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2010年1月30日 (土)

『東京山手ぶらり散歩』

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カラーブックス664「東京山手ぶらり散歩」山本鉱太郎 編 (昭和60年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第56回目は、フラリフラフラ途中下車なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、山手あたりのカフェバーでモスコミュールに乾杯!な一冊『東京山手ぶらり散歩』です。

東京のエリアの区分で「山手」という言葉をよく耳にしますが、ではいったいどこからどこまでを指すのでしょうか。このカラーブックスでは、「だいたい本郷台地、麹町、赤坂、麻布のラインから西側を指す」と定義しているようです。本書の著者は、放送作家から旅行作家となって現在も活躍中の山本鉱太郎氏。氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「戦前は、下町は商人の町、職人の町、山手は高級住宅街というイメージが強かったようですが、戦後はそんなこともなくなりました。閑静な高級住宅街や外国の大、公使館、エギゾチックな雰囲気のところもありますが、おおかたは庶民の町です。ただ、下町が戦火でほとんど焼土と化して、多くの文化遺産や街並みを失ったのに対し、山手にはまだ戦前の東京のニオイがかなり残っています。武家屋敷や大名庭園、名だたる神社や仏閣、そして歴史を秘めた坂…。山手をぶらり歩きして楽しいのもそのためです。」

私は「山手」と呼ばれる地域の「大塚」「東池袋」という街に生まれ育ちましたが、高級住宅街と呼ばれるような雰囲気はほとんどなく、どちらかといえば「下町」に近いところでした。路面電車(都営荒川線)が走り、木造の長屋と駄菓子屋が点在し、細い路地は毛細血管のように伸び、長年放置されたままの空き地や古い商店街があり、お寺のような外観の銭湯があり…。そこは、最近注目されている旧き佳き昭和30年代の下町そのものでした。そんな街を見下ろすかのように、あのサンシャイン60がそびえ立っていました。あのビルが巣鴨プリズン跡だったことも影響しているのかどうかは分かりませんが、子どもの頃の私にとって、池袋駅前は魔物が棲んでいる「暗黒街」のようなイメージがあったことを覚えています(今も多少ありますが)。なので、私にとっての山手のイメージは、やはり原宿、表参道、渋谷、新宿といったところではないでしょうか。

さて、本書は東京の山手を18のコースにわけ、身近なみどころ、史跡、味覚散歩、老舗めぐり、お祭りなど、小さな発見を楽しむためのガイド書です。それでは、80年代日本の浮かれ気分な東京散策カラー図版をご紹介します。本書が出版されたのは昭和60年(1985)。バブル絶頂期を迎える直前の東京ですから、映っている女性のファッションや街の様子、お店のデザインなど、ところどころに80年代の空気が垣間見え、そのあたりにもご注目ください。

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↑ナウな街、ファッションの街 六本木
向かって右には「カフェバー ラッツ」、左には「ワイワイパブ ビバ」なる、パイナップル型ゲートの外国人向けのお店が見えます。カフェバーって今は死語カナ? やはり六本木はナウなヤングにバカウケな街ですネ!
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↑鬼子母神(雑司ヶ谷)
ススキミミズクで知られる、池袋近くの鬼子母神。山手には繁華街や住宅街ばかりではなく、江戸時代からの神社仏閣がたくさん残っています。境内に流れる厳かな空気はいつの時代も変わりませんね。
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↑越路吹雪の碑(港区・善福寺)
「愛の讃歌」の歌詞を刻んだシャンソン歌手・越路吹雪の碑が建っている。このお寺に行ったことはあるのですが、この碑の存在には気づきませんでした…越路さんごめんなさい。♪ただ、ふ〜たり〜だけで〜
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↑ナウの街、パート2 原宿
「原宿はヤングの街。広場に集まってはダンスにうち興じ、それを見る見物客も多い。」よくみると、ロカビリー兄チャン&ネーチャンが踊りまくっています。昔、クリームソーダのサイコロ型ぬいぐるみが実家にあったけ。♪たかが Rock’n Roll されど Rock’n Roll…
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↑世田谷のボロ市
毎年1月15、16日と12月15、16日に世田谷線上町駅あたりで行われる市。日用品から骨董品、バナナのたたき売り、中古カメラ、工具、野菜などの屋台が延々と続く。この風景は今も変わりませんね。しかし、写真の「Xマスプレゼントに最適!!」な商品は一体どれなんだ?

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『東京山手ぶらり散歩』は、うれしいことに現在も入手可能です。お店などのデータは古いものですが、昔から変わらないものも沢山掲載されていますので、是非とも一家に一冊どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、青山あたりでドライマティーニな『東京山手ぶらり散歩』のご紹介でした。

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