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2012年5月31日 (木)

『土鈴』

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カラーブックス437「土鈴 −収集の旅−」山本 鉱太郎 著(昭和53年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第112回目は、なぜか思いっきり鳴らしたくなるカラーブックスをご紹介いたします。今回は、強制的に働かされているような一冊、『土鈴』です。

私は、幼い頃から古いものが好きでした。小学生の時から、七福神の人形や根付のようなものを親にねだって買ってもらったり、中学生の時には古銭を集めたり、高校を卒業してからも戦前の生活雑貨や紙ものを集めていました。ある日、サンシャインシティの中で骨董市が開かれていました。まだ小学生だった私は、親に頼んで大黒様の顔が打ち出の小槌に書かれた「土鈴」を買ってもらいました。デザインも顔つきも渋いもので、おおよそ小学生がねだるようなものではありませんでしたが、私はとても喜んでいました。あくまで七福神グッズとして買ったわけで、土鈴が欲しくて買ったわけではありませんが、私にとって土鈴は部屋のインテリアの一部だったのです。そんな小学生、ちょっと気持悪いですが…。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな土鈴の歴史、種類、魅力を伝える土鈴づくしな一冊です。著者は、郷土玩具の収集家で有名な旅行作家の山本鉱太郎氏。著者は、「はじめに」で以下のように語っております。

「土鈴はごく大ざっぱに言って、信仰の対象としての土鈴と、観光みやげとしての土鈴と二つのタイプにわかれると思う。神社仏閣で授与するものはおおむね素朴で、素焼のものが多く、地味に彩色してある。そして観光みやげ土鈴は主に若い女性を狙って売っているから彩色が派手で、造形的にも凝っており、いろいろなアイデア土鈴がある。そしてこれも時代の流れというべきか、近頃の神社仏閣の神鈴も年をおって派手になりつつあるようだ。またそうでないと、売れないご時勢である」

たしかに、今や土鈴を買い求める若い女性も少数派だと思いますが、神社仏閣などに派手な土鈴が多いのは、まさに本書が発行された頃に始まったことのようです。毒々しいくらいの原色を塗った土鈴から、素朴で地味な土鈴までをすべて網羅しているのが、この本の面白いところ。それでは、日本全国ローカル土鈴の旅に、鈴を鳴らしながらでかけましょう。カランコロン、カランコロン…。
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↑深大寺の華麗な土鈴
「そばで知られた武蔵野の深大寺の門前で、今日も土鈴づくりに励む馬場信子さん。鮮やかな筆さばきと華やかな色彩に思わずうっとり。」よく見ると、同じ種類の物を大量に作らず、バラバラに彩色してるんですね…。あれ、馬場信子さんの後ろに誰かいるぞ!
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↑佐渡の土鈴
「下段右のトキ鈴のほかはみんなノロマ土鈴。ノロマは、みればみるほどふきだしたくなるおかしな人形である。いずれもひとくせもふたくせもありそうな連中ばかりで思わずプー。」いやいや、この解説に思わずプー。
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↑博多土鈴
博多人形で有名な博多は、土鈴のメッカ。女性のシンボルを形どった土鈴お福さんから、あやしい形の福禄寿まで。似顔絵土鈴もあれば「にわか土鈴」もある。左下の、想像上の中国人っぽい土鈴が秀逸。

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↑佐野の土鈴
「栃木県の佐野といえば、古い織物の町だが、今では〝土鈴の佐野〟といった感じさえする」いやー、ラーメンと厄除大師とアウトレットしか知りませんでした。ごめんなさい、今度から「土鈴の佐野」と呼ばせていただきます。
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↑鳥取・島根の土鈴
はいはい、天狗でもなく、駅鈴でもなく、この名前が言いたいんでしょ?「しょろしょろ狐土鈴」。


さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『土鈴』は絶版ですが、趣味・手づくり・マナーのカラーブックスは在庫がございます。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、あの時買った大黒様のやつはどこへ行ったか気になった一冊『土鈴』のご紹介でした。

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