ、みんな、たのむ、止めないでくれ!」「だから無理だって、やめとけって!」
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↑「殺風景なシャワールームにもラグビーの“におい”がただよう」。ここは刑務所?いえいえ、早稲田大学東伏見グラウンドのシャワー室でございます。うっぷ、スゴいニオイが写真からも…。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ラグビー』は、残念なことに絶版ですが、健康・スポーツのカラーブックスは在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、一度はあの変な形のボールを蹴ってみたい『ラグビー』のご紹介でした。

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2011年6月20日 (月)

『手づくり遊び』

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カラーブックス311「手づくり遊び」ゴトー孟 著(昭和49年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第89回目は、親子で楽しめる素朴なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、童心に帰りたくなる一冊『手づくり遊び』です。

私が小学3年生のときのことです。あるものがお茶の間に登場し、それまでの子どもの遊びのスタイルを根底から変えてしまいました。任天堂の「ファミリーコンピューター(ファミコン)」です。ファミコンが登場する以前、「遊び」といえば、もちろん手づくりの玩具や身体を使った遊びが中心でした。竹ひごを小型ナイフで削って和紙を貼付けた手作り凧、下に振り下げると大きな音が出る紙鉄砲、のび太も得意な「あやとり」、プラスチックに絵を描いてオーブンで焼いて作るブローチ、空き缶にヒモをつけて歩く「ポックリ」など、ゲームやネットや携帯が無い時代は、それなりに工夫して遊んでいたんだなーと、当時のことを懐かしく思い出してしまいました。私の家はゲームが禁止だったので、とうとう大人になるまでファミコンやその他のゲームを買ってもらえませんでした。だから、同世代の中ではゲーム以外の遊びをした時間が多いかもしれません。ただし、ゲームを持っていなかった悔しさは今も忘れることはできませんが…(涙)。

閑話休題。今回は、そんなアナログでアナクロだけど、手づくりならではの温もりを感じる遊びを集めたカラーブックスのご紹介です。著者は、フリーランスのイラストレーターとして雑誌「面白半分」や広告でも活躍していたゴトー孟(もう)氏。ゴトー氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「いわゆる伝承の遊びとか手づくりのおもちゃというものは、古くから伝わるもの、最近になって普及したもの、そして今忘れ去られようとしているものなど、いろいろあり、時の流れ、時代の変化によって消えてゆくものと、そのなかから生れてくるものがあります。」

たしかに、昔から伝わるものもあれば、時代によって新しい材料を使ってできた遊び、今の子どもの趣味に合わせてできた遊びもたくさんあると思います。本書が発行されたのは昭和49年ですから、新しい遊びと言っても少し古く感じるかもしれません。そんな「昭和」な雰囲気が閉じ込められているのがカラーブックスの面白いところ。今の遊びには無い、昭和の高度成長期ならではの子どもの手作り遊びの世界をご堪能ください。
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↑石けん彫刻
「ケガをしないように気をつけて…」石けんを削って彫刻家気分。あ、間違って削っちゃった…アワワ。
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↑万華鏡
「回すと模様がいろいろ変るよ」純朴そうな男の子が覗く世界は天国が地獄か、ただのビーズか。
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↑割りばし鉄砲とくるくるターゲット
「そんなに前で撃っちゃずるいわよ!」割りばし鉄砲は懐かしいけど、デカいバックルのベルトをした少年の部屋が「昭和」そのもの。「りぼん」や「なかよし」が棚に入っているから、さては女の子の部屋だなー。
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↑ピーナッツ人形
ピーナッツに紙で作った目や口、手足を付ければできあがり。あわおどりピーナッツ人形を作れば、三田村邦彦も大喜び間違い無し。
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↑おりがみの傘
「ひらいたりたたんだりできる傘です」ここまでくると、子どもは喜ばないような気が。しかし、こんなに渋い折り紙を一体どこで…。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『手づくり遊び』は、残念なことに絶版ですが、趣味・手づくり・マナーのカラーブックスは在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、『手づくり遊び』のご紹介でした。

