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2009年1月25日 (日)

『人形劇入門』

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カラーブックス171「人形劇入門」南江 治郎 著(昭和44年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第32回目も、かわいらしいカラーブックスをご紹介いたします。今回は、メルヘンな一冊『人形劇入門』です。

本書の著者、南江治郎氏はNHKの元編成局長で、人形劇に関する本を多数執筆されていた人形劇研究の第一人者。南江氏は「はじめに」で次のように述べています。

「人類の歴史とともにうぶ声をあげた人形劇は、その長い年月を通じて、人間の生活感情のなかに美しいリズムとなって流れ、自然の環境のなかに、それぞれの民族の心や特色を生かして、人々の心をゆり動かし、国境をこえて、自由で平和な、一つの世界をうちたててゆこうとしています。どうか皆さんも今日から、この人形劇のよいお友だちになってください。見ていても楽しいですが、自分自身で、手にとりあげてみると、一層深い大きな喜びがわいてくるのも人形劇です。」

と、実際に人形を動かしてみる、触れてみることを、著者は勧めているのです。私も、あの芸人「パペット・マペット」が持っているような指人形くらいなら動かしたことがありますが、たしかに人形がしゃべったり動いたりする様子を近所の子供や友人に見せるのは楽しいものです。

また、この本の面白いところは、たくさんのカラー図版だけではなく、実際の人形劇に使える台本まで掲載されている点です。世界の名作童話「三匹の熊」を著者が日本風の話に脚色・演出した物で、ご丁寧なことに実際の舞台写真も掲載されています(撮影はなんと、あの土門拳氏)。この作品は、営利目的でなければ、著作権なしで自由に公演しても良いとのことです。

また本書では、人形劇の歴史をはじめ、糸あやつり人形(マリオネット)、指人形劇(ギニョオル)から日本の人形劇、今も人気の高い藤城清治さんの作品でおなじみの影画人形劇までを詳しく解説。近年注目されるようになったチェコの人形アニメーションに関するページもあり、見ていて飽きることはありません。まるでディズニーランドの「イッツ・ア・スモールワールド」にいるような気分に浸れること請け合いです。では、今回もカラーブックスならではの素敵な図版を少しだけご紹介いたしましょう。

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↑人形劇といえば、あやつり人形(マリオネット)。ニューヨークで夫人と共に、代表的な人形劇団を主宰して活躍したビル・ベアードの「シェラザードの舞姫」。後ろの笛をふいている老人がカワイらしい

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↑東ドイツ(当時)の手づかい人形劇、ドレスデン国民人形劇場の「狼との決闘」。しかし、社会主義国の人形劇やアニメーションは、どうしてこうも魅力的なものが多いのでしょうか…。よく見ると、目の全体にマツゲが! カワイイ…

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↑劇団プークの「じんじろべえ」。どうやら、雲の上のカミナリ様のお話のようです。ドリフのカミナリ様コントのヴィジュアル・イメージは、この作品から取ったのでしょうか??(たぶん違う) 子供の頃、新宿の「プーク人形劇場」によく行ったっけ。ああ、懐かしい…

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↑日本テレビの「お早うこどもショウ」に登場した、童夢人形劇の「でぶ」と「ちび」と「のっぽ」のキャラクター。この人形劇を主宰した山崎醇之輔氏は日本のテレビ人形劇のパイオニアの一人。右上の劇団のマーク、「ぐわし」かと思いました…ぐわし!

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↑これは番外編。先日、はじめて行ったディズニーシーの「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」でのワンショット。子トラのチャンドゥが盗賊を真珠の首飾りで締め上げているところ。
まだ行ったことのない方は、どこにチャンドゥが隠れているか、アトラクション内で探してみよう! 人間の人形デザインはサンダーバード風なのになぜかメルヘンチックです

いかがでしたでしょうか? 本書にはまだまだ、面白い人形図版がてんこ盛りですので、是非ご覧になってみてください。本書は、なんと嬉しいことに現在も購入が可能なのです。ご購入はコチラから←。今回は、童心にかえって見に行きたくなる、親子で楽しい『人形劇入門』のご紹介でした。

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コメント

「グーグルブック検索」で
『人形劇入門』の中身をご覧いただくことができます。
http://books.google.co.jp/
から『人形劇入門』で検索ください。

田端さんのブログが一層楽しめますよ!

投稿: 保育社・松井 | 2009年1月27日 (火) 18時24分

保育社・松井様

田端です、いつもお世話になっております。グーグルのブック検索機能、存じませんでした…。購入を考えているお客さまにはとても便利ですね。さっそく、『東南アジアの旅』の文章内で活用してみました。今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: 田端 | 2009年2月 1日 (日) 02時44分

田端さま、さっそくの「グーグルブック検索」の活用、ありがとうございます。
グーグルさんに提供できたカラーブックスは、
現在の保育社にあるものだけなので、
全体の約半分くらいです。
『東南アジアの旅』もすでに絶版のため現保育社にもありません。
いいものを見せていただきました。(笑)
また2月もよろしくお願いします。

投稿: 保育社・松井 | 2009年2月 2日 (月) 10時01分

初めまして。
おじいちゃんのブックスをこうやって紹介してくださって
とてもうれしかったです。
おじいちゃんと言っても、彼には子どもがいませんでしたから、私は甥っ子の子どもになるんです。まるで孫のように接してくれて、おじいちゃんがいなかった私にとってはやっぱり、おじいちゃんなんです。
人形劇はよく観に連れて行ってくれました。人形劇の楽しさを彼から教えてもらいました。

投稿: 村上(南江)千代 | 2010年12月18日 (土) 23時48分

村上(南江)千代様

著者の田端です、はじめまして。コメントをいただきまして有り難うございました。ご親族の方から書き込みをいただけて大変光栄です。人形劇に連れてってもらったとのことですが、人形劇研究の第一人者に連れてってもらえるなんて、とてもうらやましいです。このカラーブックスを読んで人形劇に興味を持たれた方は本当に多いのではないでしょうか。「ご紹介した甲斐があった」と嬉しくなりました、こちらこそ、お書き込みいただきまして有り難うございました。また、お時間あるときに遊びに来て下さい。

投稿: 田端宏章 | 2010年12月19日 (日) 16時32分

はじめまして。こちらにうかがって、とても感動しております。若かりし頃「人形劇入門」の本に出会い、人形劇のことで頭がいっぱいになり、南江治郎さんにお手紙を差し上げたことがありました。幸いにもお目にもかかれ、その時、私のカラーブックスの見開きに「人形劇で演ぜられるほどのものでなければ、ほんとうの戯曲ではないーゲエテ」と記してくださいました。今でも大切な宝物です。そして、人形劇を細々ですが続けております。ありがとうございます。

投稿: 大崎省子 | 2011年10月12日 (水) 14時47分

大崎省子さま

ブログ主の田端です、コメントありがとうございます。「人形劇入門」の著者の方に会われたとのこと、しかもゲーテのお言葉まで書いていただいていたと知り大変驚きました。しかもいい言葉ですね。この本をご紹介した甲斐がありました。大崎さんも人形劇をなさっているとのことで、ご活躍をお祈りしております。

投稿: 田端宏章 | 2011年10月16日 (日) 13時04分

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