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2011年8月31日 (水)

『くだもの』

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カラーブックス435「くだもの」吉岡 金市 著(昭和53年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第94回目は、とてもみずみずしいカラーブックスをご紹介いたします。今回は、たわわに実った美味しい一冊『くだもの』です。

みなさんは、どんなくだものが好きですか? 我が家は割とくだもの好きで、皮ごと食べられるブドウや、デコポン、バナナ、桃、梨、ミカン、マンゴー、リンゴ、いちごなどをよく食べています。私は果物屋さんが好きです、というか、あの「佇まい」が好きなのです。昔からある果物屋さんの前を通ると、籠に入ったメロンやセロファンに包まれたグレープフルーツ、ずらりと並んだリアルなイラストの缶詰など、くだものが高級だった時代の陳列に心が躍ってしまうのです。今は病気にならなくてもバナナが食べられる時代になりましたが、南国のフルーツを店先で見かけるたびに、くだものが贅沢品だった頃の空気を感じてしまうのです。

閑話休題。今回ご紹介するのは、文字通り「くだもの」そのものを取り上げたカラーブックスです。「日本のくだもの主産地マップ」から「くだもの発達史」、「くだものの栄養価」まで、日本および世界のくだものを紹介しながら、くだものの作り方も掲載しています。著者は、金沢経済大学学長を経て龍谷大学教授であった吉岡金市氏。著者は「はじめに」で以下のように語っております。

「くだものぐらい見て美しく嗅いで香しく、また食べておいしいものはありません。日本では昔から果物のことを水菓子といってきましたが、どんなに凝った京都や大阪の和菓子や東京の洋菓子も、天然自然のくだものの美しさとおいしさには及ぶべくもありません。」

たしかに、おいしいくだものは神様のくれた味の芸術品だと思います。なぜあのような色をしているのか、なぜこんな形をしているのか、なぜこんな個性的な味がするのか…くだもののみならず、自然には謎がいっぱいです。それでは、くだものが“水菓子”と呼ばれた時代の空気感漂う昭和なくだもの画像をたっぷりとご堪能ください。
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↑東京・銀座の千疋屋店頭。店主は『くだもの百科』の著者でもあり、熱心なくだもの研究家でもあるそうな。いちいち箱に入れてるとこなど、まさに老舗高級店の風格が漂っております。
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↑タネナシブドウをつくるため液に花房を浸してタネをなくして粒を大きくする。おや?こんなところにザ・デストロイヤーが…(分からない方は画像検索を)
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↑岡山県浅口郡船穂町のエジプト原産のマスカット・オブ・アレキサンドリア(俗称アレキ)のガラス室加温栽培。皮ごと食べて皮吐き出すのではなく、皮をむいてたべるべき、と著者は言う。ハイ、皮が白いのでそうさせていただきます。
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↑日本で収穫されるブドウはほとんどくだものとして消費されるが、一部はワイン用のブドウも栽培されている。食事をしている女性のフラワームーヴメントな服が時代を感じさせるじゃありませんか。ありゃ、3枚連続でブドウの画像紹介になっちゃった!
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↑もとは千葉県原産の梨だった「二十世紀梨」。千葉の原木は戦災でなくなったが、奈良県吉野町にある原木は現存しているとのこと。ご丁寧にも「廿世紀原木」という札まで建ててあるところや、志ん生師匠チックなご主人も昭和なイイ味。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『くだもの』は残念ながら絶版ですが、料理・味の本のカラーブックスはたくさん在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、病気のフリして食べたくなる『くだもの』のご紹介でした。

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