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2012年8月19日 (日)

『洋菓子天国KOBE』

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カラーブックス745「洋菓子天国KOBE」村上 和子 著(昭和62年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第117回目は、おかしなおかしなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、泣いてもどうにもならない神戸な一冊、『洋菓子天国KOBE』です。

私が神戸をはじめて訪れたのは、今から13年前のことです。あの阪神淡路大震災からすでに4年が経過しており、これといった震災の傷跡は見当たりませんでしたが、ところどころに石垣が崩れて修理した跡がわかる住宅があったり、山のケーブルカーが休止中だったりと、復興の“残り香”のようなものが随所にあるのがわかりました。その時に訪れた目的は洋館の廃墟を取材すること。神戸と言えば、早くから貿易の盛んなところで、多くの外国人が居留していた場所。なので洋風建築も多く建てられ、西洋文化のあふれるハイカラな街となったのです。洋館廃墟の取材を終えた私は、神戸でクッキーや洋食ひとつも食べずに神戸をあとにしました。今思えば、もう少し神戸らしさを堪能した取材にすれば良かったなぁと後悔しています。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、欧米の歴史の中で生まれ、長い間、神戸の職人たちの手によって受け継がれ、育まれてきた伝統的な洋菓子にスポットをあて、その背景をさぐる「神戸洋菓子史」的な一冊です。著者は、エッセイスト、サンテレビジョン(神戸)女性ディレクター、番組編成担当として活躍していた村上和子氏。村上氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「神戸が全国に先がけ「ファッション都市宣言」をして、久しくなります。ファッションの街って一体ナニ? まだ、そんな風潮が一般的だったころ“K.F(神戸ファッション)”のグループが、つぎつぎと生まれていきました。私が先輩ジャーナリストや料理関係者と始めたのは、KFR(料理)。エッ!料理がファッション? ……、あれから十年。時は流れ、料理はもちろん、今や生きざままでがファッションでとらえられる時代となりました。中でも洋菓子は、神戸ビーフ、灘の酒と並ぶ、神戸の味。その美しさと美味しさは、“食文化の極み”、また“ファッションの真髄”といえるものです。だからこそ「アパレル以上に流行が激しい世界」といわれたりもするのでしょう。」

たしかに、美しい洋菓子、伝統を守りながら新しい味覚を盛り込んだ洋菓子が次々と誕生する様は、まさにアパレル業界と重なる部分も多いことでしょう。しかし、日本に伝わった本来の味をかたくなに守り続ける老舗の味も、じっくり堪能してみたいものです。さて、今回のカラーブックス紹介は、別に神戸の洋菓子を真面目に論ずるために取り上げたのではありません。本書が発行されたのは87年、まさにバブル絶頂期の直前。ファンシー&パステルな全てが軽くマシュマロみたいな文化のまっさかり。そんな時代の要素を写真から感じとっちゃおうじゃアリマセンカ!それでは、神戸の洋菓子をベースに、80年代の雰囲気をトッピングにして、懐かしんだり鼻で笑ったりしながらお楽しみください。
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↑ポワソン・ダブリエール
薄切りリンゴやイチゴをうろこのように並べ、カスタードクリームをたっぷり…。春を告げるお菓子で、フランスではクリスマスやイースターと同じくらいポピュラー。みなさん、おわかりですね、「目」ですよ「目」。フフフ。
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↑ミュゲ
フランスでは5月1日はミュゲの日(スズラン祭り)。ええ、そうそう、このお菓子よりも、このレースのテーブルクロスみたいなのが、中途半端にひっかかってるのが気になりますよね。これ、いらないんじゃないの?!
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↑マジパン
その昔、ローマではせき止めの薬だった。形はまるで、粘土細工のように自由自在。あれ、このファンシーなキャラの中に、「きんさんぎんさん」らしき2人の婆さんのマジパンが!みんなで探してみよう。マジで運がつくかもヨ☆
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↑チョコレートケーキ
チョコレートでフリルを作り、何重にも重ねたデザインは、思わずオッ・シャ・レーと叫んでしまうほど。表紙にもあった、みつ蜂が花の周りをとびかう素敵なケーキには、ぜひ上からたっぷりと蜂蜜をかけてみて(不味)。
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↑シュークリーム
シューはフランス語で“キャベツ”の意味。それがどうしたと言わんばかりの美味しそうなビジュアル。アーッ!お腹すいたネ…。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『洋菓子天国KOBE』は絶版ですが、趣味のカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、長崎から船に乗って着く一冊『洋菓子天国KOBE』のご紹介でした。

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