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2009年12月31日 (木)

『木彫り入門』

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保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第54回目は、「作る喜び」を与えてくれるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、自然の恵みをガリガリザクザクする一冊『木彫り入門』です。

木彫り、という言葉を聞いて、あなたは何を思い出しますか? 私の場合、真っ先に北海道土産の「熊の木彫り」が浮かびます。いまも北海道に行くとお土産屋さんには、あの真っ黒な鮭をくわえた熊の置物が並んでいますが、昔はラーメン屋の片隅や親戚の家の床の間、こけしケースの中、旅館の入口などなど、さまざまな場所で見かけましたよね。また、小学生の頃に木製の大きなフォークやスプーンに彫刻をする宿題が出ましたが、私は不器用なため大変苦労したことを覚えています。木彫り作品は、昭和の私たちの生活に自然と溶け込んでいたといっても過言ではないと思います。あの温かみのある木目、色、味わい、デザイン…見ているだけで心が和むような気がするのです。

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さて、今回ご紹介するカラーブックスは、木彫りのデザインから材料、作り方、工具などを写真と図とともに紹介した、木彫りを楽しむための入門書『木彫り入門』です。お皿、スプーンとフォーク、キャンドル立て、マガジンラックなど、生活に密着したものばかり約45作品を掲載。巻末には木彫りの基礎である彫り方や仕上げの方法などを詳しく解説しているので、初心者でも木彫りを楽しむことができます。著者は東京美術学校(現・東京藝術大学)油画卒を卒業後、アメリカ・シカゴで工芸を学んだ画家の木村鉄雄氏。木村氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「この本は美術的表現の「もくちょう」ではなく、木のあたたかさをなつかしみ、能率は悪くとも、一削り一削りして自分の思った形を彫り出そうという「きぼり」をしたいという人達の協力でできた作品集でもありますが、かえって力んでいないために、しっとりとした、ほほえましい美しさをたたえていると思います。」

たしかに、本書に掲載されている「きぼり」は人間味あふれる温かみを感じる作品ばかりです。さて、百聞は一見にしかず、美しい昭和なビジュアルのカラー写真による図版の数々を是非ごらんください。

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↑アフリカの彫刻模造品(練習作)
「これらは模造品ではなくて、トーテムポール風、アフリカ風、の創作品で壁飾りを作りながらいろいろな木彫のテクニックを勉強した跡と思っていいでしょう」 とくに、頭に子どもが乗っかって顔から手が生えた左端のお面がシュール…
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↑ブローチ

「インカ、エスキモー、アイヌ、マオリなど太平洋周辺などには昔から民族の図案がいっぱいです」 どこかアイヌ民族の作った首飾りを思い起こさせるブローチは素朴さ満点。そういえば、北海道風ラーメンの店に、こんな模様の民族衣装を着たアイヌの人達を描いたシールがドアに貼ってあったっけ。あー、なんだか道産子ラーメンが食べたくなってきた…
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↑著者の自宅表札
「鉄の扉も筆者のデザインで作ってもらい、表札もそれに合わせます。」 クニャクニャした鉄の扉もモダンですが、荒削りな味ある表札も素敵。しかし、この表札は何をかたどっているのだろうか、そしてこの表札は今も著者の自宅玄関にあるのだろうか…情報求む
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↑ハンドバッグ
「皮のように見え、皮よりもはっきりした模様が美しく、周囲のとじ皮が切れても、木彫の部分はまだ使えます。」 右奥の馬の絵柄のバッグはちょいと北欧風。この時代のカラーブックスの写真は、背景の演出や飾りのセンスが良すぎるなーとつくづく思います。しかし、このバッグ、持ち歩くたびにカスタネットのような音が鳴るような…


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↑手と猫のもの入れ(神山一郎作)
「お子さんがデザインしたものを、おとうさんが彫った、父子合作の例です」 手には御丁寧にも腕時計が!もうおやつの時間か。鏡に映った猫の目が両方とも違う色で可愛らしい。こういう素朴な作品を最近見ていないような気がします。殺伐とした今の世にはカラーブックスの素朴さが必要だ

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『木彫り入門』は、なんと嬉しいことに今も購入可能です、ご購入希望の方は是非お買い求めください。そしてご自宅で是非とも昭和チックな温かみある名作を彫り上げてみてください。もっと、木目を! ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、カンカントントンザクザクが楽しくなる一冊、『木彫り入門』のご紹介でした。

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