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2010年9月14日 (火)

『ふるさとの味 —近畿—』

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カラーブックス265「ふるさとの味 —近畿—」小林 豊 著(昭和43年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第71回目は、ズルズルパクパクなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、グツグツトントン、ジュージューな一冊『ふるさとの味 —近畿—』です。

今回ご紹介するカラーブックスは、京都、大阪、神戸を中心に、地方独特の美味しいものが食べられるお店を紹介したガイドブックです。著者は、外語大学卒業後、テレビなどでも活躍された近畿地方のグルメ通(たぶん)の小林豊氏。小林氏は「はじめに」で以下のように語っております。

「古きものへの郷愁が強調される今日ですが、ふるさとの味もまだ健在です。(中略)しかし世間の人々が、いわば流行的にふるさとの味を求めるとすれば、やがて消え行く運命にあることも事実です。その時に残るのは“ふるさと”という美名で、あやしげな講釈をこじつけたマヤカシものだけでしょう。この本は、そうであってはいけない―という、ささやかな願いをこめて書いたものです。」

たしかに、ふるさとの味は流行によって「作られる」ものではなく、地元によって育てられ、守られ、伝えられていくものではないでしょうか。今回ご紹介する本書は、本物の「ふるさとの味」を数多く網羅して紹介した、郷土料理の「カタログ」といった側面もある一冊です。近畿地方の庶民によって伝えられた、素朴で人の匂いがする料理写真の数々をご堪能ください。もちろん、カラーブックスの醍醐味である、味わい深いカラー図版で。
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↑柿の葉ずし(奈良県)
塩サバのすしを柿の葉で巻いて押した素朴な味。笑いながらすしを握る、仲良しおばちゃん4人集は何を語るのか。「この中に柿の葉じゃないお寿司混ぜとこうか?」「やめなさいよ、怒られるわよ」「大丈夫よ、バレたらシラ切ればいいんだし」…(この会話続く)
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↑タコ焼き(のちの明石焼き、兵庫県)
「創業以来の油のしみこんだ取り台で…」なんか、明石焼きってやわらかすぎて食べた気がしないんですよ。というかタコ焼きとは別もののような気がする。でも美味しそう…腹へった。
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↑日本海の魚料理(兵庫県)
じいさん、ばあさんの二人でやっていた宿の魚づくし料理は、たくさんの「ひもの」がインパクト大!「誰にも知らせたくない居組海岸の魚料理」だったそうな。
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↑温泉湯どうふ・かゆ(和歌山県)
熊野路の古い出で湯「湯之峰」で湧く94℃の湯を利用した、温泉湯どうふ。イモなら風呂に入っているうちにゆで上がるとか。おじさんは、トックリでちょいと一杯…なぎら健壱ばりに一言「オツだねぇ〜」。

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↑道明寺ほしい(大阪府)
「ほしい」とは、乾し飯(ほしいい)のこと。「もち米を二日間、水につけてから蒸し、よく乾かしてからウスにかけて仕上げる。」お坊さん、せいがでますねー…と思いきや、実は尼さん!失礼しました。

さて、ここで番外編をひとつ。
実は先日、京都、丹後、神戸へ旅行に行ってまいりました。今回は、京都市内に一泊、丹後の宮津に一泊、最後は神戸に一泊という、充実した旅でございました。この旅で味わった近畿の味を3件ほどご紹介いたしましょう。
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↑京都市内にある大人の隠れ家的な名店「両川」(RYOSEN)の煮込み盛り合わせ
開店以来、出汁や具をつぎたし続けているという逸品。本格的で繊細な味は最高で日本酒や焼酎が進む進む…京都に行ったら是非味わってください。
「両川」(RYOSEN) 京都市中京区押小路室町西入る蛸薬師町293番地
tel/fax 075-222-1441 18:00-23:30 (LO.22:45) 定休 日曜・第三月曜
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↑宮津・居酒屋「富田屋(とんだや)」の宿泊客専用晩ご飯(毎日日替わり)

なんだ、単なる古い居酒屋か、と侮ることなかれ。じつはこの店の二階は宿で、だれでも二食付き5千円で泊まることができるのであります。近くには日本三景の「天橋立」があって、しかも日帰り温泉もあるので、入浴も心配なし! 安くて快適な宿と、居酒屋で供される美味しい晩ご飯をご堪能あれ。
富田屋 京都府宮津市字鶴賀2066-56 電話0772-22-0015  11:00~23:00 定休 月曜 お宿は一泊二食付き5250円

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↑須磨観光ハウス 味と宿 花月 ある日の朝ご飯
昭和12年(1937)に神戸市の迎賓館としてスイスの山荘をイメージして建てられた洋館を改装、落ち着いた大人の隠れ家的なクラシックホテルです。外見に反して部屋は全て和風、鍵を閉められる貸し切り風呂もあり、桜の時期をのぞけば静かなひとときを過ごせます。お料理は晩ご飯、朝ご飯ともに美味しく、昼〜夜はお食事のみの利用もできます。朝ご飯は薄味ながら繊細で丁寧に作られた懐石風お料理。サービス等すべてに手が込んでいる素敵なホテルです。
須磨観光ハウス 味と宿 花月 兵庫県神戸市須磨区西須磨字鉄拐7番地
電話 078-731-3751 定休 火曜(但し、お花見期間・お盆・祝祭日は営業)

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ふるさとの味 —近畿—』は残念なことに絶版ですが、味に関するカラーブックスは多種類があり絶賛発売中ですので是非ごらんください。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、味をもとめて旅に行きたくなる一冊『ふるさとの味 —近畿—』のご紹介でした。

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コメント

いつも楽しい記事を有り難うございます。関東人の私が昔、明石に程近い某市に単身赴任中、明石焼きを食した際「えっ…」と感じたのを懐かしく思い出しました。たこ焼きとは似て非なるものですよね。

投稿: 鉄道大好き | 2010年10月 3日 (日) 11時17分

鉄道大好きさま

田端です、いつもご感想ありがとうございます。
明石焼、どちらかというと卵焼きですよね、たこ入りの。薄いだし汁を付けて食べる明石焼より、私はソースたっぷりのたこ焼き派です。(^-^;

投稿: 田端宏章 | 2010年10月23日 (土) 21時21分

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