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2010年9月30日 (木)

『彫刻入門』

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カラーブックス332「彫刻入門」今村 輝久 著(昭和50年初版、絶賛発売中)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。今回で丸三年を迎えた記念すべき第72回目は、カンカンペタペタなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、ガリガリボリボリな一冊『彫刻入門』です。

子どもの頃、実家のこけしケースの中に「七三分け」の小さな胸像が入っていました。男の子のような女の子のような、和風を顔立ちをした質素な小像でした。「これは一体だれなんだろう? だれが作ったんだろう?」当時、三歳くらいだった私は、おばあちゃんに思いきって聞いてみました。すると、「これは死んだおじいちゃんが作ったんだよ」と教えてくれたのです。そして、この七三分けモデルは、なんと私の母の妹でした。おじいちゃんは器用な人だったと聞いていましたが、まさか彫刻をやっていたとは…。大人になって分かったことですが、これは夏休みの宿題として提出した物で、人一倍ものづくりが好きだったおじいちゃんが、自分で全て彫ってしまったんだとか。子どもにしては上手すぎるので、きっとすぐにバレたと思います。現在この像の所在は不明ですが、素人が作った物にしてはよく出来ていたなあ、とエラソーに心の中で思いかえしてみたのでした。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、実際に彫刻(塑像、彫像)を始める方のための実用的美術入門書です。著者は東京芸大卒で行動美術協会会員だった彫刻家・今村輝久氏。今村氏は「はじめに」で以下のように語っています。

「この本は(中略)、ものを作る喜びを通じて彫刻制作の糸口、つまり基礎的技法や作品鑑賞の仕方にもふれ、広く彫刻の理解と認識を深めていただくために、なるべく平易に著したものです。彫刻を志す学生諸君や、彫刻をこれからやってみたい人たちに、この本が何らかの手がかりとなり、役立てば幸いです。」

たしかに、ものを作る喜びの中でも、彫刻はとても難しいイメージがありながら、それ以上に楽しそうなイメージがあります。粘土をこねて顔を作ってみたり、石や石膏をけずって動物を作ったり、木を彫って小さな観音像を作ってみたり…想像するだけでもワクワクしてくるのは私だけではないと思います。それでは、百聞は一見にしかず。昭和時代の素敵なカラー図版で、彫刻の楽しさを実感してみてください。

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↑制作中の著者
いきなり、裸婦を作る著者が本書第1ページ目にあらわれるのもカラーブックスならでは。先生より随分と背が高いけど、モデルは誰なんだろう…。
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↑木を彫る
「木を彫ることは誰にでもできる作業ですが、木を彫って造形作品を作るとなるとなかなか思うようにはゆきません。そこに彫刻の面白さとむずかしさがあるのです」。おや?そこで木を彫るのは70年代当時の松任谷正隆さん?んなこたないか(キャラメルママ時代にやってたりして…)。
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↑石を彫る学生たち
うつむきながら石を彫る、誰が何と言おうと石を彫る、たとえ顔が写真に写らなくても石を彫る。そんな、敬虔な態度で神像を彫る中世の彫刻職人のような学生たちに完敗!
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↑トローヴァ 倒れる人 ヴェニス風景
もしや、これは捕まった宇宙人?! いやいやターミネーター2でシュワちゃんを追いかけてくる液体金属のあいつか…いえ、れっきとした現代美術です。
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↑新谷王秀紀 個展
正統派のブロンズ展に女が一人、彫刻像を見つめてる。もし彼女の心が邪悪なら、それはこの汚れきった都会のせいなのか。彼女は今日もここへ来てしまった。雨の日も風の日も通い詰めた、この場所(このネタ、スネークマンショーを知っている方なら分かるハズ)。
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↑番外編 個人で作った彫刻の例
おっと、これは反則。うちの彼女が作った石膏製の愛犬「まりん」像。円空仏を思わせる荒削りの造形美。この横顔…思わずデッサンしたくなります。

 
さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『彫刻入門』は今でも絶賛発売中ですので、是非お買い求めになってご自宅でごらんください。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、考える人のポーズで読みたくなる『彫刻入門』のご紹介でした。
 

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