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2008年6月 1日 (日)

『星座の伝説』

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カラーブックス519「星座の伝説」草下 英明著(昭和55年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第16回目もお約束通り、ロングセラーを続けているカラーブックスをご紹介いたします。今回は、永遠の神秘『星座の伝説』です。

 著者の草下英明氏は、元「子供の科学」編集部員、平凡社の編集者を経て、今は無き渋谷の五島プラネタリウム解説員を勤めた星座のプロ。本書の冒頭にて、星座について次のように述べています。ちょっと長いですが、一部引用してみましょう。

「星マニア、天文マニアといわれる人々も、科学的な興味と平行して、星座の意味ありげな配置の面白さ、楽しさ、美しさは素直に感動させられるものである。一体、生まれて初めて星々を見上げ、星座というものを考えついた人々は、どのような眼で星座を眺め、星々のどんな魅力に惹かれたのだろう。(中略)本書は「星座の伝説」と題しているが決して伝説の物語性にこだわることなく、できる限り視覚化することに努力した。従って、ここには近代科学の精華以前の星の図、記録、絵画等の、できるだけ美しいものや、紹介される機会の少ないものなどを選んで掲載した。科学的価値のみにとらわれることなく、先人の素朴な驚きや美意識を、この中から汲み取って頂きたい」
 
 そう、ここで述べられているように、本書は「古代の宇宙観」から「火星人」の話まで、宇宙全体にまつわるエトセトラがこれでもかこれでもかと詰められた、とても濃い〜一冊なのです。もはや単なる星座解説本などではないのです。

中でも、明治時代の彗星目撃の様子を描いた錦絵、西洋人が描いた惑星のスケッチなどは、なかなか見ることのできない貴重な図版資料です。今回は趣向を変えて、「星座の伝説」に収録された、星座や宇宙にまつわるカラー絵画図版の数々をご紹介いたしましょう。


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↑「彗星遥見図」明治15(1882)年に出現した彗星を描いた錦絵。
UFOの存在なんてまったく知られていない時代、人々は空に流れ落ちる彗星を見て何を思ったのだろうか?


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↑同じく明治15年に描かれた彗星出現の錦絵。
豊年の前兆だと思い込み、お供え物をささげている。


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↑明治16(1883)年、福島から宮城、山形にかけて金環食が見られた。
この錦絵は金環食を想像で描いたらしく、間違えて真ん中を明るく、外周を黒く描いている。
中央で太陽を指差す西洋人は、はたしてこの絵の間違いに気づいているのだろうか?

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↑フランスの天才観察家、アントニアジの鋭い眼力によって精密にスケッチされた火星。

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↑ドイツ・ライン川の古城をかすめる「フラエルゲス彗星」。普通の風景画に流れ星が付け加えられることによって、まったく違う趣の絵に早変わり。

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↑地理学者ノルデンショルドが描く、スウェーデンのウプサラで目撃した大火球のスケッチ。
まるで悪いことがおこる前兆ような不気味さ…。

いかがでしたでしょうか? この他にも、火星人の絵やバベルの塔、星座にまつわる西洋画の紹介など、なんだか世界七不思議本を読んだときのような、怪しさとドキドキ感がてんこ盛りです。たしか本書は星座の伝説本だったはずなのに、「現代の伝説」の章ではUFOや宇宙人の話にも触れていて、なかなか読ませる一冊です。これだからカラーブックスは侮れないのです…。

 まだまだご紹介しきれていない美しいカラー写真が盛りだくさんの本書は、またもや、今現在も購入可能なカラーブックスです。在庫僅少とのことですので、ご購入はお早めに。ご購入はコチラから←。今回は、夜空のロマン『星座の伝説』のご紹介でした。

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コメント

草下英明さん。星に興味を持った当初、何冊も読みました。ただ、ここに紹介していただいた図版は記憶にないので、この本のは持っていなかったような気はします・・・。読んでみたくなりました。

ところで、後半図版の紹介部分ですが、流れ星とほうき星を混同しておられるようです。何かの機会に修正されることを期待します。

投稿: Ar! | 2008年10月28日 (火) 00時49分

Ar!さま

ブログ管理人の田端です、お書き込み有り難うございます。
この本は現在絶版のようです。古本屋さんで手に入れるしかないようで残念です。

ご指摘の件、知識不足で申し訳ございませんでした…ほうき星と流れ星は違うものなんですね。勉強になりました。
さっそく当該部分を削除し訂正させていただきます。
ありがとうございました。
また遊びにきてください!

投稿: 田端宏章 | 2008年10月28日 (火) 20時07分

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