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2011年5月31日 (火)

『愛玩犬』

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カラーブックス165「愛玩犬」大野 淳一 著(昭和44年初版、絶版

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第88回目は、ワンワン!キャンキャン!バウバウ!なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、読むだけで家族の一員に迎えたくなる一冊『愛玩犬』です。

私の実家は、今までトータルで3匹の犬を飼っていたのですが、いずれも庭に鎖を付けられて飼っていた室外犬でした。ですから、家の中で家族の一員として暮していた、というよりも、家の外で「番犬」として見張りをしていた、という印象だったのです。そして、友人の家に行くと、人懐っこくソファや飼い主の膝の上でじゃれる室内犬を見るたびに、少々うらやましく思ったりしたものです。私はオバQよろしく、はげしく吼える犬としつこくじゃれてくる犬が苦手なのですが、これも室内犬を飼っていたら、もっと犬のことが好きになっていたんだろうなーと思うのでありました。

今回は、そんな可愛い室内犬をはじめ、世界中のお宅で愛されている「愛玩犬」を集めたカラーブックスのご紹介です。著者は、総合犬種団体「日本カナインクラブ」理事長(発行当時)であった大野淳一氏。大野氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「“犬ブーム”も最近はいよいよ盛んになっています。(中略)流行の原因は、私たちの生活が豊かになったことにもよりますが、最大の理由はかわいくて、人を信頼するミニ・ドッグそのものがエレガントで美しいことと、しかも私たちといっしょに生活し家族を楽しませるばかりでなく、飼いやすいという魅力と特性を持っているからです。」

たしかに、今はまさにペットブーム。子どものいない夫婦、一人暮らしの人などが、家族の一員として愛玩犬を家に迎え入れている現象は、初版発行当時の1969年頃から始まっていたのかもしれません。それこそ昭和40年代にはお座敷犬・スピッツが一大ブームを巻き起こした時代…、最近ではチワワが消費者金融のCMで使われてブームになりましたが、これも同じような現象なのでありましょう。さて、素敵なカラー図版が魅力のカラーブックスを開けば、昭和の空気を感じさせる可愛いお犬様ギャラリーのはじまりです。ドックフードをパクつきながら歩き、棒に当たってご覧下さい。
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↑チワワ
ポケットに入ってしまう小さなチワワ。(左のチワワ→)「アハハー、こっちのセーターの方があったかいぞー! いいだろう!」(右のチワワ→)「くそー…うらやましいなぁ」。さぁ飼い主さん、どーする?!
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↑ベドリントン・テリア
小ヒツジのように毛を刈り込む習慣があるという、イングランドのノーザンバーランド地方産の犬。この哀愁漂う切ない表情がタマラナイ。「ハァ〜(溜息)。こんな毛じゃ、とてもコートにならないよなぁ」
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↑フレンチ・ブルドッグ
ブルドッグの子孫で、大きく先の丸い蝙蝠形の耳が特徴。「えっ! 今、モデルになりませんか?って言わなかった?」
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↑ヨークシャー・テリア
はじめは工業地帯で織工たちに愛され、のちにビクトリア朝後期の貴族や富裕層の貴婦人たちのペットとして愛されたという。「あら、何、写真? カラーブックス? ええ、撮ってもよくってよ(二匹同時に)」
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↑トーイ・プードル
「尾先の毛を丸い房玉のように残し、後頭部の毛を赤やブルーのリボンで結んでやる習慣は、いかにも婦人犬にふさわしい装いです。しかし、これは昔、プードルが水辺の猟犬であったころ、鳥や獣と誤認されないための目印にした遺風であることを知っている人は少ないでしょう。」カワイイ犬にもトリビアあり。関係ないけど、昭和を感じさせるイイ壁だなぁ。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『愛玩犬』は、残念なことに絶版ですが、自然と科学のカラーブックス(「ねこ」や「熱帯魚」など)は在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、ウルウルした瞳に思わずヤラレる『愛玩犬』のご紹介でした。

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