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2012年12月21日 (金)

『鉄道模型』

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カラーブックス380「鉄道模型」山崎喜陽 著(昭和51年初版、現在品切れ)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第125回目は、ガタンゴトンガタンゴトンなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、カラーブックスが最もお得意とするジャンルの中から選んだ一冊、『鉄道模型』です。

私は東京の北区東十条というところに6年ほど前から住んでいるのですが、先日、テレビ番組「若大将のゆうゆう散歩」(地井武男の「ちい散歩」の後継番組)で、加山雄三がJR京浜東北線「東十条駅」周辺をぶらりと散歩するという回を見ました。東十条駅周辺は二日間放送されたのですが、最終日の放送で東十条にある鉄道模型の企画・製作・販売会社を紹介していました。その名前は「安達製作所」、16番ゲージ(主に日本型の縮尺1/80の模型のこと)鉄道模型のキットを製作している鉄道模型メーカーです。若大将こと加山雄三は、エレキだけでなくどうやら鉄道模型にも興味があるらしく、細かい運転席の塗装や真鍮製の車両に「すげぇなぁ〜」と何度も感嘆の声をあげておりました。私はとくに鉄道模型ファンとかではないので、これほど自宅から近いところで鉄道模型を製作している老舗のメーカーがあるとは全く知りませんでした。友人に鉄道模型ファンが何人もいて、雑誌で鉄道に関する文章を何本も書いたことがあるにも関わらず、これは本当に「灯台下暗し」だったと反省したのでありました…。今度、友人に教えてあげよーっと。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな鉄道模型マニアたちに送る、趣味度の高い一冊です。著者は、「鉄道模型趣味」創刊者にして機芸出版社の山崎喜陽氏。山崎氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「鉄道を対象とした模型は、幅が広いうえに底しれぬ深みを持っています。クラフトホビーとしての技術的な面、ミニチュアとして楽しむ面、走らせるという動的な面はもとより、美術的な要素さえも加わります。レイアウトへ進むことによって、さらに建造物や自然界の小型化も必要となり、そこに機関車模型ではない鉄道模型が生まれるわけです。」

たしかに、鉄道模型には「これでもか」というくらいにリアルな街を表現した大掛かりなものを見かけることがあります。以前、雑誌の仕事で大宮にある鉄道博物館の鉄道模型ジオラマを取材しましたが、その細かさといったら、まるで一地方都市の小さな駅がそのまま縮小されていると思ったくらいです。今回ご紹介するカラーブックスは、実際に走らせる車両の説明から、ジオラマのレイアウト、建物や樹木にいたるまで、事細かに説明した、鉄道模型入門書的な一冊です。掲載されている模型の情報は初版発行当時のものですから、実用的とは言いがたいのですが、昭和の時代にどのような模型が作られていたのかをしることが出来る、大変貴重な資料と言えるのではないでしょうか。それでは、昔作った覚えのある方は懐かしさを、若い方はそのデザインのアナログさとアナクロさを、カラー写真でじっくりとご堪能ください。
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↑千曲鉄道のスイッチバック(平野和幸)
いやーここまで本格的に作っているとは。しかし、このレイアウトに飽きたら、これってどうするんだろう…。
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↑地方小私鉄のムードを求めた1.9×1.2mのレイアウト城新鉄道(阿部敏幸)
「バスや火の見ヤグラの製作にも力を注いでいる」よく見ると左端にボンネットバスが…昭和何年代のジオラマなんだろか?
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↑小さいレイアウトから出発して、山岳風景を中心とした大レイアウトに発展したアメリカのG&D鉄道(ジョン・アレン、1973年没)グランドキャニオン並みの風景を作れる技術も凄いけど、同じような色のトーンの中で風景を細かく作り分けているところがもっと凄い。作者は本書出版3年前にお亡くなりになったようです、合掌。
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↑152ミリゲージのフリーの大電気機関車。数人の人を乗せて庭の線路を走りまわる。(佐藤稔)思わず「デカッ」と言いたくなる機関車の大きさもさることながら、後ろに見える下見板張りの家やスーツ姿で庭にしゃがむおじさんの構図がなんだか妙。もしかして著者?それとも機関車の作者?
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↑90cm四方に作った軽便鉄道レイアウトの駅風景(三原豊)。労働者「おーい、木材の下から何か声がするんだ」駅員「なんだ、誰か下敷きにでもなったのか?」労働者「どうも昼寝していたようだ」駅員「迷惑なやつだな、いったい誰なんだ」労働者「ああ、顔はわからんが、さっきからニャーニャー声がすることだけは確かなんだ」

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『鉄道模型』は品切れ中ですが、のりもののカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、やっぱりレイアウトを変更したい人は一冊『日本の民具』のご紹介でした。

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