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2013年2月23日 (土)

『星と花の手芸』

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カラーブックス313「星と花の手芸」小薗江 圭子 著(昭和50年初版、現在品切れ)

保育社カラーブックスシリーズの魅力をたっぷりとご紹介する「カラーブックスの達人」ブログ。第129回目は、スターでフラワーでハンディークラフトなカラーブックスをご紹介いたします。今回は、メルヘンチックで乙女チックな一冊、『星と花の手芸』です。

私が小学5年生の時、家庭科の授業でエプロンに好きな絵柄を刺繍をして提出するという宿題が出ました。私は刺繍や縫い物が大の苦手で、自慢ではありませんが、いまだにボタン付けもできません…。そんな人間がエプロンに刺繍なんぞできるはずもなく、母親に相談したところ、「手伝おうか」と助け舟を出してくれました。さて、その翌朝。どうやら母は夜のうちに宿題の縫い物を仕上げてしまったようです。そして母が「はい」差し出したエプロンを見て、私は驚きました。そこには、世界一有名なビーグル犬「ス●ーピー」がエサの骨を片手に笑っていて、ご丁寧にもハートマークまで付いているという、おおよそ小学生男子が作りそうもない絵柄が縫われていたのです。まさに「お母さんが作ってくれた宿題」そのもの。私は二の句が継げぬほど驚き、そして焦りました…「これは確実にバレる」と。案の定、このエプロンは「母の作品」として評価され、先生から「お母さん上手だね」と言われる始末。もう、縫い物系の宿題は母親に相談してはならぬと誓った、11歳の田端少年なのでありました。

閑話休題。今回ご紹介するカラーブックスは、「天の12宮」をテーマにした手芸をお花とともに紹介した、そのままやんけ!な一冊です。著者は、作詞家、イラスト、童話、エッセイ集などで活躍した小薗江圭子氏。小薗氏は、「はじめに」で以下のように語っております。

「人はその誕生の日に、太陽のある星座から影響を受けるのだそうです。(中略)私が興味を持ったのは、真偽のほどよりもその星座のキャラクターで、ぬいぐるみにしてみたくなりました。ぬいぐるみを作るうちに、それぞれの星座にはギリシャの神々が支配者としてあり、ラッキーな色や石や方角や花があると知りました。ぬいぐるみや小物は、友だちのクリスマスや誕生日のプレゼントにするつもりです。アップリケは絵を描くような気持ちで作りましたが、もちろんこれをクッションやバッグにしてもいいわけです。実用性の全くないものより、何かに使えるほうが作るのには気楽なのです。」

たしかに、星座には何か神秘的なものを感じてしまいます。星座にはそれぞれ意味があり、深く知れば知るほど、その魅力に引き込まれてしまい、ぬいぐるみを作ってしまう気持ちも分からなくはありません。今回ご紹介するカラーブックスは、星座にハマった人がついつい星座と花の手芸を作りたいという衝動にかられた時に役立つ、超ニッチな一冊です。気になるのは、この本が発行された当時、いったい何部ほど売れ、そして買った人の何割が実際にぬいぐるみを作ったのか、ということです。著者のセンスが光る独特の色使いと造形に、70年代の時代性と著者自身の個性を感じずにはいられません。ああ、なんて素敵なカラーブックスなんでしょう! それでは、サイケでラリラリなアシッドぬいぐるみの数々をドギツい原色のカラー写真でじっくりとご堪能ください。
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↑蘭のぬいぐるみ
「しあわせの花蘭をぬいぐるみにしました。もちろん、もっときれいで可愛い蘭もあるのですが、私はこの花の摩訶不思議なところが好きです」久里洋二か、はたまた長新太か…ナンセンスなオトナ漫画の世界がついに立体で甦る。ウヒョー!
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↑双子座
黒い双子の人形もチャーミングでイカすけど、やっぱりこの背景がスんバラシイ。こんなアシッドな色の組み合わせを見たら、気分はもうLSD。
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↑魚座
出ました、このウロコ。まるでNHK教育テレビのセットみたいなオサカナの色は五味太郎にも通じる奇抜さですな。泳げ!メタルなたいやきくん!
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↑アルテミスのアップリケ
「射手座の支配者アルテミス。狩と貞節と結婚の女神です。鹿と一緒に夜の森を行くところ。弓の糸は金のラメ系です。」女神の髪型がサイケしとります。なぜか鹿は、草間弥生の作品ばりに水玉模様。
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↑ひまわりのランチョン・マット
「いっぱいにステッチした布に、カーテンの裾などにつける黄色のフリンジをつけて、花びらに見立てたわけです。デザートを置くあたりに蜜蜂のアップリケ。」はーちみつレ●ン♪のCM思い出した人もいるのでは。でも、ちょっとミニマルアートぽくて欲しいなぁ。

さて、いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介いたしました『星と花の手芸』は品切れ中ですが、趣味・手づくりのカラーブックスは在庫があるようです。この機会に是非どうぞ。ご購入希望の方はコチラ←から。今回は、やっぱり70年代は素晴らしいと再認識した一冊『星と花の手芸』のご紹介でした。

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