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2011年9月29日 (木)

『新しい大阪』

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カラーブックス186「新しい大阪」保育社編集部 編(昭和44年初版、絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第96回目は、♪こんにちは、こんにちは〜、なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、1970年の日本万国博覧会開催を目前に控えた大阪を丸ごと紹介した一冊、『新しい大阪』です。

昭和45(1970)年、大阪・千里丘陵に期間限定の巨大な未来都市が出現しました。当時、アジアで初めて開催された万博、「日本万国博覧会(通称:大阪万博)」の会場です。色とりどりの巨大なパビリオン群、岡本太郎作のベラボーなシンボル「太陽の塔」、会場を囲むように走るモノレール…、この一大イベントは戦後日本の豊かさを象徴する日本総出の「お祭り騒ぎ」だったのです(「月の石」の展示や「人間洗濯機」、大行列で会場へ入場する人々の映像などをTVで見たことがある方も多いと思います。)最近では当時の記録映画がDVD化されたり、万博パビリオンがグリコのオマケ化されたりと、当時会場へ足を運んだことのある世代がこの大阪万博をリスペクトした商品や作品などを発表しています。それは、いい大人になった今でも「トラウマ」から解放されないほどインパクトのあった狂乱的な白昼夢だったと言えるのではないでしょうか。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんなドンチャン騒ぎが始まる直前の大阪の街を紹介した、「万博を見に大阪へ行こう」キャンペーン用の大阪観光ガイド本です。本文では、大阪の有名スポットや特徴を23ジャンルに分け、それぞれを小説家、音楽家、画家など大阪にゆかりのある著名人が随筆風の文章で紹介。巻末のモノクロページでは、大阪の交通機関や方言から味どころも掲載しています。編者は、当時の保育社編集部。巻頭の言葉は、刊行当時の大阪府知事だった左藤義詮氏。左藤氏は「次の門出へ」と題して以下のように語っております。

「府庁の知事室の窓を額縁にして、秋空のもと大阪城が一幅の名画である。晴れた日には、北の方遠くに万博会場のパビリオン群が、北摂の山脈を背にくっきりと浮かび上がる。古い顔と新しい姿とが渾然一体となって溶けあい、息づいているまち、これが「大阪」の魅力だといえば身びいきが過ぎようか。」

たしかに、こんな新旧の美しい街並を眺めることができれば、誰しも清々しい気持ちになってしまうのは当然だと思います。大阪の街を歩くと、たまに万博と同じ頃に出来たと思われる建物やお店を見かけることがよくあります。約40年を経た今でも、その残影を見つけることができるということは、いかに当時の大阪の街が大きく変わったのか、ということの証明でもあると思います。だから、私は大阪へ行くたびに「万博的な雰囲気」を街中で探してしまうのです。あの空気感をちょっとでもいいから味わいたくて…。それでは、消えゆく旧き佳き商都・大阪と万博開催直前の新しい大阪の姿を、カラー写真でご堪能ください。
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↑「キタのターミナル夜景:ビルを彩る電飾が印象的」新阪急ビルの屋上から撮影したと思われます。道路の中州に建つ有機的な形の「梅田換気塔」は、日本を代表する建築家・村野藤吾が1963年に設計したもの(現存)。こんなニョキニョキ生えた不思議なオブジェ風の換気塔を今も残しているのが大阪のいいところ。
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↑「新世界のシンボル通天閣」大阪といえば、もちろんココ。ふぐの看板で今もお馴染みの「づぼらや」と映画館の看板がいくつも見えます。明治末の博覧会跡地の半分を使って作られた遊園地「ルナパーク」が新世界のはじまりですが、遊園地なき今も、ある意味テーマパークのような街であることに変わり無し。
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↑「千里ニュータウン 団地のショッピング街」まるでダウンタウンのコントのような髪型と服装のご婦人方に思わず笑みがこぼれます。建て替わっているとはいえ、今もこの「阪急オアシス」は営業中。オアシスだけに、当時はラクダのマークだったのか…。
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↑「太陽の塔 三つの顔で過去・現在・未来を語る」ご存知、岡本太郎の代表作(まだ万博開催前なので模型)。腕の中の構造や地下の展示まで見えるのが貴重です。のちに万博反対の学生がこの塔を占拠することになろうとは誰が想像し得ただろうか…この芸術作品が爆発されなかったのが救いです。
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↑「万国博を成功させましょう」おっと、これは反則。カラーブックス『新しい大阪』に挟み込まれていた、保育社作成の大阪万博案内パンフ。会場案内図や「みどころ ききどころ」、交通要図まで入ったステキな四つ折り。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『新しい大阪』は残念ながら絶版ですが、「大阪城ガイド」は在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、大阪駅前ビル1号館の喫茶店はまさにこの本の時代だなーと思う『新しい大阪』のご紹介でした。

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