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2008年6月30日 (月)

『日本の郷土玩具』

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カラーブックス10「日本の郷土玩具」木下 亀城、篠原 邦彦 共著、(昭和37年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第18回目もヤッパリ、ロングセラーを続けているカラーブックスをご紹介いたします。今回は、市井の芸術作品『日本の郷土玩具』です。

みなさんは、日本各地方に伝わる「郷土玩具」というものを見たことがありますか? 郷土玩具というと、なにか民俗学的な高尚なものに思われがちですが、たとえば「こけし」であったり、「張子の招き猫」であったり、子供をあやすときに使う「でんでん太鼓」というように、誰もがどこかで一度は目にしたことのあるものばかりです。現在では、こうしたおもちゃを手に取ってじっくりと眺めることのできる機会は少なくなりました。本来は子供のおもちゃとして発生した郷土玩具も、観光地のお土産屋さんの片隅で工芸品の一種として売られているのを見かける程度です。しかし、一見すると稚拙に見える郷土玩具には、見た人の心を掴んで離さない、なんとも不思議な魅力を感じることがあります。それは、工業製品にはない手作りの風合い、その土地土地で受け継がれてきた伝統や風習などを、その拙い造形から感じ取ることができるからではないでしょうか。

今回ご紹介するカラーブックスは、昭和37年(なんと、カラーブックス創刊の年!)から、今現在も売れているベストセラー「日本の郷土玩具」です。しかも、カラーブックスシリーズ創刊10冊目という記念すべき本です。今回も、カラーブックスならではの素敵なカラー写真で、日本の郷土玩具の一部をご紹介いたしましょう。

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↑招き猫(群馬) 群馬県豊岡付近で、正月の初詣に売られる招き猫。群馬といえば高崎だるまが有名だが、この招き猫も同じ製法(木型に和紙を張る「張り子」による)で作られている。この顔のふてぶてしさやボコボコした作りが張り子の味。「いらっしゃいニャせー、ありがとうございニャしたー」

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↑(左)日本三でこ人形の一つ「のろま人形」(新潟、佐渡ヶ島)。享保三年(1718)に野呂松勘兵衛が作ったという野趣に富んだ首人形。ところで、「野呂松人形」ならわかるけど、なんで「のろま」なのかは、人形の顔を見れば一目瞭…(以下略)。
(右)古代犬(富山) 富山土人形の一種。名古屋の陶工が、ときの藩主に命ぜられて作ったのが始まりといわれている。この原色に近い飾りをまとったワンちゃんを、ビクター犬よろしくカラーブックスのイメージキャラクターにするというのはどうでしょうか?(提案)

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↑たまご人形(福井、小浜) 文字通り、たまごの殻に目鼻を描き、それに美しい豪華な着物を着せた人形で、幸運のマスコットらしい。写真の連獅子のように、歌舞伎を題材にしたものが多く、昭和30年代に作られ始めた新しい郷土玩具。これぞ、日本版「ハンプティダンプティ」(不思議の国のアリス参照)。

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↑猿鹿(広島、宮島) 安芸の宮島のお土産。「えっ、鹿はいるけど猿なんていないよ?」よく見なさい、ほら、鹿のしっぽかと思っていた突起が、実は小さな猿がチョコンと乗っている様子をかたどったものなんです。こりゃ形が素朴すぎて分からないよ…。

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↑南蛮船(大分、別府) 戦国時代のキリシタン大名・大友宗麟が大分を治めていた当時、別府湾に出入りしていたポルトガル船を竹細工で表現したもの。帆船の帆を、竹の輪のカーブで表現した心意気やよし。 


いかがでしたでしょうか? 本書にはまだまだ、造形的にも面白い郷土玩具が多数掲載されていますので、一家に一冊、温泉こけしの隣りにでも立てかけてみてください。素朴で素敵な郷土玩具がたくさん掲載された本書は、もちろん今でも購入が可能です。ご購入はコチラから←。今回は、その素朴さが美しい『日本の郷土玩具』のご紹介でした。

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