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2012年3月31日 (土)

『京の店』

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カラーブックス645「京の店 −老舗と京みやげ−」岩城 もと子 著(昭和51年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。煩悩の数と同じ第108回目は、はんなりとしたカラーブックスをご紹介いたします。今回は、先の大戦は「応仁の乱」以来な一冊、『京の店』です。

以前、京都へ行った時のことです。清水寺から小雨で濡れた石畳の道を歩き、祇園方面に向かって歩いている途中、小さな漬物屋さんを見つけました。店構えも新しく、マンションのようなビルの一階にあったので最近のお店かと思っていました。壬生菜の漬物などを購入し、帰り際に主人に尋ねてみました。「このお店は何年くらいやっているんですか?」すると、「はい、建物は新しいんですが、かれこれ創業100年になります。」…私は戸惑いました。町中にある小さな新しい店構えの漬物屋さんが創業100年!? 東京なら老舗の看板出して、「100年の味」なんていうノボリが立っていてもおかしくないほどの老舗です。「え!そんなに長いんですか!」と私が驚きの声を上げると、「はぁ、京都ではそこら中に創業200年、300年というお店がありますんで、100年なんてまだ新しいほうですわ。うちは100年です、って言ったら「ふぅーん」と言われる程度です。」これは謙遜ではなく、おそらく事実なのでしょう。京都は第二次世界大戦で戦災を免れ、江戸はおろか平安時代からの建物や仏閣が残っている地域です。100年前といえば明治時代。これでは、「まだまだ」と言われても仕方ないのかもしれません…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな伝統そのものが街になった京都の老舗をカラー写真で紹介した、京都の老舗ガイドな一冊です。著者は、元京都新聞記者の作家、岩城もと子氏。岩城氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「京都は伝統技術産業が残っている町である。何百年もの間、親から子に、あるいは師から弟子にとその技術は伝えられ、京の匠の技は世界の人たちにまで賞賛と憧憬をよせられている。先祖代々伝えられた技を守って、手づくり一筋に歩んでいる店がある一方、売買の商人として連綿と生き続けた商家もあるが、共に老舗として京の町の誇り高い存在である。」

たしかに、ものづくりから販売までをおこなう老舗もあれば、ものを売るだけの老舗も多いのが京都。10年20年どころではない伝統ある老舗が、それはもう佃煮にできるくらいの数だけ散らばっているのですから、いつ行っても飽きることはありません。それでは、カラー写真による京都老舗めぐりの旅をご堪能ください。

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↑組紐師 大岡周平梅春さんの高台組紐機の姿
「17歳の年から60年組紐一筋に修行し、京都府産業優秀技術者。」機械で編んだものは次第に弾力がなくなり、手組みのものはキリリとしまってくるという。しっかし髭、伸ばしたなぁ、組紐といっしょに編まないか心配。

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↑京かんざし
「京のあでやかなものの一つに数えられるのが京かんざし。日本髪や束髪が流行ったころ、このかんざしは欠かせないアクセサリーだった。」いやいや美しい。まるでべっこう飴のような色つや…あ、表現力が乏しくてすみません。
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↑御所人形 伊東久重
「古い店であることは、表の看板や人形つづらの上に飾られている様子からもうかがわれる。先年、老舗として京都府知事から表彰された人形細工所伊東で、御所人形専門の店である。」人形の衣裳は西陣織の美しいものが着せられているそうな。それにしても、表に飾られたホコリだらけの看板人形が怖いなー。手前の金太郎らしき人形も目つきが怖いゾ。
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↑だるまさん 達磨堂
「五条坂から清水寺へ行く参道を清水新道といい、その途中に小さな目立たない店の達磨堂がある。ここでは紙張りのだるまだけを売っている。」おお、なんて表情豊かなイイ顔の達磨さんなんだろう! しかし、こうやってみると、やはり達磨大師はインド人顔だナ。
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↑ひょうたん 大井瓢簞屋
清水寺近くの三年坂にあるこのお店、この坂で転ぶと三年以内に死ぬという迷信があって、転ばないようにひょうたんを買ったというのは昔のこと。

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実はこのひょうたん屋、今も7代目の方が継いでおり、半分は猫グッズのお店になっていました。全国の猫ファンから写真がたくさん送られてくるそうです。ここで小さな干支の人形を購入したのですが、財布に入れると効果ありとか。話の面白いご主人曰く「ずぇっっったいに、いいことある!」。このお店を訪れてブレイクした芸人や芸能人も多いとか(笑い飯、錦戸亮など多数)。


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『京の店』は絶版ですが、旅路と散策のカラーブックスはまだ在庫がございますので是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、200年300年創業は当たり前!な『京の店』のご紹介でした。

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