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2012年3月22日 (木)

『東京下町ぶらり散歩』

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カラーブックス645「東京下町ぶらり散歩」山本 鉱太郎 著(昭和59年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第107回目は、火事と喧嘩と花火に何故か心が動いてしまうカラーブックスをご紹介いたします。今回は、てやんでぃ、ばーろーな一冊、『東京下町ぶらり散歩』です。

私は、東京の文京区大塚と豊島区東池袋の区境で育ちました。区分的には山手になるのかもしれませんが、その街並や風情はあきらかに「下町」そのものでした。古ぼけた商店街の脇に路面電車が走り、空き地や長屋が点在し、駄菓子屋や銭湯もたくさんありました。零細工場も街のあちこちにあり、フォークリフトの音や油の匂いに郷愁を感じます。私の中で「下町」とは0メートル地帯などのエリアを指す言葉ではなく、そのような風情を指す言葉だと思っています。特に東池袋5丁目周辺は、繁華街からも遠く、駅もローカルな地下鉄駅しかないため、長年手つかずの「天然培養」状態が続いていました。坂を登ればお金持ちの家があり、坂を下れば水はけの悪い商店街がある…。幼少期の私は、そんな分かりやすい地形の中でバーチャルな下町を体現していたのかもしれません。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、いわゆる東京・下町をカラー写真とわかりやすいマップで紹介した、ぶらり途中下車な一冊です。著者は、元放送作家で旅行作家の山本鉱太郎氏。山本氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「喧騒の巷、アスファルトジャングルと言われているマンモス首都も、じっくりと歩いてみれば意外な発見があるものです。昔の面影をとどめている旧街道、戦災に焼け残った古い町並み、歴史や文学の香り漂う坂道、そして暖かな下町の人情とカラフルな行事の数々。これらは、つぶさに歩いてみないとわからないでしょう。」

たしかに、街並みをよく観察すると、戦前の面影をとどめていたり、老舗の店にでくわしたり、「いかにも東京」という都会的なエリアでも意外な「下町風情」を発見できたりするものです。もしかしたら「下町」とは、それぞれの人が心の中に持つ幻想であり、理想郷なのかもしれません。それでは、1984年当時の東京「下町」を記録したカラー画像をご堪能ください。
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↑スエヒロ(銀座)
「地下では格安のサービス・ステーキ、二階では炭火焼きビフテキ、三、四階ではすき焼きが食べられ、エトランジェの訪れも多い。」どデカイステーキをパクつく個性的な髪型の乙女たちも、今では息子が大学生(たぶん)。そうか、銀座も下町になるのか…。
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↑深川不動尊の縁日に出ている羅宇屋(らおや)
浮世絵などでもお馴染みの煙管(キセル)の修理と清掃を専門にしている屋台。現在では「キセル乗車」くらいでしか聞かなくなった言葉ですが、今もキセルの需要はあるのでしょうか…。いや、たしかまだキセル専門の刻みタバコが売っていたハズ。
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↑浅草三社祭のけんらん豪華な「おいらん道中」
おいらんとは、タヌキやキツネと違って人を騙すのに「尾はいらん」ということから「おいらん」となったらしい。「花魁」と書くのは、「鼻の先が欠ける」(性病になる)ところから来ているらしい。いやね、圓生の落語で聞いたんですよ。
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↑吉原の古い町並みを残すさくら鍋屋「中江」界隈
なぜか隣の「天ぷら伊勢屋」には触れていないカラーブックスのキャプション。この近くに8年ほど住んでいたことありますが、結局一度も行けずじまい。吉原の通りを自転車で抜けるのは勇気がいったなー。
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↑柴又名物はじき猿
「悪をはじき去るとあって参詣者に人気」。『男はつらいよ』の舞台で有名な柴又は、たまに行きたくなる観光名所。先日亡くなった寅さんのおばちゃんのようなおばあちゃんがいい感じ。しかし、何度も行ってるのに猿の人形には気づかなんだ。矢切の渡しの横でロケット花火を大量に打ち上げてたのはもう時効のお話…。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『東京下町ぶらり散歩』は絶版ですが、旅路と散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、ダウンタウンへ繰り出そう♪『東京下町ぶらり散歩』のご紹介でした。

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