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2008年1月22日 (火)

『蕎麦入門』

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カラーブックス343「蕎麦入門」新島繁 著(昭和50年初版、絶賛発売中)


保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第7回目は、今までのシリーズに戻り、きわめてスタンダードなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、『洋酒入門』に続くロングセラーの『蕎麦入門』です。

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↑わんこそば(盛岡 直利庵)そば好きにはたまらない、オカワリ地獄…


東京・中野にある「手打ち蕎麦 さらしな総本店」(漢字で書く「更科」とは別のお店です)の初代店主であり、蕎麦の研究誌『さらしなそば』の発行人でもある故新島繁氏が書いた「そば」についての豆知識満載の一冊、それが今回ご紹介する『蕎麦入門』です。
「日本の伝統の味といえば、鰻、鮨、天麩羅、そばなどが挙げられるが、誰も気軽にはいれる店は、やはりそば屋であろう。そば切りの歴史は三百七十年そこそこだが、江戸時代から庶民の生活に密着した食べものであり、昔の味を今に伝えるそば屋が増えるのは喜ばしいことである。」と、「はじめに」で述べられているように、そば屋は日本人にとって「ファーストフード」の原点だったと言っても過言ではないほど、庶民生活にとけ込んでいた存在でした。その証拠に、そば屋は「ときそば」など、落語にもたびたび登場しています。
本書によれば、そばの原産地は寒帯をのぞく東アジアの北部、とくにアムール川(黒龍江)の上流沿岸・旧満州・ダウリア・バイカル湖にわたる地域とされているそうですが、中国雲南省を原産地とする説もあるとのこと。日本に渡ってきたのは西暦700年頃で、中国から朝鮮半島を経由して伝えられたということです。

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↑低温恒湿倉庫 そばに活性を保たせるため、湿度70〜75%、温度15度以下にしておく。ライティングがちょっとおおげさな気も…


本書では「ソバの栽培」「ソバの花」「ソバ製粉」という製造プロセスから始まって、「そば打ちから盛り出し」「そば品書き」「そば道具」などの解説まで、どこまで読んでも「蕎麦」「そば」「ソバ」の蕎麦尽くし。豆コラムも充実していて、そば関連の「ことわざ」「小咄」「粉挽き唄」「浮世絵」まで網羅しています。
例えば、「年越しそば」についての豆知識を1つ。そばといえば「伸びる」、そこで「延命長寿や身代が伸びる」に掛けて年越しそばを「寿命そば、のびそば」とも呼ぶそうです。逆にそばは切れやすいため、旧年の労苦や災厄をパッサリ切り捨てようと、「縁切りそば・年切りそば」のほか、一年中の借金を打ち切る意味で「借銭切り、勘定そば」ともいうそうです。ちなみに、引っ越し先のご近所にふるまう「引っ越しそば」の習慣は江戸が始まりで、上方(関西)には無いとのこと。ま、関東でも今どき引っ越し先でそばをふるまったという話はほとんど聞いたことありませんが…。


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↑江戸時代の版画 「しん板 猫のそばや」擬人化された猫たちが可愛い!


さて、これを読んでおそばを食べたくなった方へ、この『蕎麦入門』を読んで、ちょっとした「そば博士」の気分を味わってからおそば屋さんへ行きませんか? さらにおそばが身近に感じられ、美味しく食べられること請け合いですよ。現在も発売中の『蕎麦入門』のご注文はコチラ

今回は、美味しい美味しいおそば本のご紹介でした。

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コメント

さすがに興味をそそりますね。

最近身近に昔ながらに○○にまつわる話という、雑学的な話をとんと聞かないので、こういう嗜好もいい。

東北では山形の板そばは食べたけど、
岩手のわんこはたべてないなあ~。

こういう写真を見ると食べたくなりますね。
写真は古そうだけど、こういう風情の店は
まだあるだろうか。

でも、しばらくは東北に行けないし・・・。
どこか、身近にないかな。

こういう雰囲気のお店、、、、、、

興味深い本のご紹介ありがとうございました。

投稿: ざる | 2008年1月23日 (水) 08時31分

ざるさま

コメントありがとうございます。
蕎麦のウンチクが満載の『蕎麦入門』、是非ご一読を。

私は子供頃、盛岡駅前のお店でわんこそばを食べましたが、あの写真みたいな雰囲気のお店でしたよ。今も残っているかどうかは分かりませんが…。

ホームページも拝見いたしました。手打ちのおそばはやっぱり一番美味しいですよね。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします!

投稿: 田端 | 2008年1月24日 (木) 01時41分

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