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2008年7月22日 (火)

『新しい宝石』

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カラーブックス100「新しい宝石」菅原 通済 著、(昭和41年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第19回目もいつも通り、ロングセラーを続けているカラーブックスをご紹介いたします。今回は、天然と人工の美『新しい宝石』です。

宝石を装飾品として身につける習慣の歴史は古く、エジプトを支配していた王の墳墓からは装飾用の美しいエメラルドが多数発見され、インドでは紀元前3、4世紀頃からダイヤモンドの魅力に気づき、その石に魔力があるものと信じられていたといいます。数千年もの間、私たち人間を魅了してきた自然からの贈り物、宝石。そんな宝石のトリコとなり、50冊を超える著書を遺した本書の著者の菅原通済さん(故人)は「はじめに」で、以下のように語っています。

「宝石の色彩には、神秘的なものを含んでいる。いかにカラー写真が発達しようが、色彩の天才、モネ、ゴーガンが再来しようが、宝石の美を画面に表現できるものではない。それをあえて本にするのだから、大へんな冒険ではある。宝石は実物を手にとってみても、その良し悪しは簡単に判別できるものではない。そこには色、形からうける美以外に、宝石のもつ一種独特の犯しがたい尊厳の美がある。それを知ることが、宝石に目を開くおもしろさではないだろうか。」

いや、まったくおっしゃる通り…。あの美しい色や輝き、そして筆舌に尽くしがたい妖艶さ。それは、小説や映画などに登場する宝石の描写などにも表れています。著者は続けて、宝石に目覚めたキッカケと宝石研究の自負を語ります。

「私の宝石熱は、十八才のとき、真珠の淡いピンクの輝きに魅せられて以来、五十四年の間、正規の宝石学を学ばず、もっぱらゆきあたりばったりの収集で、真剣勝負による血と汗の結晶によって培われたものであるが、宝石に対する情熱は、だれにも負けないですごしてきたつもりである。」

本書は、そんな著者による丁寧で分かりやすい各種宝石の解説が満載の一冊。そして、この本の魅力はモチロン、昭和40年代初頭の香り満点のカラー写真の数々ではないでしょうか。宝石の並べ方や紙面に登場する人々のファッションなどにも注目したいところです。それでは、しばしカラーブックス・宝石ワールドをご堪能ください。

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↑著者が宝石に目覚めたキッカケとなったと語る天然真珠。上写真は南洋アラフカ海の白蝶貝から採れた天然真珠(直径19ミリ)を使用した指輪。この鈍い光こそ、人工物にはない「天然の美」なり。それにしても恐ろしくデカイ。

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↑ジェム・ストーンのいろいろ。ジェム・ストーンとは、半貴石、つまり宝石の原石のこと。一般的な宝石の形に加工したり磨きをかけたりしていない状態でネックレスやイヤリングに使用している。見て下さい、この並べ方、そして毒々しい印刷を。まるで古い宝石店(または古い時計店のショーウィンドウ)に売れ残った宝石を眺めているような錯覚に陥りそう…。

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↑メキシコオパールとダイヤを用いたおびどめ。なんと、昭和41(1965)年当時の価格で300万円! それにしても、ナゼこの時代の宝石の土台は、どれもステキなデザインなのでしょう。すでに絶版のカラーブックス「彫金入門」は、この時代の土台をタップリ堪能できる素晴らしい本ですよ。
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↑ダイヤモンドの原石を選り分けているところ。バックのブルーと金髪のコントラストがイイ感じ。それにしても、ちょっと髪が盛り上がり過ぎのような…。

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↑宝石研磨を習う「宝石教室」の様子(阪神宝石教室)。映っている人のファッション、後ろに置いてある備品、手前の研磨機のデザインに時代を感じる。そういえば、真ん中上にあるハカリ、昔うちの実家(肉屋)で使ってた!

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↑サンゴを使ったおびどめ、ブローチ、指輪。サンゴは、幕末の頃より根付の材料として用いられていたという。この写真のサンゴも、どことなく根付風の作り。でも、よく考えてみたら、サンゴって宝石なんでしょうか…?

いかがでしたでしょうか? 本書にはまだまだ、美しい色彩の宝石カラー写真が多数掲載されていますので、是非ご覧になってみてください。魅惑的な宝石がたくさん掲載された本書は、もちろん今でも購入が可能です。ご購入はコチラから←。今回は、天然と人工の美『新しい宝石』のご紹介でした。

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