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2010年5月19日 (水)

『写真入門』

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カラーブックス534「写真入門」林荘祐 著 (昭和56年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第62回目は、パチリ、カシャカシャなカラーブックスをご紹介いたします。今回は「ハイ、チーズ!」な一冊『写真入門』です。

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私の実家には祖父の形見である二眼レフカメラがありました。高校を卒業するまで見向きもしなかったのですが、浪人生の頃、ふとこのカメラのことが気になりました。そして「このカメラはまだ映すことができるのだろうか」と思い始めたのです。このカメラを携えて某有名チェーン店に行くと、店員さんが「このカメラはブローニー判のフィルムを入れて撮るんですよ」と教えてくれました。さっそく装填して撮影したところ、綺麗に映っているじゃありませんか。その後、東京の古い街並を撮影して歩くようになった私は、このカメラで数多くの建築写真を撮りました。その時の写真を公開しているブログがありますので、興味のある方はコチラをご覧下さい→東京レトロ 失われた風景の記録と記憶

閑話休題。本書はアサヒカメラ記者(当時)であった林荘祐氏が書かれた、写真の撮り方と写真を楽しむためのガイドブック的なカラーブックスです。林氏は「はじめに」で以下のように語っています。

「ひらめきのリズムで表情をつかむ。一瞬の印象はわずか数十分の一秒の勝負だ。その瞬間の気持ちの広がりが、ひと味違う写真を作り出す。エレクトロニクスの発達でカメラは小さく軽く、さらに便利になっている。気軽に楽しい写真が撮れる。ねらいをつけたらためらわずに一歩踏み込んでみよう。この本は、カメラの機構を説明するだけではない。撮影のテクニックを解説するだけではない。これは、写真に親しむ、写真を楽しむためのハンドブックだ。」

たしかに、写真は日常生活では見ることの出来ない一瞬の表情や空気感のようなものを切り取ることができるすばらしいメディアだと私は思います。デジカメ全盛期の昨今、ここでちょいとアナログ時代のアナクロな写真を見てみようではありませんか。恥ずかしいファッションや奇妙な被写体まで、昭和末期の匂いがプンプンするカラー図版の数々をご紹介して参ります。

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↑「東京・浅草は、親しさと哀しさが混在する気取らない町だ」林忠彦氏撮影
路上生活していると思われるおじさんと飼い犬のハートフルな一枚。ワンちゃんの鼻眼鏡がイイですね。ビッシリと書かれた紙にはどんなメッセージが書いてあったのだろうか…。見て見ぬフリをして通り過ぎる老婆の絶妙な去り具合が素晴らしい。

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↑「中国の子供たち(上海で)」またまた林忠彦氏撮影
一昔前の中国の日常的ヒトコマを見事にくり抜いた絶妙な写真。背景のパンダと女の子の人形が気になってしまいます。
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↑「日ざしを受けた国立競技場のスタンドで。深く絞って背景全体に鋭い描写で表現」中村正也氏撮影
いかにもな80年代前半の広告を思い出してしまいます。翔んでる女は、M・U・G・Oん…色っぽい?
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↑「オリエンテーリングは家族一緒に楽しめるスポーツ写真だ」佐々木武氏撮影
私がこの写真を見て察するに、この大会の主催は朝日新聞で、この人は教師であります。なぜなら、旗が朝日新聞のだし、男の人の着ているトレーナーに「TEACHER’S」と書いてあるから…。

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↑番外編のモノクロ図版は、著者によるイラストのカメラ操作説明。ああ、なんかこういう手描きの絵って、70〜80年代の雑誌イラストを思い出しますよね。え?なんでアンタの世代が知ってるかって? それは秘密です。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『写真入門』は残念ながら絶版ですが、芸術入門シリーズのカラーブックスは、まだまだ在庫がありますので、是非ごらんください。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、パチパチ、ジーコジーコな『写真入門』のご紹介でした。

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