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2013年1月31日 (木)

『伊勢路』

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カラーブックス403「伊勢路」嵯峨崎 司朗 著(昭和52年初版、現在品切れ)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第128回目は、♪せめて一生に一度でも、なカラーブックスをご紹介いたします。今回は、日本全体の鎮守「伊勢神宮」を訪ねる旅の一冊、『伊勢路』です。

私が小学3年か4年の頃、三重県の伊勢神宮へ家族旅行をいたしました。伊勢神宮へ向かう途中、近鉄線宇治山田駅構内で立ち食いそばを食べ、そのまま神宮へ向かったことを昨日のことのように覚えています。参道にビッシリと敷きつめられた大量白い玉砂利や、厳かな空気の漂う境内を歩いたことは、いまでも目をつぶると瞼に浮かんでくるほど、それはそれはインパクトのある体験でした。伊勢神宮は今年、社殿を造り替える20年に一度の大祭「式年遷宮」がおこなわれることで注目を集めています。伊勢音頭で「♪伊勢へ行きたい 伊勢路が見たい せめて一生に一度でも」と歌われたように、日本人として生まれたからには、是非とも一度はお伊勢参りをしていただきたいものです。私も機会があれば、また伊勢路の旅を満喫したいと思っている今日このごろなのでした。さて、伊勢にはもうひとつ記憶に残っていることがあります。伊勢から志摩の真珠島に向かうタクシーのリアウインドゥ(後部の窓ガラス)に、気になる広告が貼られていたのです。「元祖国際秘宝館」たしかにそう書かれていました。そのロココ風の大きなロゴを見た時、両親に「あれって何?」と聞かなかったのは、子どもの「何か聞いちゃいけない」風のカンが働いたからでしょうか。そのまま、あの文字が心の「傷」となって大人の階段を昇ったのです。「秘宝館」の意味を知ったのは、それから10年ほど後のことです…。もちろん、みなさんはご存知ですよね?

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな「お伊勢参り」と周辺の観光地をご紹介する、結構、結構、伊勢志摩観光的な一冊です。著者は、元サンデー毎日記者で戦後はフリーで活躍した嵯峨崎司朗氏。嵯峨崎氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「志摩を、たびたび訪れるようになったのは、海女さんの一言からである。さんざん砲火にやられて敗戦、南方のジャングルから引き上げて来たものの、食べ物がない。せめて魚なりともの食い意地から、志摩の海女の里へ行ってみた。(中略)一人の海女さんの夫は、奇しくもわたしと同じフィリピン戦線で戦死したという。(中略)「この人はナ、戦死したオト(夫)を思うと海底で泣くそうやて、涙みせんでもええわサ。」(中略)これは胸を殴られたような衝撃であった。」

たしかに、戦後まもなくの食糧難の時代に、冷たい海の底に潜り生計を立てていた海女さんには頭が下がります。子どもの頃訪れた志摩の真珠島では、海女さんの素潜りショーを見学しましたが、どの方もすでに高齢で、もしかすると、この時に著者と話をしていた海女さんがこの中にいたのかもしれません。今回ご紹介するカラーブックスは、そんな伊勢志摩の風情ま満載の、まさに伊勢路カラーガイドブックとも言える一冊です。それでは、日本人の心の拠り所でもある伊勢への旅を、カラー写真でじっくりとご堪能ください。
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↑獅子頭(ししがしら)
「神宮の神を守る猿田彦神から出ている。悪霊・悪魔を退散させる大神楽のスターである獅子頭の古玩である。口に竹のバネ仕掛けがあって、パクパクする。値段も手ごろ。」いや、安いのはありがたいのですが、なんかだんだん気持ち悪くなってきた…。じいさんの手前にある瓶が桃屋ってとこに眼がいくのは悪い癖。
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↑毎年八月十五日の夜、伊勢市はかんこ踊りでにぎわう
なんだ、この筆のお化けみたいな気持ち悪いのっぺらぼうの妖怪は…。こんなのが夜に家を訪ねたら、軽いトラウマになりそう。「筆はいらんかぇ…筆はいらんかぇ…」
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↑真珠島パールホールにおける真珠の核入れ
あ、これは私も子どもの頃に現地で見ました。アコヤガイの中に、丸い白い玉の異物を入れて、これにあの美しいパール模様がつくんですよね。しかし、見ている客の顔や格好が完全に昭和ですな。特にグラサン、お前のことだよ。
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↑御座白浜は夏ともなると若者の天国と化す
しっかし、空いてるな、この海水浴場。異様に「中日新聞」の旗が目立っとります。でも雰囲気いいね。
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↑神楽祭・太刀や楯・鉾を手にして舞う(伊勢神宮)
天皇家の粗神であるはずなのに、参拝した天皇の第一号は明治天皇なんだとか。その前の天皇はどうしていたのでしょうか?とこの本の筆者は私たちに問いかけます。申し訳ございません、存じません。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『伊勢路』は品切れ中ですが、旅路と散策のカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、やっぱりレイアウトを変更したい人は一冊『日本の民具』のご紹介でした。

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