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2012年9月23日 (日)

『香港 マカオ 台湾の旅』

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カラーブックス226「香港 マカオ 台湾の旅」平岩 道夫 著(昭和46年初版、現在絶版)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第119回目は、ニーハオ、シェーシェ、ワンシャンハオなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、チンジャオロース、マーボードウフな一冊、『香港 マカオ 台湾の旅』です。

つい先日、昨年に引き続き、またもや台湾へ行って参りました。高校の修学旅行、前にいた会社の取材、そして去年と今年で4回目の台湾行きとなりました。いま日本と中国の領土問題が連日ニュースで取り上げられ、台湾から帰って来た直後は「反日デモ大丈夫だった?」と、今回の台湾行きを知っているほぼ全員に聞かれましたが、台北市内でデモや暴動は皆無に等しく、むしろ現地の方にいろいろと親切にしていただきました。例えばある夜、地図を広げてきょろきょろとしてたら、バイクに乗った若者が私の前に止まって「夜市を探しているんですか?」と日本語で道を教えようとしてくれたり、親切なタクシー運転手さんがカタコトの日本語で話しかけてくれたり、とにかく日本人に優しいのです。無料wi-fi も街のあちこちで使えるし、料理も旨いし、街は昔の日本を思わせるような看板や商店建築であふれかえっているし…、台湾(というか台北市)は、行くたびに「東京より住み心地がよさそうだなぁ」と思ってしまうのでした。

また、今から15年前には香港も旅行しました。その時は、『ガロ』で活躍していた漫画家で今もイラストや絵画で活躍している逆柱いみり氏と二人で訪れました。以前より香港や中国、台湾を思わせるマンガを多数描いていた逆柱いみりさんを香港へ連れて行く、これだけでもう充分すごい企画だったのですが、この旅の記録はのちに『夢之香港旅行』という1万円もする豪華限定本として発表しました(500部限定、絶版)。98年当時の香港は中国に返還されたばかりだったのですが、街の雰囲気は思っていた通りのごった煮感であふれかえっていました。香港島を走る二階建て路面電車(トラム)、紙製の葬儀用品を売るお店、野菜や果物や肉類が山のように積まれた市場、歩道にも並べられた乾物や漢方薬の材料…またあのエキゾチックな雰囲気に触れに香港を訪れたくなります。九龍(クーロン)側にあった「ダイヤモンドヒル」と呼ばれていた今は無きスラム街も二人でぐるぐる巡ったりして、それなりに楽しい旅行でした。今度、また香港へ行く機会があれば、合わせて世界遺産の西洋建築が多数残る元ポルトガル領のマカオにも足を運んでみたいと思います(賭博は興味なし)。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな香港、マカオ、台湾の旅をおススメする、1971年当時の貴重な写真をふんだんに盛り込んだ、元祖東南アジア旅行のススメ的な一冊です。著者は、雑誌「平凡」記者を経て、日本最初の切手評論家、海外旅行評論家として活躍していた平岩道夫氏。平岩氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「たいへんな海外旅行ブームである。とくに香港・マカオ・台湾の旅は旅行業者もびっくりするほどの人気で、年末年始ともなると、キャンセル待ちという盛況ぶり。この人気の秘密はいろいろと考えられる。自由港香港ではショッピングを楽しむ、マカオではギャンブルを、男性天国といわれる台湾では……。それに、外国でありながら日本にもっとも近く、ほとんど日本語で用が足せるのも、大きな魅力となっているようだ。」

たしかに、香港や台湾でも日本語が通じるお店やホテルは多くありました。街の看板のほとんどが漢字表記ということもあって、日本人にとっては身近な外国といえるのではないでしょうか。しかも料理はうまい、看板だらけの街並みは面白い、お土産にも事欠かない、まさに旅行を楽しむのにうってつけの観光地です。本書では、平岩氏が氏の奥様と旅行した時の写真が使われており、まるで新婚旅行のアルバムのよう。著者や奥様の70年代ファッションも時代を感じさせてくれて、もう気分は高度成長期。それでは、ジャッキー・チェンが果物市場のリンゴに突っ込んだり二階建てバスの上で看板を除けながらカンフーで闘う様子を想像しつつ、ジャスミン茶を飲んで月餅でも食べながら、細野晴臣の『泰安洋行』でも流して、香港・マカオ・台湾の画像をゆっくりとご堪能ください。チンドゥォガンジャオ!(宜しくお願いします!)
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↑機内で食べる朝食もワンダフル!
旨すぎてピントもボケる機内食(旅行川柳)。70年代当時の機内食は紙皿に出していたんですね。香港行きの食事もだけど、奥様のファッションもワンダフル!
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↑365日を海で過ごす蛋民たち
水上生活者は怒る「かつて陸の人たちは〝蛋民、蛋民〟といって人間扱いしてくれず、私たちはじっとがまんして水上で生活してきた」当時の香港人口460万人のうち水上生活者「蛋民」は15万人もいたという。これも香港のもうひとつの顔なり。なお、蛋民は1990年代には姿を消したそうです。写真の上に三菱とナショナルの文字が見えるところが「電化製品の日本」を象徴しておりますな。
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↑三輪車でマカオ市内見物
マカオ随一のデラックスホテル「リスボア」の前で。マカオの市内見物はせいぜい2〜3時間もあればいいそうで、三輪車観光は今も名物のひとつ。しかし、後ろのホテル、宇宙っぽくていいなぁ。
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↑台湾・アミ族
花蓮(ファーレン)では〝アミ族〟が民族色豊かな舞踊を見せてくれる。アミ族は台湾原住民族の中でも最も多い18万人。台湾原住民は台湾の総人口の2%ほどいるそうですヨ。冠かぶってタスキ掛けしてるところをみると、この方、ミス○○に選ばれたのかな?
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↑香港のネオン街
香港といえば、夜のネオンが美しいことで有名。フェエリーから見える香港島の夜景は「百万ドルの夜景」と言われていることはご存知の通り。街なかのネオンだって負けちゃしません。さすがは元イギリス領、英語と中国語が併記されてるところがいい感じ。「華麗屋」ってもしかしてカレー屋??
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↑香港の難民アパート
今も昔も土地の少ない香港は住宅難。洗濯物の吊るし方がいかにも香港という感じでイイ雰囲気。でも生活は大変だったようで…。しかし手前の花売りがいかにも香港的ですな。
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↑こちらは先日行って来た台北の「華西街観光夜市」(通称・ゲテモノ夜市)
思ったほどゲテモノではなかったのですが、なんだかノンビリした夜市で好感がもてました。暑いので犬も果物ジュース屋の店先で夏バテ状態。
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↑同じく台北市、多種多様な薬草が集まる「青草巷」という専門店街にて。閉店間際の店先に吊り下げられた巨大アロエがエキゾチック。まるで逆柱いみりさんの描く世界。実写版「馬馬虎虎」が見てみたい今日この頃。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『香港 マカオ 台湾の旅』は絶版ですが、趣味のカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、香港ってクーロン城が無くなっても街中がクーロン城状態だったんだなぁと思ったことを思い出した一冊『香港 マカオ 台湾の旅』のご紹介でした。

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