« 『日本の人形』 | トップページ | 『陶芸入門』 »

2010年6月30日 (水)

『ベルリン』

Img_7495
カラーブックス66「ベルリン −カラーガイド−」近藤 常恭 著 (昭和39年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第66回目は、イッヒ、リーベン、リッヒなカラーブックスをご紹介いたします。フランクフルト食べてビールで乾杯!な一冊『ベルリン』です。

ドイツといえば、昔は西ドイツと東ドイツという2つの国に分かれていたことを思い出します。そして子どもの頃、TVの映像でみたベルリンは、高い壁によって東ベルリン、西ベルリンに分断されていました。それが、私が中学2年生頃、突然その壁が壊され、ドイツは、ベルリンは一つになったのです。壁を壊す市民たちの感動的なシーンを覚えているはず…だったのですが、破壊された壁のカケラに乗っかって「私は今ベルリンの壁の破片の上に立っています!」と棒立ちで報告していた、フリー時代の長嶋茂雄さんの天然レポーターぶりが忘れられません…。長嶋さんに「心の壁」を壊されて以来、私は彼のトンデモエピソードが好きになりました。

閑話休題。本書は、東京オリンピック開催の年に出版、海外旅行など夢のまた夢だった時代のドイツの首都・ベルリンを紹介した貴重なガイドブックです。著者は、中学教諭を経て視聴覚教育視察と取材のため渡欧し、兄弟と共に西ドイツで貿易会社を経営していた近藤常恭(つねやす)氏。近藤氏は、「まえがき」で以下のように語っております。

「もし私たちの住む都会が相容れない二つの世界に分割され、たった一本の境界線で自分の肉親や友人に会うことすら許されないとしたら――。ベルリンを思うときいつも私の心に去来するのはこの想像だ。(中略)ベルリンには、花の都とうたわれるパリの情緒も、古代文化の栄光を伝えるローマの遺跡もないかわり、そこには私たちの生きるこの二〇世紀にあって、たぐいまれな栄華と破壊と復興と、そして今や分割された二つの世界に生きる市民の苦悩の物語がある。ベルリンこそは、私たちの見のがせない現代の歴史の生きた証人であろう。」

当時のベルリンには、冷たくて重く、そしてとてつもなく高い壁が同じ民族の生活を分断していたのです。現在は壁も崩され、自由に行き来ができるようになりましたが、二つに分かれたベルリンの様子を記録した写真は滅多に見ることが出来ないため、貴重な一冊と言えるのかもしれません。

それでは、百聞は一見にしかず、ここで貴重な東西ドイツのカラー図版の数々をご紹介して参ります。バームクーヘンを食べながらレーベンブロイを飲んで、じっくりとご堪能くださいませ。ダンケシェン!
Img_7498
↑ベルリンのシンボルである熊
道ばたで棒立ちして市民に完全に無視されてる熊がカワイイ。「熊」はベルリン市の象徴。
Berlinの「Ber」の部分とドイツ語の「Bar(熊)」が似ていることによる語呂合わせ。
この語呂合わせでいくと、「熊リン」ってことなのかな? 犬もガン無視。
Img_7501
↑近代的で豪華なベルリン・ヒルトン・ホテル
いまも残っているのかと画像検索してみたら、
古典的なヨーロッパ建築に改装されていました…。
このクールでバウハウス的なモダニズム建築だからいいのになぁ。
Img_7509_2
↑壁をみつめる西ベルリンの子どもたち
「どうして僕らは向こうへゆけないんだろう」
子どもたちの数十メートル先には近くて遠い東ベルリンの町が見える。
壁が崩れるまであと25年…。
Img_7513
↑クーダム大通り
西ベルリンの銀座ともいうべき、クルフュルステンダム、通称「クーダム」の大通り。
よくみると、地面にパステルのような画材で絵が描かれている。
ここだけみても絵になるのが、日本の路上とは違うところ。
Img_7516
↑メーデー風景
メーデーとは、労働者が統一して権利要求と国際連帯の活動を行なう日で、元は春の訪れを祝う「五月祭」を開く日だった。ここで一句、「赤ちゃんの 乳母車も出る メーデーに」季語はメーデー(5月)。
 

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ベルリン』は残念なことに絶版ですが、旅と散策のカラーブックスは発売しておりますので是非ごらんください。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、「アウフ・ビーターゼーエン」な一冊『ベルリン』のご紹介でした。

|

« 『日本の人形』 | トップページ | 『陶芸入門』 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/222326/48762400

この記事へのトラックバック一覧です: 『ベルリン』:

« 『日本の人形』 | トップページ | 『陶芸入門』 »