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2012年10月31日 (水)

『ふるさとの味 ‐東北‐』

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カラーブックス246「ふるさとの味 ‐東北‐」伊能 孝 著(昭和47年初版、現在品切れ)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第122回目は、うーさーぎー追ーいし、かーのーやーまー♪なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、ごーはーん美ー味ーしい♪な一冊、『ふるさとの味 ‐東北‐』です。

1970年に開催された大阪万博は、のべ6千万人が訪れる巨大イベントとなり、今まで団体旅行が中心だった日本人が「個人旅行」に目を向ける大きなキッカケとなりました。この年、国鉄(日本国有鉄道、現JR)と電通は、個人旅行PRの一大キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」を開始します。「自分自身と日本の美しさを再発見しよう」という意味を込めた「美しい 日本と私」をサブタイトルに入れた、日本の「個人旅行元年」ともいうべき記念碑的な鉄道旅行促進キャンペーンでした。それまで、日本の地方都市、農村、港町、無人駅などを個人で旅行する人は、ごく少数の旅マニアか一部の鉄道マニアくらいだったようです。ところが、このキャンペーンによって、男はもとより若い女性同士でローカル線各駅停車の旅をするなんてことも珍しくなくなったのです。現に、このCMやポスターでは、付けマツゲがビンビンのベルボトム姿でサイケな若い女性2人が、北陸や東北などの旅行を楽しんでいる様子が描かれています。ジュクでアンパン吸って地べたリアンよりも、秋田でナマハゲ見ながらキリタンポ食う囲炉裏端ってカッコよくね?ってな感じです。今では、TV番組「ケンミンSHOW」などの影響もあって、日本の地方ローカル料理や習慣が見直されてきていますが、すべては1970年の「ディスカバー・ジャパン」から始まりました。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな「日本再発見」キャンペーン開始から2年後というタイミングに発売された、東北ならではの味を再発見する「ディスカバー・東北の味」な一冊です。著者は、通信省官吏、旅行家を経て作家となった伊能孝氏。伊能氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「私は美食にはほど遠く、むしろ粗食である。好意でだされたものは、どんなものでも喜んでたべるほうである。したがって、ここにあげるものはあまり高価なものはない。そばであったり、シジミ汁や漬け物に鍋物という具合で、われながらいささか情けないものばかりである。しかし、私はそれが東北的な味覚だと思っている。旅館の特別料理というものには、私にはさして感激もないし、うまかった、という記憶も乏しい」

たしかに、たったひと切れのいぶりがっこが東北の旅情を演出してくれるように、素朴で庶民的な味こそが、ふだん着の東北を見せてくれるのかもしれません。高級旅館で食べる舟盛りもいいけれど、しょっつる鍋やわんこそばもいいよ、と著者は笑顔で酒をあおりながら、私たちに語りかけているのです。さあ、東北、あるいは日本再発見の旅へ、そして美味しい庶民的な料理の旅に行ってみたいと思いませんか? それでは、昭和47年当時の東北の味を、味のあるカラー写真でじっくり堪能してください。いま行かないで、いつ行くんだ!(JRさん、パクってすみません)

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↑笹酒(宮城県)
青竹の中に八合から一升の酒を入れ、これを火であぶるように温めると、青竹から竹の油がにじんで酒のコクが増し、二級酒が一級酒になるという。なぜか右下にコケシが並んでいるけど、気にしない、気にしない。今日の夕飯は、ビッグチキンカツに刺身ですか。和洋折衷でも気にしない、気にしない。

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↑ウニの貝焼き(福島県)
とってきた生ウニをホッキ貝の殻に山盛りに詰めて、炭火で軽く焼くだけである。レンコンみたいな絵柄の箱も木になるけど、ウニの山盛り具合も気になります。わさび醤油で貝焼きつまんで酒をあおれば、気分は八代亜紀の「舟歌」そのもの。♪しみじみー(以下、著作権関係で自主規制)。

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↑津軽鍋(青森県)
浅虫温泉のある浅虫地方の野菜や魚、貝など20種類ほどの材料を豊富に取り入れた鍋。うまそうなんですが、どうもギンナンが多すぎる。ああ、多すぎる。

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↑ジンギスカン鍋(岩手県)
岩手山を背景に小岩井のジンギスカン料理をいただく。え、この風景、写真じゃないの? それに、その笠ジャマじゃないんですか、お姉さん?

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↑東北本線郡山駅の磐梯そばの立ち食い(福島県)
そうそう、東北の味といっても料理屋や旅館で食べるものばかりじゃござんせんよ。「2番線から電車が発車いたしまーす」ちょ、ちょ、ちょっと、ま、待てよ、ゴフッ!

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『ふるさとの味‐東北‐』は品切れ中ですが、料理と味のカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、早く震災の復興を願わずにはいられない一冊『ふるさとの味‐東北‐』のご紹介でした。

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